心刷祭 みんなが印刷で繋がる祭典へ
みなさまこんにちは、ひろのぶと株式会社 営業の荻野です。
当社は4月22日に長野県松本市にある藤原印刷さまが開催された「心刷祭」に参加いたしました!
藤原印刷さんは、『全部を賭けない恋がはじまれば』と『スローシャッター』を印刷いただいた印刷会社さん。今回はそのご縁でお声がけいただきました。
当社からは代表の田中と加納、荻野。さらに著者の稲田万里先生と田所敦嗣先生にもお越しいただき、5名で伺いました。
心刷祭とは?
心刷祭とは、藤原印刷さんが普段は入ることができない印刷工場を会場として開催する作り手・読みて・刷り手(職人)が集い、印刷の楽しさを味わえるイベントです。
2023年は「来て ふれて つながる」をテーマに、体験を通して印刷の仕組みを学べるワークショップ、ブックデザイナーのトークイベント、多種多彩な24の出店によるマーケットプレイス、さらに松本のグルメなど、幅広いコンテンツが用意されていました。
「心刷祭」の“心刷”とは、藤原印刷さんが掲げられている理念です。
第一回は2019年に開催されたのですが、その後社会情勢により開催することができず、今年が待望の第二回開催です!
いざ松本へ
当日は朝早くから著者である田所さんが、なんとメンバー全員を車でピックアップくださって、東京から松本まで運転くださりました。
本来ならお迎えにあがりお送りするところ、本当にありがとうございます。
いつか自家用ジェットで送迎できるよう頑張ります。
到着は出店者一番乗り!
この日は快晴! しかし東京と比べると少し肌寒く、松本の標高を感じました。
田中は藤原印刷のみなさんに混ざりラジオ体操。
ウォーミングアップばっちりです。
設営が進むと周りのブースの多様さたるや、印刷関係だけでここまでなんでも揃うものかと驚きました。
でもよく考えると、目の前にあるもののほとんどに何かしらの印刷があるんですよね。表示物、タグ、パッケージetc…
会場には本以外の印刷物もあり、印刷に対する認識が少し変わりました。なんでもできるぞ印刷。
スタートから大盛況の心刷祭!
開場と同時に多くのお客様が入場。出店準備をしていたので外の様子は見られていなかったのですが、あの勢いだと相当な数の方が開場前から並ばれていたはず。
朝から当社のブースにもたくさんのお客様が。
『全部を賭けない恋がはじまれば』も『スローシャッター』も一目見てみなさま
「可愛い!」
「綺麗!」
「かっこいい!」
さらに手触りに驚き、ニコニコ。
楽しそうに本を眺めるお客様の姿を見て、それだけで嬉しかったです。でも、ただ笑顔で横に立っているだけではいけない!と、本の内容や装丁に凝らされた工夫についてご説明しました。中には興味を持ってくださりその場でご購入いただいた方も! ありがとうございます。
入社したばかりの私には想像もつかないほど、いろんなことを乗り越えて刊行された2冊。そして、これから出していく本。それらを喜んでくださる方に届けていくのが自分の役目なのだと実感しました。
しゃちょうは「人を呼び込む舞」と称して謎の踊りを披露。ラジオ体操はこのためだったのでしょうか。
お昼時になり人が落ち着いたと思ったのも束の間、午前中以上のお客様の数にびっくり。このイベント凄すぎる…
イベントの目玉の一つ、ワークショップへ!
午後にはワークショップにも参加しました。
私が参加したのは、最新のデジタル印刷を見学するコース。事前にデータをお渡ししていたポスターを、目の前で印刷してもらいます。
デジタル印刷は、パソコン上で色の調整ができること、版を使わないのでコストが抑えられ、納期も短くなることが特徴なのだそうです。
大量の紙の束を積み上げて印刷機にセットしていく担当者さん。
その動きはあまりにスピーディーで、参加者全員が写真を撮り損ねてしまったほど。改めて、写真撮影用にゆっくりと作業してくださいました。ありがとうございます。
この「紙積み」と呼ばれる作業。紙と紙の間に空気を入れてくっつかないようにし、印刷機へ給紙される際1枚ずつスムーズに送られるようにする作業なのです。
簡単そうに見えるのですが、別で紙積みのワークショップも開催されていて、参加された方は口を揃えて難しいとおっしゃっていました。場合によっては1日に何度も繰り返す、ハードな作業なのだそうです。確かに紙って束になるとめちゃくちゃ重たいですよね。
動きはじめる機械。段々とローラーの回転数が上がっていき、一枚ずつ乱れることなく紙が送り込まれていきます。
大きな機械が動くのはいつ見てもワクワクします。
取り出し口にポスターが!
