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ホモ・サピエンスがネアンデルタール人に勝った理由

今日のおすすめの一冊は、エリック・バーカー氏の『残酷すぎる人間法則』(飛鳥新社)です。その中から『人生において本当に重要なものは「人間関係」』という題でブログを書きました。

本書の中に「ホモ・サピエンスがネアンデルタール人に勝った理由」という興味深い文章がありました。

そもそも、人類はなぜ地球上の生物種のボスになりえたのか? いちばん賢かったから? そうではない。 賢かったのはネアンデルタール人のほうだった。彼らの脳(頭蓋内容積)は、私たちより平均で15%大きい。

最近の発見によれば、ネアンデルタール人は火を使用し、音楽を奏で、文化を持ち、洞窟壁画を描いていた。なんと、初期のホモ・サピエンスは、道具の使い方など、いろいろなことを彼らから学んだようだ。

じゃあ、なぜ私たちホモ・サピエンスが勝ったのだろう? 私たちが地球の生物界の王者となったのは、最も協力的だったからだ。これが、ホモ・サピ エンスの成功物語である。

歴史家でジャーナリストのルトガー・ブレグマンは、こう述べている。「ネアンデルタール人がスーパーコンピュータだったとするならば、私たちは旧式のPCだっ た―WiFi搭載のスピードは遅かったが、接続性が高かった」 

私たちは嘘を見抜くのがとても苦手だ。ところがこの弱点こそが、 集団的な強みなのだ。私たちのデフォルトは、たがいを信頼し合うこと。力を合わせて働くことだ。 一人のネアンデルタール人が「クソくらえ、いち抜けた〜」と言ったような状況で、ホモ・ サピエンスは団結した。

最悪の状況にあっても協力し、助け合える能力が、やがて私たちの勝利、彼らの敗北をもたらしたのだ。 ネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスより脳が大きかったにもかかわらず、協働できるのは、せいぜい10~15人規模の部族に限られた。しかし私たちは、協力し合う特殊能力のおかげで、100人以上の規模まで仲間を増やすことができた。戦いの行方は想像できるだろう。

文献をよく読むと、ダーウィンもこの点に気づいている。 「最も共感力に優れるメンバーを最も多く擁する共同体は、最も繁栄し、最も多くの子孫を残 すだろう」

本書によれば、人は、人の気持ちを読む能力は低いという。見知らぬ人の場合は正答率は20%。配偶者でも35%だという。つまり、人の気持ちが読めない。

つまり、その能力のおかげで我々はネアンデルタール人に勝った。読む能力が低いというのは、一見するとマイナスのことに思える。が、だからこそ、お互いがお互いを信じることでしか、協力し合うことでしか、日常生活をおくることができない。

残念なことだが、人の気持ちが手に取るようにわかったら、あっという間に人間関係は崩壊する。

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