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不思議な感覚 車両の中で♪

 昨日の夕方、電車に乗った。17時過ぎの車両で、人はまだまばら。

 平日で、急行でもなんでもない、準急(ほぼ各駅停車)はもともと人が少ない。とはいえ、インバウンドで賑わっていた頃は平日の昼間でも満員電車なみだったけれど。トリップアドバイザーで、京都市と検索するとトップに出てくる「伏見稲荷大社」がある路線だから。人気ランキングでも上位だったような記憶があるなあ。

 ふと気が付けば、乗っていた車両に私と、眠りこけている男性と二人きり。広い車両なのに、結構密な感覚で座っていた。どれくらい二人しかいなかったのか、スマホでメールチェックに忙しかった私は、時間感覚を無くしていたのかもしれない。

 ちらりと隣の車両を覗くと、人は少ないけれど、それなりにいた。たまたま、乗っていた場所だけ違う空気感を生み出していたようで。不思議な感覚だった。

 気持ちよさげに眠っている男性は、「静」の時間を過ごしている。きっと、終点についても眠ったままだと思う。私のほうは、勉強会に参加と頭を働かせる「動」の時間へ向かっていた。

 「静」と「動」が交差した、不思議な感覚。全く知らない他人との空間に感じた、快も不快もない、まるで切り取ったモノクロームの映像の一コマのように。ビビッと瞬間、時空を超えた。

 なんでもない、日常の一コマかもしれない。だけど、そんな日常の積み重ねが人生を運んでいるのだな。きっと。

 やがて、降車する駅につき「動」のわたしが抜け、車両の中に「静」のみ宿る。誰も乗ってこなかった、本当に静かな空間で…。



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