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マジという言葉

今日のおすすめの一冊は、柏野和佳子(かしのわかこ)氏の『ことばのひみつ』(高橋書店)です。その中から「消滅言語」という題でブログを書きました。

本書の中に「マジという言葉」という興味深い文章がありました。

「マジ」は最近できた言葉ではありません。江戸時代に、 芸人たちが「真面目」をマジと省略 して使い始めたというのが定説です。

1781年(天明元年)に出版された『にゃんの事だ』という洒落本(しゃれぼん)にも「気の毒そふなかほ付にてまじになり」(気の毒そうな顔つきでマジになった)という表現が出てきます。

また「むかつく」も江戸時代には今と同じ意味で使われていました。 元は「胃がむかつく」というように「胸やけ」のことでしたが、それが関西地方で「腹が立つ」という意味で使われるようになったのです。 江戸時代の人も、「マジむかつく」と言っていたのかもしれませんね。

◆「マジ」とか「むかつく」という言葉は、若者言葉として、年輩者には評判が悪い。他には、「ヤバい」「ビビる」も同じだ。これらは、元をたどると、江戸時代の芸人が使っていた言葉だという。

十返舎一九の東海道中膝栗毛にも出てくる言葉。また、なんと、「ビビる」は平安時代から使われていたという。

若者言葉は非常識で、ちゃんとした言葉を使えと糾弾される。だが、よく調べてみると、非難するのはお門違いで、江戸時代からあった言葉だったりする。時に、常識を疑い、歴史を調べることも大事だ。

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