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#全恋マガジン vol.11 豪さんに相談だ。

相談されがちな上田豪です

こんにちは。
ひろのぶと株式会社アートディレクター兼酒飲み係担当の上田豪です。

ひろのぶと株式会社からの出版第一弾となる、
稲田万里『全部を賭けない恋がはじまれば』(10月31日 発売)、
みんなもう読んだかな?

ショエーーーーッ

ここ数日、Twitterのタイムラインに流れてくるたくさんの書評、
そして #全恋 ポーズ
この本に対する期待感が大きかったことの表れなんだろうなあと思います。

ただひとつ、みなさんが忘れていることがあります。
ひろのぶと初の出版であるということを表すということです。
なので、この辺で新たなポーズを提唱したいと思います。

ひろのぶとポーズwith「全恋」。

わりと腹筋を使う姿勢だそうだ

株主ミーティングの模様をご覧いただいた方は、
このポーズの意味がおわかりですよね?

はい。お遊びはこの辺にして。

今日は、一応アートディレクターらしく
「全恋」にまつわる広告やデザインについて真面目に書いていこうと思います。

「豪さん、相談なんだけど」

10月に入った頃、社長であるひろのぶさんより、
「全恋」の雑誌広告と新聞広告を制作するように依頼があった。
媒体は取締役の加藤さんが調達してきたとのこと。さすがである。

調達された広告媒体は、
女性自身(フルカラー1p)、
そしてデイリースポーツ(フルカラー半五段)。

かたや雑誌、かたや新聞。
そして読者層も異なる二つの媒体である。
同じアプローチの広告でいいはずがない。
媒体特性に合わせた作り分けが必要なのだ。

まずは女性自身
女性読者がほとんどの雑誌媒体。
さまざまな記事が掲載される中で、
雑誌広告にはページをめくる手を止めるための強さが必要になる。

だが、しかし。
「全恋」は新人作家の本である。作家名で関心は引けない。
つまり、単なる新刊情報の告知だけでは厳しいということだ。
興味を引くためにはこの本の世界観を感じてもらうこと。共感してもらうこと。
それが重要だと考えた。

本書のストーリーを想起させるメインビジュアルとコピー、
そして佐藤亜沙美さんによる素晴らしい装幀を大きく印象的にレイアウト。
共感したくなるメッセージの入口を作ることで
コミュニケーションする方針とした。

印刷証明付き部数 323,417 部発行  光文社「女性自身」
同じ光文社の「JJ」は女性自身の頭文字なのは良い子は知ってるよな

化粧をする瞬間は女が戦闘態勢のスイッチを入れる瞬間だと
過去に誰かが言っていた。

化粧が女性にとっての武装だとしたら、
傷つくような事柄を赤裸々に書くことが
稲田万里にとっての武装なのかもしれない。
そんなことを考えながらメインビジュアルのイメージを描いた。

次に、デイリースポーツ
男性読者がほとんどの新聞媒体。
半五段フルカラーという小さなスペース。
掲載枠は書籍タイトルから考えるとギャンブル面でも面白かったと思うが、
しっくりくるのはやはりアダルト面だ。

デイリースポーツ14面には遠回しに「お色気」と書いてある

男性の欲望に応える雑然とした情報の中で、埋もれない広告にしたい。
上野クリニックに負けるわけにはいかないのだ。

ひろのぶとブルーのフレーム。新刊案内と大きく掲げること。
佐藤亜沙美さんによる素晴らしい装幀をメインビジュアルに、
なるべくすっきり見えるレイアウトにより紙面上の存在感を出すこと。
新刊情報の告知に割り切ったコミュニケーションをする方針とした。

あえての硬い広告。硬さが好まれる局面かもしれない
硬さが好まれる局面かもしれない

あわよくば、「性」と「生」のフレーズにそそられた男子読者に買ってほしい。
もちろん阪神ファンが買ってくれたっていい。
ちなみに、あわよくば、ガッツ石松的に言えばソープランドだ。

