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製造業とサービス業が融合する

今日のおすすめの一冊は、酒井光雄氏の『マーケティングの教科書』(マイナビ)です。ブログも本書と同名の「マーケティングの教科書」で書きました。

本書の中には様々なマーケティングの理論や手法が書いてありますが、「製造業とサービス業が融合する」という興味深い一節がありました。

近年は製造業とサービス業を別のものとしてとらえるのではなく、包括的にとらえる「サービス・ドミナント・ロジック」という考え方がマーケティングに活かされています。たとえばモノを最終的な提供物と位置付けず、サービスを提供する媒介・手段としてとらえます。
実際、サービス業、製造業は融合しつつあります。たとえば、自動車メーカーが自動車の販売に加えて、自社ブランドのクレジットカードや保険といったサービス業的な領域に乗り出すケースが挙げられます。一方で、革新的な商品を次々とリリースしたアップルのように、製品の企画設計やマーケティングは自社で担い、製造は外部に託す「ファブレス化」の動きも活発です。
メーカー的な位置付けでありながら製造設備を持たない戦略は、自社事業をサービスとして他企業に販売することで成り立っているのです。製造業のサービス化によって、新たな市場やビジネスモデルが創造されています。

技術の革新やデジタルの進化により、時代はますます業種や業態の垣根がなくなっています。身近な例で言えば、レストランをやっている人が、このコロナ禍ということもあり、冷凍の自社商材の食品を売り出し、製造業化しています。また、建設機械のコマツは世界で販売した機械の位置情報や稼働状況、オイル交換時期などを瞬時に把握できるといいます。それにより保守等のサービス化を進めています。

そして、トヨタは今、自動車というモノを売るのではなく、「モビリティカンパニー」というコトを売る会社になろうとしています。それを発展させ、「コネクティッド・シティ」というモノとサービスが情報でつながり、町や社会ともつながるという新たなサービス業を創造しようとしているのです。

リアル店舗は作らないと言っていたGoogleが、ApplestoreのようなGooglestoreをつくり、Amazonは「ホールフーズ」という高級スーパーを買収し、amazon goという無人店舗の展開もしています。

DXが更に進化する時代、これからは業態間、業種間の垣根を乗り越えていくことが益々必要になっていくのだと思います。固定観念を捨て頭を柔らかくすることが今一番必要ですね。

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