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美はムダの中にあるもの

今日のおすすめの一冊は、堀文子氏の『ひとり生きる 人生は幕引き直前まで面白い』(三笠書房)です。その中から「人生は幕引き直前まで面白い」という題でブログを書きました。

本書の中に「美はムダの中にあるもの」という心に響く文章がありました。

●何のプラスにもマイナスにもならないようなムダ話こそ、本当の会話です。用件なんていうものは会話ではございません。

●各界の方々との交流において、会話が成立する条件とは、ムダ話を面白く膨(ふく)らませることができるかどうかだと思います。お互いの思いやりがどれくらいあるかということでしょうね。ムダは損だと思っている人たちがいますが、ムダは真理ですし、美はムダの中にあるものです。そういうムダ話ができる人が、最近は少なくなりましたね。

自慢話が入ってはいけません。成功した人は、自分の功績を言いたがりますが、自慢したい気持ちを抑えるべきです。はにかむ心をもち続けることです。ちやほやされることが当たり前になってしまったら危険です。

●ユーモアは、自分の愚かさをぶちまける勇気がないと表現できません。

●本当のことを言う時、相手を傷つけないで言えるようなセンスのある人は会話の達人です。そういう方に惹かれますが、私は馴れ馴れしくはいたしません。群れない、好かれないことをモットーにしております。

知り合いは沢山おりますが、友達はこざいません。つきあいは水のように淡く、見え隠れするのがいい関係ですね。師も弟子ももたず、とぼとぼとひとり歩きを続けてまいりましたが、いつの間にか、似た者が自然に集まるのが面白いですね。

◆「はにかむ心をもち続けること」とは、鍵山秀三郎氏のいう「瞳が澄んでいるような生き方」ということだ。自慢話は往々にして「修羅場をくぐってきた」というような武勇伝になりやすい。どんなに凄まじい経験をしたとしても、ナイーブで傷つきやすい感性を失ってはいけない。

「無用の用」という荘子の言葉がある。一見すると意味がないように感じるものが、実は重要な役割を果たしているということ。

一見、無駄のように思える研究、バカバカしいようなアイデアが創造の命だ。この「無駄=不合理」を解さない人間はほしくない。》(井深大)

世界で最も美しいものは無駄です》(イヴ・サンローラン)

「美はムダの中にあるもの」という言葉を胸に刻みたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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