勢いよく送り出された紙が最後はふわっと着地。それが一定のリズムで繰り返されていきます。
今回は上田豪さんに新たにデザインいただいた『全部を賭けない恋がはじまれば』と『スローシャッター』のポスターを印刷しました。
印刷もすごく綺麗でしたし、何かが形になる瞬間はいつでも感動します。
紙の種類が変わると色味が変わるということで紙違いでも印刷!
確かに全体的にポスターの雰囲気が変わります。
なかなか伝えるのが難しいのですが、2種類目は表面がざらっとしてほんの少し黄色みがかっていて、マットな質感じで柔らかい印象になりました。
印刷物の用途や狙いに対して、こういった風合いも含め紙の種類を顧客に提案することも多いそうです。
ちなみに工場内は温度も湿度も管理されていて、この日は天井のいたる所にあるスプリンクラーから霧が出ていました。気圧も高めに保たれていて、外気やホコリの侵入を防いでいるそうです。
あと見学中に気づいたのですが、インクを使っているはずなのに、機械がとても綺麗。工場内も床から天井までピカピカ。「作業中にふと後ろを見ると、別の機械の担当者が機械を磨いていた」なんてこともあるそうです。
常に綺麗にすることで、いつもと少し違う小さな汚れや傷から、不具合に気づける。そうすればメンテナンスするべき所もわかる。
「品質管理の「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・躾)が揃っている! なんていい工場だ!」と、製造技術だった前職の血が沸騰しました。
これがドブ板営業だ!
会場ではしゃちょうのドブ板営業も炸裂。
当社の刊行物の営業のみならず、藤原印刷 プリンティングディレクター 花岡さんの売り込み、そしてお隣のブース・ネコノスさんから刊行されている幡野広志さんの『ラブレター』の営業まで。
当社の営業かどうかなんて関係ありません。しゃちょうが読みたい本を売る会社なのでいいのです!
お越しいただきありがとうございました
今回の心刷祭が、私にとって初めてお客様と直接お話しする機会でした。
やっと対面でお会いできた方、出店したからお話しできた方や知ることのできた製品など様々な出会いがありました。お越しいただいたみなさま、本当にありがとうございました。
ここで個人的に購入したものを一つ。日下慶太さんの写真集『隙ある風景』です。廃ダンボールを表紙に使っているそうで、全て一点もの。使用されているダンボールの柄によって、一冊一冊印象が変わります。日常の中の一コマをとらえた写真とそのタイトルに思わず笑ってしまいます。
他にもいろんなブースで気になるものがありました。例えば「出版社さりげなく」さんのブースで見た仲西森奈さんの歌集『起こさないでください』が、背表紙のない製本で面白かったんですよね。でも、終了直前に駆け込んだら売り切れでした。
調べて買おうっと。
閉場後には藤原印刷さん主催のアフターパーティーにもご招待いただきました。出店者のみなさまと交流でき、楽しい1日になりました。
いざ帰路へ…?
さて帰りはせっかく遠出したのだからと、ある目的地へ…
富士山の5合目に寄るプランは冬季封鎖で断念。富士の冬は長い。
しかも雲が出て、ほとんど裾野しか見えませんでした。
あのハンバーグを!
本命はそう、「さわやか」! 静岡県の有名ハンバーグ店です。
私は初さわやか。県外から人が来るのも納得のおいしさでした。
しゃちょうは食べ終わった後に、目の前からさわやかのハンバーグがなくなってしまったことに意気消沈。とはいえ食べてしまったものは仕方ないので渋々帰路へつきました。
(翌日しゃちょうはさわやかな青い服を着て出社、さわやか系への路線変更を宣言されました。さわやか恐るべし)
最後東京までも田所さんの運転。二日間本当にありがとうございました。
稲田さんも二日間ありがとうございました。入社してからお会いするのは初めてだったので、ご一緒できて嬉しかったです。
藤原印刷さん、ありがとうございました
印刷工場を開放して行われた「心刷祭」。
工場の稼働を停めるというのはその日だけのことではなく、停止に伴う作業やチェック、清掃など行わなければいけないことがたくさんあるはずです。稼働させる際にも機械の立ち上げにかかる時間や動作確認など、同じくたくさんの工程が必要です。
出店ブースのために開放していた倉庫だって在庫をそれぞれ番地に戻して、出荷の準備をしなおさなければならないでしょう。
それでも開催された4年ぶりの心刷祭。参加することができたこと、とてもありがたいしとても光栄に思います。
作った人・刷った人・売る人・買う人が一堂に会するという異空間。めちゃくちゃ楽しかったです。
しゃちょうなんか
「これ、もう毎日やりましょう!」
と言うくらいでした。
いや毎日やると藤原印刷さんが印刷できないです、しゃちょう。
でもまた行われると嬉しいし、叶うことなら参加できるといいな。
最後になりましたが改めて藤原印刷さん、素晴らしい機会をありがとうございました!
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
稲田万里『全部を賭けない恋がはじまれば』
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田所敦嗣『スローシャッター』
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