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ギブすることを目的に

今日のおすすめの一冊は、影山知明氏の『ゆっくり、いそげ』(大和書房)です。ブログも同名の題「ゆっくり、いそげ」で書きました。

本書の中に「ギブすることを目的に」という素敵な一文があったのでシェアします。

多くのビジネスは利益や利回りを目的としている。となると当然それを最大化するために、初期投資はできるだけかけず、回収までの期間は短く、ランニングコストは抑えて…となっていくのが論理的な帰結だ。別の言い方をすれば、自分/自社の利益を手に入れようとすること、つまりテイクすることがビジネスの動機になっている構図がこの数式にも表れているといえる。
それを逆転させてみてはどうか。目的を、動機を、「ギブすること」にしてみる。かけるべき時間をちゃんとかけ、かけるべき手間ひまをちゃんとかけ、いい仕事をすること。さらにはその仕事を丁寧に受け手に届け、コール&レスポンスで時間をかけて関係を育てること。つまり「贈る」ことを仕事の目的にする。
そして分子を「結果」と捉える。自分たちが本当にいい仕事をできていれば、受け手にとっての価値を実現できていれば、それは受け手の中に「健全な負債感」を生む。そしてそれに応えよう、応えなければいけないという気持ちが、直接、間接に贈り手に利益をもたらす。売上や利益とは社会からの評価であり、誇っていいもの、誇るべきものだ。そしてその蓄積は、次なる価値創造に取り組むための手段ともなる。
そして、もしそれが十分にもたらされないことがあるとすれば、それは自分たちの仕事が十分ではないか、もしくはその価値をそれと認識してくれる受け手が十分でないかのどちらかだと考える。もちろん、と言って、時間やお金(分母)を野放図にかければいいということでもない。のんびりやればいいかというときっとそういうことでもない。実際それがいい仕事に結びつくとは、ちょっと考えにくい。一生懸命、時間をかけるのだ。一生懸命、手間ひまをかけるのだ。

これは、ブログやメルマガの発信(アウトプット)と同じことではないか、と思います。なんの見返りも求めず、ブログやメルマガを毎日発信すると、結果として、「今日の話は面白かった」「役に立った、勉強になった」と言ってくれるかもしれません。

「毎日発信すること」を目的にすると、その発信するためのネタを毎日探すようになります。「健康」で毎日発信するなら、健康に圧倒的に詳しくなりますし、「心理学」や「IT」のことを何年も発信し続ければ、いつかはその道のプロになっていきます。つまり結局は、それらの知見は人の役に立つということより、すべて自分の身につくということなのです。

現代は、SNSというメディアを個人が持つことができる時代です。発信するハードルが著しく下がってきました。「ギブすることを目的に」発信すると、なんのことはない、結局は、自分が一番得をすることになるのです。

ギブすることが、今ほど重要なときはありません。

今日のブログはこちらから☞人の心に灯をともす


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