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鈍刀を磨く

今日のおすすめの一冊は、藤尾秀昭氏の『小さな修養論5』(致知出版社)です。その中から「おかあさん、おねがいだから…」という題でブログを書きました。

本書の中に坂村真民さんの「鈍刀を磨く」という心に響く詩がありました。

二宮尊徳にこういう言葉がある。 「おおよそ、人の勲功(くんこう)は心と体との二つの骨折りに成るものなり。その骨を折りてやまざれば必ず天助あり」…おおよそ人の勲功は 心と体と二つの骨折りでできあがるもので、骨を折ってやまない時は必ず天助がある。

そして、こう付け加えている。 「骨を折れや二三子(にさんし・そなたたち)。勉強せよ二三子」 先知先賢の一致して説くところを私たちも学びたい。

最後に、坂村真民さんの詩「鈍刀を磨く」を紹介する。

鈍刀をいくら磨いても 
無駄なことだというが
何もそんなことばに 
耳を借す必要はない
せっせと磨くのだ
刀は光らないかも知れないが
磨く本人が変わってくる
つまり刀がすまぬすまぬと言いながら
磨く本人を
光るものにしてくれるのだ
そこが甚深微妙(じんじんみみょう)の世界だ 
だからせっせと磨くのだ

情熱を持って生きることの大事さを説いて珠玉の言葉である。

鈍刀とは、たとえば「仕事」のことだ。仕事を一所懸命になって頑張っても、それが死ぬまでにモノにならないかもしれない。しかしながら、その仕事に打ち込むことにより、仕事が「申し訳ない、申し訳ない」と言いながら、仕事に打ち込む本人そのものを、光るものにしてくれる。

ひとかどの者にならなくてもいい、ただひたすら打ち込むことが大事なのだ。それが、二宮尊徳のいう「心と体の骨折り」。鈍刀を磨き続ける人でありたい。

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