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思ってもみないところに辿り着くには

今日のおすすめの一冊は、ひすいこたろう&白駒妃登美 (しらこま ひとみ)氏の『人生に悩んだら「日本史」に聞こう』(祥伝社黄金文庫)です。その中から『「目標達成型」と「天命追求型」』という題でブログを書きました。

本書の中に、ひすいこたろうさんの「思ってもみないところに辿り着くには」という心に響く文章がありました。

歴史に残る音楽や絵画は、アーティストが作りたくて勝手に作ったものではなく、 頼まれて作ったもののほうが多いようです。例えばモーツァルトの音楽が宮廷から頼まれて作られているようにです。 

自分が好き勝手に生み出すものは、なかなか自分の我"の世界を超えられないのかもしれません。でも、頼まれたものは、そこに最初から誰かの要望があるわけで、 我を超えた世界でクリエイトする必要が出てきます。だからこそ普遍的なものが生まれやすいのでしょう。 

天命追求型の生き方は、ひとりでは完結しません。常に、目の前にいる相手があってこそです。だからこそ、思ってもみなかったところへ辿り着けるのです。 

日本の古い文献の中に「ナガタ」「ナガサキ」という言葉が出てきます。 「ナ」は「あなた」のこと。 「ナガタ」とは、「あなたが楽しいと思っていることが私の幸せです」という意味で、「ナガサキ」とは 「あなたの幸せが先」という意味で、そのために私が何か役に立てることがあればうれしいと思って行動すること、だそうです。 

あなたを幸せにしようとして、いつのまにか辿り着く場所、それが日本人にとっての「夢」だったのではないでしょうか。

「天命追求型」とは、目の前にある課題に対して、ひとつひとつ力を出し切ることによって次の扉が開き、新しいステージに運ばれていくタイプ。日本人に合っているのが「おかげさま」の精神を持つ、「天命追求型」。

これとは対極にあるのが「目標達成型」。アメリカ型の成功哲学だ。夢や目標を叶えるために努力する生き方。

しかし、「夢」というのはほとんどが、自分の欲望を達成するための「我」の夢。「売上を何億にしたい」とか「お金持ちになりたい」、「タレントになりたい」等々。

しかし、日本古来の考え方には、「おかげさま」とか「お先にどうぞ」というまわりの人たちのおかげ、自分より他人を先にする、というものがある。自分ではなく、まわりの人に感謝する思想だ。

小林正観さんは、「ナガタ」「ナガサキ」についてこう言っている。

「汝が楽しければ吾が楽しい、汝が幸せであれば吾が幸いである」という考えかた。これは、天照大神の教育係であった豊受(とようけ)大神の教えだそうだ(「ありがとう」のすごい秘密/中径出版)より

「人の幸せがこそが我が喜び」という考え方が基本にあると、我々は、「思ってもみないところに辿り着く」ことができる。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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