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迎合のストラテジー

今日のおすすめの一冊は、富田隆氏の『「ひと言」で相手の心をつかむ ことばの心理術』(永岡書店)です。その中から「遅刻による屈辱感」という題でブログを書きました。

本書の中に「迎合のストラテジー」という興味深い文章がありました。

仕事の進め方で、同僚とちょっとした議論になってしまいました。こちらはそれほど気にしなかったのですが、その後、その同僚は根に持っている様子が見てとれます。こんなとき、関係修復に役立ついい方法があります。 

たとえば、その同僚が残業で忙しそうなら、「手伝いましょう」という言い 方で気軽に声をかけてみるとか、会議のときに同僚の意見をフォローする発言をしてみる。ちょっとした行動を共にしたり、意見に同調することによって、相手の反感を弱めることができるのです。 

「おっ、なかなかいいところがあるな。 この前はちょっと言いすぎたかな・・・」 と、同僚の反感はトーンダウンするでしょう。 相手から好意や高い評価を得るために、相手の意見や行動に自分の意見や行動を合わせる対人戦略を 「迎合のストラテジー」と言います。

これは反発のエネルギーがストレートに自分に向かわないようにその力を弱め、抑制する ためにも有効な方法です。 この「迎合のストラテジー」には、 次の4つがあります。 
①称賛ストラテジー ②同調ストラテジー ③自己高揚ストラテジー ④贈呈ストラテジー 

①の「称賛ストラテジー」というの は、その人の意見や行動をほめること。 人はほめられると、ほめてくれた人に対しては反感を抱きにくいものです。

②の「同調ストラテジー」は、相手の意見や行動に同意したり、行動を共にすること。自分に同調してくれたり、同行してくれる人に対しては、人は好感を持ちます。

③の「自己高揚ストラテジー」は、反感を持っている人に対して、自分の魅力をアピールして、「なんて素敵な人だ」と思わせる戦術。重要なプレゼンのときには身だしなみを整えたり、デートのときにおしゃれをすることは、実はこの「自己高揚ストラテジー」を実践しているのです。

④の「贈呈ストラテジー」とは、いわゆる贈り物作戦。人は、自分の好みの物をプレゼントされると弱い。嫌われているなと思う人への贈り物は、反感を好意に変えるためには効果的な方法です。

①の「称賛ストラテジー」と②の「同調ストラテジー」は言葉で表現できることですが、③の「自己高揚ストラテジー」と④の「贈呈ストラテジー」は行動で示すことですから、言葉の補強として活用してください。

◆ちょっと言い過ぎてしまった、関係を修復しなければ、と思うことは少なからずある。そんなとき有効なのが、この「迎合のストラテジー」。「迎合」というと自分の考えを曲げて、相手に気に入られようとすることだと思いがちだ。

だがしかし、対人関係においては、ときにはこの「迎合」も必要だ。何事も正義感でぶつかっていっては、満身創痍になってしまうからだ。

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