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web3で学びはどう変わるか

今日のおすすめの一冊は、伊藤穣一氏の『テクノロジーが予測する未来』(SB新書)という本の中から「新たなテクノロジーによる歴史的な大転換のとき」という題でブログを書きました。

本書の中に「web3で学びはどう変わるか」という興味深い文章がありました。

web3で「学び」はどう変わるか。また、web3時代に求められる教育とは何か。まずいえるのは、web3は、日本で長く続いてきた「学歴至上主義」の効力を徐々に薄めていくだろう、ということです。
というのも過去の履歴を克明に記録し、しかも消去・変更が不可能なブロックチェーンが履歴書の代わりになっていくのだとするならば、修了証書などよりも深く、明確かつ正確に個人の能力・資質が伝わってしまうからです。
学校で何の学問を修めたかだけではなく、学校内外でどんな活動をしてきたか、社会に出てからはどういうコミュニティで、いかに貢献し、何を達成してきたか等々。web3 のテクノロジーが社会に浸透するにつれて、こうした履歴すべてをひっくるめて個人の能力・資質がはかられる時代になると考えられます。
いまの教育は、1つの課程を終えて修了証書を受け取ったら、基本的におしまいです。しかも専門職でない限り、自分が学んできたことを仕事の場面でシェアする機会は、ほとんどないでしょう。
学びと仕事(稼ぐこと)が分断されてしまっているのです。 本来は、「学び」と「仕事」と「遊び」の3つが一体になっているのが理想的です。というのも、「遊び」がない「学び」や、「遊び」のない「仕事」は、モチベーションとクリエイティビティに何かしらの問題があることが多いのです。
現代の様々な問題は、こうしたことに起因するのではないでしょうか。しかしweb3では、「自分が学んできたこと」や「いま、考えていること」を、誰もがチェックできるところに開示しておくことができます。
それにより自分の能力・資質が審査されることもあれば、他者の知見と合わせて新たに学ぶ機会にもなりえます。 1つの課程を修了したらおしまいではなく、得た知見同士を掛け合わせた学び直しー 「リラーン」が、web3では起こりやすくなるといっていいでしょう。
新たに学びながら課題をクリアしていく。ゲームのなかで修行(学び)を積んで成長していくクエスト(ミッション、冒険シナリオ)のような感じです。
実際に、学びがクエスト化している学校も存在します。 「42(フォーティツー)」はフランス発でアメリカ、日本を含む世界各国に展開しているエンジニア養成校なのですが、この学校には教師がいません。
クリアすべき課題だけがあって、学生はピアラーニング(学生同士が協力して学ぶこと)で取り組んでいきます。大学生になる僕の甥が通っていたのですが、非常に楽しく学ぶことができたと話していました。
経歴不問、学費無料、24時間開校、オンライン学習可という自由度の高さで、「学年」「卒業」といった概念もありません。個々の学びはすごろく状のマトリックスで表現されます。自分が学びたいところをステップバイステップで埋めていき、「この学校でこういうスキルセットを身につけることができた」と自分が満足したところがゴールです。
このように、ゲームにインスパイアされており、トップダウンで先生から教わるのではなく個人が好きなように学習できる、仲間と協力して学ぶ、という学校形態は、あらゆることが分散化(非中央集権化)するweb3時代にこそ注目が集まる仕組みにも思えます。

未来はレーティング社会になると言われています。実際、中国では個人の信用システムでは他国より一歩先に進んでいます。しかし、中国の後塵を拝していた日本も、ブロックチェーンによって、巻き返しがはかれるかもしれません。

また、子どもの頃は何にでも好奇心があり、それゆえ、知ること、学ぶことが楽しくて仕方なかったのです。しかし、年を重ねるに従って、いい学校に入るためとか、点数のための勉強に変わってしまいました。すると、そこには学ぶ喜びは発生しないのです。

今年度から高校では「探究学習」が始まります。探究学習とは自分で問いを立て、その解を自分で見つけていくという創造性を育む学習方法です。従来の「おぼえること重視」の学習法とはまるで違います。それはつまり、遊びながら学んでいく一種、ゲームのような手法でもあります。

また、「42」は設立してから、約10年しか経っていないのにも関わらず、世界の大学ランキングで第10位を獲得しました。ちなみに京都大学は40位、東京大学は49位です。

学びの概念も、学習方法も大きく変化しています。未来を突破できるよう、進化するテクノロジーについて学び続けたいと思います。

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