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企業

個人的欲望の充足vs利潤の獲得

企業とは、資源から人間の欲望を満足させる商品を作り出し、消費者(家計)に提供する存在。

この資源は、商品を作るのに必要なモノのことで、天然資源(土地、鉱石などの自然の恵み)、人的資源(労働力)のこと。

資本主義の話をずっとしているんだけど、この資源の量には限界(希少性)があって、資本主義のアキレス腱なんだと思うんだ。

資本主義は「拡大再生産」(*マルクス経済学において、剰余価値の一部、またはそのすべてを資本家の消費に支出することなく、資本に転化して蓄積することによって生産規模を拡張し、再生産を行うこと。)だから、資源の量に限界があるから、いつか資源が無くなってしまうと資本主義は止まってしまうってこと。

だから、この資源を人間の欲求に従って消費してしまうと地球、経済が止まってしまうよね。それを調整するのは企業の役割の一つなんだ。だから、企業の役割はとても大きいし、起業家の力もとても大切なんだよ。

経済学では、商品を「財・サービス」と呼ぶ。その中には、『中間財』『資本財』『最終財(消費財)』『公共財』がある。

資本財 工場、機械、生産設備など

最終財 消費者が消費する食品、衣服、日用品など

公共財 企業が作らない道路や橋など政府が税金で作ったもの

中間財 最終材にする手前(加工の前)の段階のもの

君たちが手にしている商品は基本的に『最終財』だね。ただ、最終財も君が大好きな”どうぶつビスケット”と、お米には違いがあるんだ。

どうぶつビスケットは、袋を開ければすぐに食べられるけど、お米は、精米ー炊飯をしないと食べられないよね。つまり、家庭内の無償労働を前提に作られているんだ。これは、僕も勉強するまで気づかなかったんだけど、この無償労働はしっかりと認識しておいた方がいいよ。

食事の支度、食器洗い、洗濯、掃除、子育て、介護など、家の外に出てこれらのことをしてもらうには、必ずお金が必要になるし、高価なものだと感じると思う。

昔々は、村(集落)で食事を分けたり、子育てを村単位でしていたり、高齢者にも村のみんなで助け合ったりしていたんだ。今もその伝統が残っているのが

白川郷の『結』

合掌造りの屋根のかやは積雪で滑り落ちることもあるので適宜修復を行うほか、約30年に1度は、「結」(ゆい)と呼ばれる相互扶助によって全てふき替えを行うんだ。

村単位でお互いに助け合って暮らしていっているんだ。インターネットで世界中と繋がれるようになった現在でも、本当に助け合える距離感で、本当に助け合える人がいることは、とても素敵だと思うんだ。(話が逸れたね)

家計と企業のお金は循環している

「お金は天下の回りもの」って聞いたことあるかな?君が”どうぶつビスケット”と交換したお金は、企業に渡すね。企業から企業に渡って、巡り巡って僕たちの給料になるんだ。だから、消費が落ち込むと、経済が回らなくなってみんな困るんだね。ただ、僕たち消費者のニーズは変化し続けるから企業は、消費者を満足させながら利潤の獲得(利潤の最大化)を考えないといけないんだ。君が企業を運営するなら、利潤の最大化は大切にして欲しい。利潤がなければ、新商品も作れないし、従業員も雇えない。利潤を増やすことは、悪ではないんだよ。大切なものを守り続けるには、利潤が生まれるように設計しないといけないんだ。

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