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他人と比較しない人

今日のおすすめの一冊は、小林正観さんの『心がなごむ秘密の話』(宝来社)です。その中から「現象は全部ゼロ」という題でブログを書きました。

本書の中に「他人と比較しない人」という心に響く文章がありました。

1939年にフロイトが亡くなりましたが、晩年にこのようなことを言っています。 「自分たちの時代の以前に、“幸せ”とか“不幸”を論ずる人はいなかった。 “幸せ”や“不幸”というものを人々が口にするようになったのは、自分たちの時代くらいからだ。 その前の人は、全く口にしていないし、話題にもしていない」 

フロイトの時代以前は、人間の心の中に、幸せと不幸という概念が湧いてきていなかったのです。 どうしてかと言うと、情報通信が発達していなかったので、他人がどういう暮らしをしているかを、知るすべがなかった。 

周りの人がどういう生活をしているかを知らなければ、皆それぞれ、嫁さんをもらって、子供をつくって、家族で普通に食事をして…というように自分の生活をしていた。 それを幸とか不幸とか言わなかった。 それが、普通の人の生活だったのです。 

それが、ラジオや画像として情報が入ってきたり、新聞などでそれぞれの生活がわかるようになって、周りの人と比べるようになった。 比べるようになった結果として、幸せ・不幸という考え方が論じられるようになったのです。 

幸せや不幸というのは、全部人との比べ合いから始まっている、ということです。 ここのところがかなり面白い。 幸・不幸というのが、宇宙的に存在しているわけではない。 比べる心、競う心、戦う心、争う心から全部始まっている。 それをやめればいい。 そしたら、いきなり幸せが手に入るということです。 

嫉妬も、不満も、グチも、すべては他人との比較から生まれる。 しかし、情報化がどんどん進み、SNSなどで他人の情報はすぐにわかるようになり、比較するすることはますます増えてしまう。 

そうして、年を追うごとに世の中に、嫉妬や不満やグチが渦巻くことになる。

比較しない唯一の方法は、ボーっとすることであり、力を抜いて生きること。 つまり、鈍(にぶ)くなることだ。 

鈍(どん)な人、バカになれる人、はあまり人と比較することはない。 賢(かしこ)くて、鋭(するど)すぎる人は、人から好かれない。 すぐに、自分と比較して、イライラしたり、ピリピリしたりしてしまうからだ。

 他人と比較しない、良き鈍さをもった人でありたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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