称賛すること
今日のおすすめの一冊は、小林正観さんの『「今」という生きかた』(廣済堂文庫)です。その中から、「悩み苦しみとは」という題でブログを書きました。
本書の中に「称賛すること」という素敵な話がありました。
甲子園に出てくる野球チームは、共学校が多いようです。女子生徒が「キャー」と言いながら応援をしているせいかもしれません。その応援に照れながらもやる気を出すのが「男」。 男子校の場合でもやはり、グラウンドの周りを女子生徒が取り囲んで、黄色い声援を送っている学校が甲子園に出てくるようです。
面白いことに、バレーボールなどで優勝する学校は女子校が多いようです。女子の場合は女子校が強く、男子の場合では共学校が強いということになります。
以前、『天才たちの共通項』(宝来社刊)という本に書きましたが、天才たちに共通 していることはないだろうかと、唯物論的に調べてみたことがあります。 その結果、天才と言われるような子どもを育てた母親は、徹底的に子どもを称賛して育てていました。
親は子どもに対して「これがいけない」「あれがいけない」と言って育てることが 正しい教育と思っているかもしれませんが、男の子に対しては逆効果です。 「天才を育てた母親たちは、子どものことをいっさい否定しません。ただひたすら称賛し、「あなたのことが大好きよ」と言い続けた結果、天才へと育っていきました。
男はとても弱い、未熟な存在です。だからこそ、信頼している人や身近な存在、特に愛されたいと思う人から褒められると、ものすごく成長するという特性を持っています。逆に、身近にいる女性から、怒られたり、けなされると、落ち込んで自信のな い人間に育ってしまう。
しかし、挽回できるチャンスはあります。たとえ母親から怒られたり、けなされて自信のない人間となった男の人も、大きく羽ばたけるチャンスがあります。 それが、恋愛、結婚です。 母親からけなされて育った男性が、大好きな彼女から「あなたは素敵」「すごい人」 と言われたとしましょう。言われた男性は、「もしかしたら自分はすごいかもしれない」 と思い、大きく飛躍する可能性があります。
ですから、妻は夫に向かって粗探しをしてはいけません。粗探しをすればするほど、 つまらない男になってしまうのですから。 母親として、あるいは恋人、妻として男性に接する時には、ただひたすら称賛していくことが肝心です。 怒ったり、怒鳴ったりした瞬間に、天才へと羽ばたく芽をブチっと摘み取ってしまいます。 天才になるか、ねじくれた子どもになるかは、母親にかかっているようです。
二千五百年前、お釈迦様は、人物をつくる上で大切なものとして「貧乏」「読書」「母 親の感化(影響)」を挙げました。 貧乏とは、お金の価値を知るということ。読書とは、未知への見聞を広げて知識を蓄えるということ。そして、母親の感化とは、まさしく母親の影響を指します。
父親という文字はどこにも出てきませんが、父親は存在意義がないというのではあ りません。父親は、母親を精神的、経済的に安定させるという役割があります。 この、母親の感化とは、どのようなことでしょうか。 それは、「あなたはあなたのままでいい」と丸ごと受け入れて、褒めてあげるということ。「あなたが大好きよ」と言ってあげること。
「勉強はできて立派だけど、お手伝いはしないから駄目ね」などと条件つきで褒めるのは違います。 子どものすべてを認めて、称賛することが大切です。
では、女の子の育て方はどうでしょうか。 女の子も称賛することで成長します。しかし、称賛しなくても成長します。 女の子は、欠点や短所を指摘しても成長し、また欠点や短所を指摘せず放っておいても成長していきます。 女性は完全性が高く、強くたくましい存在だからです。
子どもを育てていく時、男の子、女の子で接し方を使い分けるのは大変ですから、 両方ともただ称賛して育てていくといいでしょう。
まさに、小林正観さんの言う通り、男は、「とても弱くて、未熟で、幼い」存在です。社会では男社会のようになっていますが、実はそれは、威張っていないとすぐに怒り出してしまう男が多いため、女性がそれを手のひらの上に乗せて、操っているとも言えます。
それを勘違いして、自分の実力だと思っているのが男性諸氏だと思えば間違いありません。簡単に言えば、いくつになっても精神的な「子ども(ガキ)」なんです。
ガキとは仏教の「餓鬼(ガキ)」からきています。餓鬼には二種類あって「無財餓鬼」と「有財餓鬼」があります。無財餓鬼とはいつも何かを欲しがる人たちであり、後者はモノや金が有り余るほどありながらケチで、さらにもっと欲しいという不幸な人たちです。子どもは、「もっともっと」と際限なく欲しがるので「餓鬼」と言われたようです。
つまり、男の本性の中には、愛や称賛を、「もっともっと」と欲しがる心が根底にあるのでしょうね。甘えがあり、自立していないということでもあります。
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