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さようなら、国立演芸場。談笑師匠、落語家人生はじまりの地で独演会を終え、次は料理人!?ちいかわ好き芸人?!|『令和版 現代落語論』 #わたラク マガジン Vol.6

みなさん、こんにちは。
ひろのぶと株式会社 編集の廣瀬翼です。

いま、ひろのぶと株式会社のスタッフは
一同で足しげく落語に通っています。

立川談笑師匠の月例独演会。
談笑師匠の一番弟子・立川吉笑さんの
真打トライアル。
8月には、談笑師匠と立川志らく師匠の
二人会にもうかがいました。

今日は、少しだけ本から離れて
先日うかがった月例独演会の様子をお伝えします。


ラストの国立演芸場。家元・立川談志師匠に弟子入りしたのも、この地だった

9月13日(水)夜に国立演芸場で開かれた
其の248回 月例独演会。

9月末での閉館・取り壊し・建て替えが
決まっている国立演芸場。
ここに談笑師匠が立つのは、この日がラストでした。

まずは、廣瀬の冗長な感想にお付き合いください。

お忙しい方、興味のない方は遠慮なく次の見出し(田中泰延による感想)まで読み飛ばしてください!

 この日は前半で新作と古典を一席ずつ。後半は「慶安太平記」の第六話「品川沖の大砲/牧野兵庫守」。

 新作の「プリントがない」は、聞きながら自身の小学生時代を思い出すようでした(よく、ランドセルの底から大切なお便りが出てきたもので……)。

 古典(改作)は「天災」。短気ですぐに手が出る「八っつあん」に、心学の先生が教えを説くお噺です。
 しかしこの先生のたとえ話がなんとも……聞いているこちらがイライラしてくると言いますか……。忍耐の表面張力がいっぱいいっぱいになって「うっせーわ!! 知らんがな!!」と思ったところで、なんと八っつあん(CV:談笑師匠)が先生をタコ殴りに!! いやぁ〜スカッとした! 笑った笑った!
 ところがここからの展開が、またすごい。「うっせーとか思って、殴られたの見てスカッとしたりして、ごめんなさい!」と反省してしまったほど。いや、スカッとしちゃったからこそ、その後の教えがズシンと響いたのかもしれません。
 ああ、これが、師匠の改作の力なのだと感じました。私は初めて聴く演目だったので、どこが従来版と異なるのかはわからなかったのですが、でもきっと談笑師匠は改作されているのだと思う。

 そして、第一話から続けて聴いている「慶安太平記」。大砲を撃つシーンが、鮮やかだった。音がして、海が目の前に広がって、見物人に自分も混じって水飛沫を浴びているような気分になりました。

 しかしこの日一番印象的だったのは、この後。
 「慶安太平記」第六話が終わり、いつも通り深々とお辞儀をする師匠。合わせてお囃子が鳴り、赤富士の緞帳が下がってきた……と思ったら、急に師匠が頭を上げて、舞台袖にちょこっと合図を送ったのです。
 止まるお囃子、再び上がる緞帳。
 そうして談笑師匠はゆっくりと、けれど明るい口調で語り始めました。

「まだまだ、使えそうですよねー?!」
「(笑)」

 2023年で芸歴30周年を迎える談笑師匠。そのスタートは、この国立演芸場だといいます。まさに国立演芸場の楽屋で、家元・立川談志師匠に弟子入りしたのだそう。
 師が立ち続け、ご自身も毎月上がった高座。舞台袖のほうを見て演芸場を支えるスタッフの方々へ、そして国立演芸場そのものへ、「ありがとうございました」。そして、師匠の呼びかけで来場者もみんなで盛大な拍手を会場全体に送りました。それは、どこか寂しい・虚しいと感じていたはずの心が、ふんわりと包まれてあたたかくなるような時間でした。

 私にとっては、昨年12月に初めて一人で談笑師匠の独演会へ伺い、それから毎月のように通い続けた会場。『令和版 現代落語論 〜私を落語に連れてって〜』の制作は、ここで開かれる師匠の独演会と共に歩んできた気持ちがあります。
 だからこれで終わりなのは、伴走者が最後のスタジアム一周が見えてきたところで外れてしまうような、悲しいとも寂しいとも悔しいともちょっと違う……あぁ「コトバミマン」だ。
 だけど、師匠の声かけのおかげあって、やわらかな気持ちで「いい本にしますよ。ありがとう」と言えそうです。

続いて、「〇〇評」の名手・田中泰延の感想をどうぞ。


立川談笑師匠の独演会に伺いました。

前半は新作落語に続いて古典をもう一席。
談笑版『天災』は、心学の先生までもタコ殴り、
しかしその狼藉の果てに
「談笑哲学」としか言いようのない
真空のような深遠な「間」が訪れます。
暴力ってのは結局なんなんだ。
人間ってのは結局なんなんだ。

もちろんそこからサゲまでは
ジェットコースターに乗せられて大笑いなんですが、
噺の真ん中にフッと深い、真空がある。

新作落語もあるけど、
師匠の改変は「深作落語」だよ。

後半の慶安太平記は、いよいよ第六夜。
由井正雪といえばあの装束、ついに正雪らしくなってきた。
そして牧野兵庫が手持ちの大砲をぶっ放す最高の登場シーン、そして舟の上には…
もう映画一本観たとしか思えない。

最後に。
降りてきたどんを、しばしとどめる談笑師匠。
談志師匠に弟子入りした思い出の国立演芸場を
盛大な拍手で見送る。

ああ、さびしいなあ、
わたしもこの名建築の空気をたくさん吸ってお別れしました。
まさしくここは夢空間でした。

そんな師匠の御本『令和版 現代落語論』立川談笑

出したくて出したくて、ひろのぶと株式会社は出します。
10月31日発売です。

またいい本を出してしまう。どうしよう。


10月からの月例独演会は会場を内幸町ホールに移して。「慶安太平記」は佳境へ!

