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「先出しのGIVE」とは

今日のおすすめの一冊は、けーりん氏の『戦略的いい人 残念ないい人の考え方』(すばる舎)です。その中から「人に力を貸してもらうには」という題でブログを書きました。

本書の中に『「先出しのGIVE」とは』という心に響く文章がありました。

あなたは、どんなときに人に力を貸したくなりますか? それは、今まで力を貸してくれた人が困っているときや応援者が必要なときではないでしょうか。 

人というのは「もらいすぎることができない」ので、「返報性の原理」と呼ばれる心理作用が働き、「返したくなる」と言われています。 つまり《戦略的いい人》になるには、相手がほしいものを先に差し出すこと=「先出しのGIVE」を習慣にすればいいのです。 

スーパーでの試食販売を思い浮かべてみてください。 「試食していってくださーい」 と呼びかけて先に無料で提供していると、おいしいと感じた何人かのお客さんは買ってくれますよね。もちろん買わない人もいるけど、それでいいんです。 

「返報性の原理」を信じた人だけが、人生でトクをするようになります。 相手のほしいものを先に渡す――それが《戦略的いい人》です。

難しく考えてしまう人が多くいますが、次のこともその一例。 
●人に笑顔で接してほしいなら、先に自分が笑顔で話しかける。 
●人前で話をする際、いい反応がほしいと思ったら、先に自分がいい反応をする。 
●自分が話をしたいと思ったら、先に人の話を聞く。 
●応援してもらいたいなら、先に人の応援をする。 
●紹介してほしいなら、先に紹介する。

このように、自分にはかんたんなことで、人に喜んでもらえることはたくさんあります。

相手が喜ぶことを先に出す。これを習慣にすると、必ずいいことが返ってきます。 本人からではないかもしれない、それを見ていた誰かからかもしれない。 コツは、小さなことでも習慣にしてしまうこと。 先に出したことすら忘れてしまうくらい習慣にするのです。 

私は、相手から先にもらってしまったら、「しまった!」と思うことにしています。 それくらい“先に”を意識しています。 ポイントは 

●もらう側からすれば、誰もが潜在的にほしいもの。 
●渡す側からすれば、お金も時間もかからないもの。
 

慣れてきたら「相手にとって、ほしいタイミング」で出してみましょう。 〝言葉かけ"などは減るものではないので、出し惜しみなどせず、みんなに渡しまくることです。 それがいつか、とてつもなく大きな感謝になって返ってきます。 

そして、自分のことを好きになってもらえます。 すると、人の力を借りることが圧倒的にかんたんになるのです。

◆樺沢紫苑氏は『「苦しい」が「楽しい」に変わる本 ~ 「つらい」を科学的になくす7つの方法~』(あさ出版)の中でこう語っている。

映画評論家の淀川長治さんはたくさんの人に映画のおもしろさを伝えた方です。淀川さんはよく、「私は嫌いな人に会ったことがない」とおっしゃっていました。私が大学生の頃、この言葉を初めて聞きましたが、「そんなことはないだろう。嫌いな人もいるはず」と思いました。

しかし、私も精神科医になり、人間関係についていろいろと勉強してからは、淀川さんの気持ちが少しわかるようになってきました。人を嫌いになっても何のメリットもないと気づいたのです。

淀川さんは、出会うすべての人、おつきあいしているすべての人に、自分から先に「好意」のボールを投げていました。人間は「好意」のボールを投げてくれる人には、「好意」のボールを投げ返してしまいます。

あるいは、最初は「悪意」が返ってきても、「好意」のボールを投げ続ければ、そのうち必ず「好意」のボールが返ってきます。淀川さんは、その法則を自らの体験から知っていたのでしょう。

ですからいつも笑顔で、朗(ほが)らかに人と接していらした。常に「好意」のエネルギーを周囲に発散しているから、嫌いな人に出会うことはない、というわけです。

◆返報性の原理とは、「悪態をつけば、悪態をつかれる」、「優しくすれば、優しくされる」、「大事にすれば、大事にされる」ということだ。
 
これは人間関係だけでなくすべてのことに言えること。お金を大事にすれば、お金に大事にされるし、健康を大事にすれば、健康に恵まれるということでもある。

「先出しのGIVE」という言葉を胸に刻みたい。

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