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15年で2倍を目指す資産運用

これは、FOLIO Advent Calendar 2022 の10日目の記事です。

もしも知人から「適切な資産運用って何?」と聞かれたら、どのように答えますか?

最近では資産運用の基本として長期・分散・積立の3つが大事というのはだいぶ浸透してきたと感じますが、いざ始めてみようとしたときに「具体的にどのくらいの期間や金額を目指したらいいですか?」と質問されることがあります。

これは、その人が何を目的に資産運用をするのかだったり、お金に余裕があるのか生活費を切り詰めて始めようとしているのか、またライフプランをどのように考えているのかなど、まじめに考えだすとなかなか回答するのが難しい質問です。

なので、このようなときは「まずは15年で2倍を目指す資産運用を始めてみてはいかがですか?」と提案するようにしています。
具体的な利回りとしては、複利効果の便利な計算式として知られる『72の法則』を使うと72÷15=4.8となるので、年率4.8%の運用ができれば達成できる目標です。

『72の法則』とは複利計算で2倍になる期間と利率を簡単に求められる関係式で例えば次のように計算できます。
・金利が年率3%の時に資産が2倍になる期間は? 72÷3=24 → 24年間
・10年間で資産が2倍になるときの金利は? 72÷10=7.2 → 年率7.2%

これはバランス型のポートフォリオで十分に達成可能な水準であることと、15年という結構長い運用期間をイメージしてもらうことで、運用開始直後のマーケット変動で気を揉むことが少なくなると考えているからです。

この考え方が長期の資産運用を続ける上でわかりやすいと考えたのは、私自身の原体験によるものが大きいと感じています。

それは私が小学校に入学する少し前の頃(1980年代中頃)、お正月にもらったお年玉を親に預けた時「郵便局の定額貯金に10年間預けると2倍になるよ」と言われたことでした。
当時はまだ普通預金でも金利がそれなりにあった時期なので、銀行や郵便局に預けておけば利息がもらえるということを知っていたものの、2倍になるという感覚は無かったので「へぇ~、お金って預けておくとそんなに増えるんだ」と感心したことと、「10年後ってずいぶん先だな」と感じたことを覚えています。

定額貯金の金利推移を振り返ってみると下図のようになっていて、1974年と1980年には最大で8%の金利がついており、1980年代中頃は5~6%前後の金利水準なので、10年で2倍とまでは行かないものの12~13年程度で2倍になっていたことがわかります。

出所:日本銀行(https://www.boj.or.jp/statistics/stop/post_rate/index.htm/)および日本郵政公社の資料を元に作成

そのことがあってから、小学生の私は毎年お年玉を親に渡して定額貯金に預けてもらい、年に1回通帳を見て残高を確認するようになりました。
中学・高校と年齢が上がり、自分でお金を使う機会も多くなりましたが、定額貯金については10年間は預けておくと心に誓い、手を付けることはありませんでした。

そして、1998年に大学生になったとき、貯金は約23万円に増えていました。
そのおかげで、このお金を使って当時普及し始めていたインターネットに繋ぐためのパソコンを買うことができました。
ちなみに当時購入したパソコンのスペックはCPU PentiumⅡ233MHz、メモリ32MB、HDD 4.3GB、CD-ROM 4倍速、17インチのブラウン管モニタというものでした。懐かしい!!

いま振り返ると、貯金を始めたときは具体的なお金の使い道まで考えていなかったものの、10年という期間と2倍になるという目標を意識し年に一度残高を見て確認していたことが、結果的に長期の資産形成につながったと実感しています。

ここまでの話で、本当は10年で2倍の資産運用をお勧めしたいところですが、10年で2倍になる年率7.2%の利回りというのは、うまくいったら達成可能くらいの高い水準であることや、定額貯金の金利推移を見ても7%を超えている時期はわずかであり、4~6%程度の時期が長かったことを考えると15年で2倍を目指すくらいがちょうどよさそうと考えています。

どうしても数年程度の短期間で資産を大きく増やそうとすると過度なリスクを取ってしまったり、反対に損するのが怖くて何もしないとゼロ金利の現在ではほとんど資産も増えずに時間だけが過ぎてしまいます。
千里の道も一歩から、まずは15年で2倍を目指す資産運用を始めてみてはいかがでしょうか?

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