筆は廣瀬に戻りまして。

いや、まるでこれで終わりかのような
しんみり感を醸してしまいましたが、
そんなことはありません!

来月からも、立川談笑師匠の月例独演会は続きます!

次回は、10月14日(土) 19:00開演です!
会場は、内幸町ホール。 

「慶安太平記」は第七話「火焔の軍用金/鐵誠道人」。
さあ、慶安太平記、ここからがますますおもしろい!
どんどん佳境へ!!

当社はまた一同そろって伺います。
お時間合う方、ぜひ一緒に楽しんでみませんか?

▼立川談笑師匠の公演情報はこちら

独演会に通う、ひろのぶとガールズの声をシェア!

談笑師匠の高座に伺うと
いつも当社を支えてくださっている
株主や読者のみなさんにお目にかかることがあります。

そこで、8月の独演会にうかがった際、
会場でお会いした“ひろのぶとガールズ”に
ご感想をお聞きしました!

今月もやってまいりました。
師匠の細かい芸が素晴らしくて、惚れ惚れとしました。

けいさん

今月も楽しく、あっという間の時間でした。
顔が、表情がものすごく、何人いても「あっ、この人がこの人だ」ってわかるようで。本当に、それがすごいと思い、引き込まれました。
ありがとうございました。

MoriEmiさん

2回目でした。
間と、空間と、雰囲気が本当にすごかったです。
ありがとうございました。

か みさん

今月もきました。
なんともう大熱演で、ほんと表情が百変化くらいしていて。
楽しみました。
大熱演ありがとうございました。
また来ます。

曽根瑞穂さん

感想シェアくださった4名は、6月の高座で感想動画に出てくださったみなさんです。

いつもご協力いただき、ありがとうございます!

NHK「きょうの料理」に高座が出現?!

さて、国立演芸場での月例独演会を終えられた
立川談笑師匠ですが

なんと、その2日後の
9月15日(金)には
料理人に変身?!

着物の上からエプロンをかけて
NHK「きょうの料理」に登場されました!

談笑師匠が紹介するメニューは
お酒に合う料理3品。

「師匠の料理は全部はやい!!」by 田中泰延

師匠の料理の手際のいいこと、いいこと。
どんどん出来上がるメニューに
お昼ご飯前の私たちは
「おなかすく〜 すいた〜 食べたぃ〜」
とピーチクパーチク。

そして、もちろん師匠は呑みます! お昼から!

さらに、前代未聞
「きょうの料理」に高座が登場……!

ちょっぴり落語気分も味わえちゃう!

はい、「なんで情報が放送後やねーん」
というみなさん。
おっしゃる通りです。誠に申し訳ございません。

……が、安心してください。
再放送、あります!
レシピは、テキストで買えます!

チェックしてみてくださいね。
さて、私はどのメニューから作ってみようかしら。

「ちょいと呑(の)みたくなっちゃうね!」 串なし焼き鳥(ほか2品)
■ 初回放送|NHK総合 
 9月15日(金) 12:20 〜 12:45
■ 再放送|Eテレ
 9月20日(水) 21:00 ~ 21:23 
 9月25日(月) 11:30 ~ 11:53
■ NHKテキスト きょうの料理 2023年9月号
https://www.nhk-book.co.jp/detail/text-06461.html

師匠、そんなに可愛くていいんですか?! 「ちいかわ好き芸人」に登場!

さらにさらに、
「きょうの料理」放送と同じ日の夜には……

テレビ朝日
「イワクラと吉住の番組 昇格SP」に
『ちいかわ大好きおじさん💗』として
出られるそう!

落語を演じているときとは
また違う師匠の顔。
師匠は「ハチワレ」担当のようです……!

こちらの番組、TVerでも配信されますよ〜!

番組放送情報
「イワクラと吉住の番組 昇格SP」
テレビ朝日 9月15日(金)23:15 〜
▼TVer
https://tver.jp/series/sr3ehnrfd9

もちろん、本づくりも進行中! もうすぐ直販サイトの予約オープン予定

立川談笑師匠の月例独演会の様子と
メディア出演情報をお伝えした本日ですが

もちろん、本づくりも進行しています!

つい先日、
カバーの色校正が上がってきました。

今回も装幀を手掛けてくださっている上田豪さんは
その仕上がりを見て「いい感じ」と
ニコニコ・ワクワク。

編集の私・廣瀬は絶賛ゲラ確認中!
声をかけられてはバラバラとページが閉じて
「あっ! 何ページまで見たっけ?!」と
慌てる日々を走っております。

加納さんは毎日
書店営業に関する連絡や資料の作成や
千手観音顔負けのスピードと力で
発売に向けて着々と準備を進めてくださっています。

ひろのぶと株式会社の直販サイト
「Hironobu&Co. ONLINE STORE」での予約も
もうすぐオープンする予定です!

みなさま、あと少し、お楽しみに!!


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