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ありがとうの奇跡

今日のおすすめの一冊は、石川洋氏の『やるなら決めよ決めたら迷うな』(勉誠出版)です。その中から「感謝を学ぶこと」という題でブログを書きました。

本書の中に「ありがとうの奇跡」という心に響く一節がありました。

一日、どれだけありがとうと言う言葉を、私たち、口に出して言っているでしょうか。 あるご婦人の話です。 そのご婦人が小学校三年ぐらいのときだったと言います。 お父さんが、事情があって自殺をなすったそうです。
お母さんが自分に、諄々(じゅんじゅん)と説いてくれた。 人の噂は七十五日と言って、噂の消えるときもある。 けれども、これから長い人生の中で、あなたが学校に入るとき、 就職するとき、結婚するときには、必ず、「あの家は、お父さんが自殺をなすったからね」 そういうことがささやかれる。
「へ、そう。あの人、なんとなしに暗いと思ったら、やっぱりお父さん、自殺したの」と言う。 そしてそのことを知らなかった人までが、そのお父さんの自殺を知ることによって、 あなたの人生を駄目にする。 それだけは避けることはできないよとおっしゃったそうです。
「どうして生きたらいいの」とお母さんに聞いたら、 「それもね、乗り越えることはできる。それは一日、十人の人に、 真心を込めてありがとうというあいさつをすること。 一日十人の方にありがとうというあいさつをしたら、 一年間3650人の人に、素晴らしい行為ができることなんだよ」 そのことをお母さんは言い残してくださったそうです。
最初は半信半疑で言っていたけど、だんだんとありがとうという言葉を使い出すと、 一人一人のありがたさが見えてくる。 そのありがたさが見えてくると、ありがとうじゃなくて「寒いですね」とか 「お元気ですか」「夕べは眠れましたか」挨拶のボキャブラリーがどんどん増えてくる。
生きることの喜び、生き生きとした感情というものが出てくる。 それが出てくると、みんなの笑顔が見えてくる。 一日十人のありがとうが、自分の世界を作ったといいました。
今は、「明るく生きてるね」「立派なお母さんの教育だったね。すごいじゃないの」 「人間だれだっていろいろなことがあるからね。それを乗り越えるあの明るさは学びたいね」と、 人さまもおっしゃってくれるそうです。
そして、ふっとこの前、人の話を聞いたら、自殺なすった父に対して、 「お父さんはよっぽどつらいことがあったんだろうね」 お父さんの死んだことまでが、別な意味で評価されてている。
過去の事実を変えることはできません。 そして同時に、そのことが生きていく上で大きな重荷となることもあります。 しかし、そんな過去までも変えることができるのが「ありがとう」という言葉。

「和顔愛語(わがんあいご)」という言葉がありますが、 笑顔をたたえた穏(おだ)やかで和(なご)やかな顔と、愛のある優しい思いやりのある言葉のことです。 

和顔愛語を身につけるには、「ありがとう」をたくさんの人にいい、人を喜ばせることです。 「ありがとう」を言えば言うほど、ありがたいことが次々見えるようになります。 ありがたいこと、感謝することに、スポットライトが当るからです。まさに、「ありがとうの奇跡」です。

「ありがとう」が習慣となれば、「愛語」も自然に身につきます。 過去までも変えることのできる素敵な言葉が「ありがとう」。 家庭でも、職場でも、コンビニでも、飲食店でも、一日十人に「ありがとう」を伝えたいものです。

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