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事を成すには、狂であれ!

今日のおすすめの一冊は、西沢泰生(やすお)氏の『名言サプリ』(祥伝社黄金文庫)です。その中から「自分の頭で考える」という題でブログを書きました。

本書の中に立川談志師匠の素敵な話があったのでシェアします。

旧来の落語会の常識を破り、独自に「立川流家元」を名乗るなど、落語の世界に爪あと…ではなく、足跡を残した落語家、立川談志。そんな談志さんが、テレビのインタビューで「好きな漢字一文字は何ですか?」という質問を受けたときに挙げたのが、この「狂」という字です。いや~、ハチャメチャだった師匠を象徴するにふさわしい一文字ですね。
好きな漢字を一文字と聞かれて、この字を選ぶ人は、他にはなかなかいないでしょう。さすが、せっかく政治家になったのに、酔って記者会見に出てしまい、記者から「公務とお酒とどっちが大切なんですか!」と詰め寄られて「酒に決まってんだろ!」と答えて議員の席を棒にふったツワモノですね。
談志師匠は、この言葉を選んだ理由として、こんなことを言っています。「(誰だって)それぞれの世界で、自分の(心の)中にある押し込められたものをどっかで上手に発散していかなきゃいかん。常識というがんじがらめの世界から、たまには逃れなさい」
好きな漢字を聞かれたのに、若い人たちへの人生のメッセージを語り始めるところが、「実は優しかった」談志師匠らしいところ。師匠は、この言葉に続けて、こう言って締めくくっています。「(発散の方法は)なつメロでもケッコウです。酒が入ればなおケッコウ」このあたりは、少し照れ隠しで、自分の言葉を茶化していますね。
この追加のコメントのニュアンスから察するに、談志師匠のこの「狂」を、他の言葉で言えば、「息抜きとしてハメを外す」でしょうか。最近、悩んでストレスが溜まっているというあなた。スポーツでも飲み会でもカラオケでも、方法は何でもイイので、やるときは、「よし、今日はいっちょう狂うか!」というようなノリで、思い切り弾けて、自分を解放して楽しんでみてください。
ちなみに、京セラの創業者である稲盛和夫氏は、「壁を打ち破る強烈なエネルギーに満ちた状態」のことを「狂」と表現して、「事を成すには、狂であれ」と言っています。これは、談志師匠とは正反対の「狂」ですね。

行徳哲男師はこう語っています。

坂本龍馬は「自我狂」という字を好んで書いた。 吉田松陰は「諸君、狂いたまえ」と若者たちを鼓舞した。 「狂をなし愚をなすも 我れいずくんぞ憂えん 我は我が志を行なわんのみ」と詠った山県有朋は自らを「狂介」と称した。 狂った人間たちが明治維新という奇跡を起こしたのである(感奮語録)より
また、吉田松陰は、「狂愚まことに愛すべし、才良まことに虞るべし」とも語っている。 頭でっかちで少しばかり知識があったり才能のある連中はダメだ。世間の評判などまったく気にせず、狂ったように新しいことに挑戦し、愚直にやりとげる者こそ、誠に愛すべき人間である、と。狂とは、今まで通用していた常識や、思い込み、慣習などを一気に飛び越え、そこを突破するための一種の狂気だ。常軌(じょうき)を逸(いっ)した行動をとらなければ、厚い壁や硬い岩盤を、突き抜けることはできない。古今の大成功者のみならず、昨今のITの成功者たちに、一様に共通しているものがある。それが、狂気という気ちがいじみたパッションだ。

この大変革のまっただ中にある現代、この壁をぶち破るには狂気が一番必要だと思います。まさに「狂愚まことに愛すべし」です。

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