「全恋」に関わったのは広告だけではない。
初の出版を控え日々バタバタと業務を進めている
ひろのぶと株式会社の面々からは、
そのほかにもさまざまな相談が舞い込んできた。
俺がそばいる意味はそこにある。

「豪さん、相談なんですが」

10月の中頃だっただろうか、事務局長の山田さんより、
ひろのぶとのバーコードをデザインしてほしいと依頼があった。
それを「全恋」の直販用スリップに使いたいとのことだった。

広告探偵業を名乗っていた俺だ。
クライアントの依頼を受けたら
どんな小さな仕事でも確実に遂行するのがモットーだ。

手にした人はラッキーだ

バーコードを本に見立てるアイデアはすぐに浮かんだ。
出版社のバーコードとしてはこれしかないだろう。天才か。
直販でお買い上げいただいた方は、
直販限定のお遊びであるこのバーコードに気づいただろうか。

「豪さん、相談なんですけど」

10月の中頃だっただろうか、編集の廣瀬さんと総務の加納さんより、
「全恋」のグッズをデザインしてほしいと依頼があった。

なんでもラブホテルのキーを作りたいという。
若い女性が何を言っているんだ。おじさんをからかうのはやめたまえ。
楽しそうじゃないか。
Missmystopなるくだらない雑誌を5年以上作り続けている俺にとって、
こういう悪ノリは大好物だ。望むところだ。

そもそも広告探偵業を名乗っていた俺だ。
クライアントの依頼を受けたら
どんな悪ふざけでも確実に遂行するのがモットーだ。

昭和のラブホテルっぽさを感じさせるために、
まずはそれっぽいロゴを作ることにした。
昭和テイストは稲田万里も大好物なはずだ。

田中泰延はチェーンをハート型にする作業に全部を賭けていた

実際に現物が出来上がってみるとなかなかの破壊力だ。
一家に一本!贈り物にも最適!
ただし、決して書名と著者名を削らないようにしてください。
家庭不和の原因になっても当方は関知致しません。

「豪さん、相談しても…いいで…す…か」

10月の下旬、発売を間近に控えた頃だっただろうか。
連日の激務でもはやカップラーメンしか喉を通らなくなった総務の加納さんより、
「全恋」出版記念配信イベントのバナーを作成してほしいとの依頼があった。

スナックっぽいバナーにしたいという。

広告探偵業を名乗っていた俺だ。
クライアントの依頼を受けたら
時間がない仕事でも確実に遂行するのがモットーだ。

念のため、浅生鴨、阿部広太郎、二重作拓也、仁科勝介の各氏だ

やっぱりロゴを作っておいてよかった。

ラブホテルに続いてスナック。
まるで病院と葬儀屋さんを経営しているようなグループだ。
コスモ・オナングループの抜け目ない多面的展開を考えておいてよかった。

さらに本が爆発的なヒットでもしたら
コスモ・オナン コンツェルンへまっしぐらだ。
そうなったら稲田万里には、老後に雇ってもらおうと決めた。

【配信イベント概要】

ヒマナイヌスタジオ『全部を賭けない恋がはじまれば』刊行記念
【スナック コスモ・オナン ~ 全部を賭けて今夜開店!~】
11月10日(木曜日)夜8時〜夜10時 YouTube無料配信

ゲスト
浅生鴨さん
阿部広太郎さん
二重作拓也さん
仁科勝介(かつお)さん

「気軽に相談してください」

いま紹介したもの以外にも、
営業の大庫さんからのお願いで、
書店用の注文票や営業用ツールをデザインしたり、
プレスリリースのデザインをしたり…etc
毎日のようにさまざまな相談に乗っていた。

ひろのぶさんから
「豪さんに相談していいのは一日2回まで」
という社内通達が出たりもしたけれど、
ひろのぶと株式会社としての初の出版に、
稲田万里のデビュー作に関わっているという幸せの前には、
いくらでも相談してほしいという思いしかないのだ。

ひとり一個な

俺にできることはなんでもやる。
味方にしたらちょっとは頼りになるかもしれない男。

この本が、多くの読者の手に渡ることを願いつつ、
このnoteを書いている。


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