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年齢とは

今日のおすすめの一冊は、『コロナ後の未来』(文春新書)です。その中から「マルチステージの人生」という題で、リンダ・グラットン氏の文章を書きました。

本書の中に「年齢とは」という心に響く文章がありました。ありました。

生涯にわたって学び続けるというと、すこし気が重くなる人たちもいるかもしれません。もし、あなたがいま55歳で定年まで10年を残すだけだとしたら、いま新しいスキルを習得しようとしても、それほどの恩恵が得られないかもしれません。
ただし、そのスキルを習得すれば75歳まで働けるとしたらどうでしょうか。明らかに未来に投資する意味があります。高齢化・長寿化が進んだ現在、「年齢」という概念自体を捉え直さなければなりません。
平均寿命が長くなり、健康寿命も延びているのですから、40歳、60歳、80歳という年代の持つ意味が、以前とは大きく変わっているはずです。 単に年齢といっても、多様な側面をもつ概念なのです。
「いま何歳ですか?」と訊かれたら、子どもでも答えられますが、それはあくまでも出生してから何年たったかという「暦年齢」でしかありません。
同じ暦年齢であっても、次のような側面から見ると、人によって違いのあることがわかるでしょう。
生物学的年齢=肉体がどれくらい若いか
社会的年齢=社会でどのように扱われているか
主観的年齢=自分がどのくらい若い、または老いていると感じているか
つまり、年齢とは絶対的な基準ではなく、もっと可変性のある概念なのです。 年齢の持つ意味は時代によっても変化します。平均寿命が延びることでも、かなり変わってきます。たとえば、100年前のイギリスにおける65歳の死亡率は、現在の水準でみると78歳に相当します。当時は65歳が公的年金の受給開始年齢でしたから、 現在は78歳以上を高齢者に分類すべきなのかもしれません。

井上靖『氷壁』にこんな言葉があります。『年齢というものには元来意味はない。若い生活をしている者は若いし、老いた生活をしているものは老いている。』

自分は年老いたと思っている人は、年寄りになるし、若いと思っているものは青年となります。まさに、サミュエル・ウルマンの詩にあるように「青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心の持ち方を言う。」です。

限りない好奇心を持って、生涯学び続けることができる人でありたいと思います。

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