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運と惜福について

今日のおすすめの一冊は、藤尾秀昭氏の『生きる力になる言葉』(致知出版社)です。その中から「人生をいかに楽しんで生きるか」という題でブログを書きました。

本書の中に「運と惜福について」という心に響く文章がありました。

学の大家の渡部昇一先生、将棋の永世名人の米長邦雄先生、そのお二人による対談集があります。米長先生は最後に「運」について言及され、「ねたむ、そねむ、にくむ、ひがむ、うらむ。そういう気持ちを持っている人に運はついてこない。そういう人は運命の女神から見放される」と締めくくられました。
渡部昇一先生は「惜福(せきふく)」の話をされました。これは自分に舞い込んできた幸福を惜しむということ。自分に舞い込んできた幸福を使い切らないで大事に一部とっておく。そういう心がけの人に運命の女神は微笑む…ということです。まさに、その通りだと思います。
両先生の話に首肯(しゅこう)しながら、私はその時、道元の言葉を思い出していました。「古人云(いわ)く、霧の中を行けば覚えざるに衣しめる、と。よき人に近づけば覚えざるによき人になるなり」昔の人は霧の中を歩いていると知らないうちに衣が湿るといっている。
それと同じように、よき人のそばにいると、知らないうちに、自分もよき人になっている、ということです。道元のこの言葉は実は運をよくする真髄を教えているのではないかと思います。どんなに才能のある人でも悪い人の中に交わっていては運をよくすることはできません。
よき人に交わり、よき言葉、よき教えにふれていくことこそ、運をよくする根元であろうと思うのです。
安岡正篤先生の言葉があります。「人間はできるだけ早くから、良き師、良き友を持ち、良き書を読み、ひそかに自ら省み、自ら修めることである。人生は心がけと努力次第である」

「朱(しゅ)に交(まじ)われば赤くなる」という中国の古いことわざがあります。黒に近づけば黒くなり、朱に近づけば必ず赤くなる、という言葉からきています。よき友人を選べばよき人となるが、悪い仲間と一緒に遊んでいれば悪くなります。

どのような師を選び、どのような仲間と一緒にいて、どのような本を読むかで人生は決まってきます。

「霧の中を行けば覚えざるに衣しめる」

よき言葉を使い、惜福を実践し、よき師、よき友、よき本とともに、毎日を過ごしたいと思います。

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