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営業責任者の振る舞い〜商談同席のシーン

今週、休暇をとっており長い飛行機の中で時間を持て余したのでw いつもの採用メッセージではなくて営業責任者の振る舞い方について書いてみます。
※トップの画像も初めてnoteでの画像という機能で「営業」と検索して出てきた個人的に気に入った画像を使ってみました。


すぐにメンバーの役に立ちやすい「商談同席」

営業責任者の在り方としては、 メンバーの育成を促す・数値目標を達成する支援をするというのは前提であるのですが、明日からメンバーの役に立つには商談同席時に営業責任者たるバリューを出して「この人を連れて行ってよかった」と思ってもらうことも忘れてはいけないと考えています。
商談同席時に営業責任者として活躍できていなければ(もしくはメンバーの方に同席させろって言うから同席調整しても・・・以下略)と思われてしまい、「良いこと(もっともらしいこと)言っているけど役に立たないもんな」と思われてしまい、メンバーからの信頼を獲得することができないからです。

商談(打ち合わせ)時はメンバーと責任者で役割が異なる

当たり前の話ではありますが、メンバーの方と責任者の方では商談時の役割が異なってきます。役割については攻守/Why-How/抽象-具体と様々ありますが、メンバーの方と同じ役割で動いてしまい、同席した責任者ばかりが喋ってしまうということや、同席しているのに挨拶をした以降は横で頷いているだけということが起きてしまう可能性があるので、しっかりと当日の役割を決めていくというのが最初のステップになります。
この次からは「僕が勝手に考えている」営業責任者としてこういう動きができると良いのかなということを記載していきます。

①打ち合わせの最初の空気を作る

同席の場合には初回訪問ではなく、ある程度お打ち合わせを実施した後の提案フェーズや交渉フェーズで同席するケースが多いと思います。
その時に、しっかりと「いつもの打ち合わせとは違う空気」を作り出すことを意識しましょう。
例えば提案フェーズであれば、
・会社としてしっかりとしたご提案を持ってきたので、是非内容を聞いて率直なご意見をフィードバックしてほしい
と、両者に緊張感が走ってメンバーは提案に熱がこもり、お客様は提案を集中して聞く空気を作ることができると思いますし、
交渉フェーズであれば、
・今回の提示条件が会社として精一杯調整をした結果なのでこの内容で判断してほしい
・導入後のご不安もあると思うので会社としての支援体制をお伝えしてxx様のご不安を解消したい

と、今日は「何らかの決断をしないといけない日だ」と認識してもらうための空気を作るなどができると思うので、一言目は責任者自ら話しを切り開いていくのが良いと考えています。

②顧客視点の模範を見せる

同席時に絶対やってはいけないと思っていることとして、メンバーが話を始めたのを隣でうんうん。と客観的な相槌を打っていたり、パソコンを開いてカタカタと書き物(メンバーの営業活動をメモしてフィードバックするなど)をしているというのは絶対にやめたほうが良いと考えています。
営業責任者こそが最もお客様の声を聞き、お客様に向き合わなければ、日々メンバーにお客様に寄り添った提案ができているか?などと偉そうなことを言っても「お前やろ!」と(心の中で)突っ込まれてしまうので、背中で語るというのを肝に銘じてください。
マルケト時代の営業責任者(今もEnablementでお世話になっている中村さん)は、ものすごく徹底されていて提案書レビューの際には「この言葉だけど、お客様はこういう言葉は使ってなかったから直して」といった本当にお客様に寄り添っているレビューが多く、お客様1社1社の用語集があるレベルで徹底されていて非常に勉強になりました。

③目的に立ち返るきっかけを作る

先方参加者(上席・担当者様)-自社(責任者・メンバー)で、これまでの提案内容に沿って話が展開されていくシーンがあると思います。
この時に、担当者様-メンバーのラインで話が展開されていき、細かな方向へと入っていってしまうことがあるかと思います。
細かな確認をしていくのは当然必要なのですが、(先方上席のいらっしゃる前では少し細かすぎるな・・・) (この打ち合わせの後に担当者同士で詰めた方が良いのに・・・)という時に、メンバー起点で話題を変えようとすると、担当者様-メンバーのこれまでのやり取りからは少しイレギュラーな展開になり、関係性に影響を及ぼす可能性があります。
その時に、今日の打ち合わせの目的に立ち戻る一言をベストなタイミングで差し込んでいくのは営業責任者にしかできない仕事だと思っています。
これは、いろんな営業の方と同席しましたが株式会社HQの稲垣さんが抜群に上手いなと思っていて、今でも稲垣さんならこういう言葉を差し込むなと思って真似?イメージ?して話したりしてます。

④煮え切らない点を明確にしていく

お打ち合わせ時に「これはYESなのか/NOなのか」なんともいえない回答が返ってくるシーンもあると思います。
その時に、通常よりも一歩踏み込んだヒアリングをメンバーがするよりも、営業責任者の仕事として明確に踏み込んでいく汚れ役(=聞きにくいことを聞いていく)を買って出る必要があります。
そのヒアリングの際に、お客様の顔色を見て少しコミュニケーションが強いと感じていそうであれば打ち合わせ後に「うちの上司がすみません、ちょっとグイグイいきすぎでしたよね」とフォローを入れることもできますし、聞きにくいことを聞いて関係性を崩す必要もなくなります。
メンバーの方でこういったグイグイと聞いていくコミュニケーションが得意な方であれば問題ないかもしれませんが、多くの方は「ちょっと深く聞くの怖いな」という気持ちの方が大きいと思うので、商談を進める主役はあくまでもメンバーで、メンバーがその当日の打ち合わせ以降も円滑に進められるように「少し聞きにくいこと」は率先して責任者から聞くようにしていくのが良いと思います。

⑤会社として全力を出し切っていることを伝える

これは①とも近しいのですが、提案や条件を提示する際には会社としてベストな提案を持ってきていると自信を持って伝えて、提案に勢いをつけましょう。
前提としてしっかりと提案内容を確認していて本当にこれがベストな提案だと言える状態でお打ち合わせに臨むのは必須です。
提案をする前に、この一言があるかないかで先方の期待値や聞く雰囲気がガラッと変わってきますので、訪問前に
・この提案は本当に自社が持っていけるベストな提案なのか
・この提案はお客様のことをとことん考えられている内容か
=契約がゴールではなく成功(活用して成果を出す)がゴールになっているか

をしっかりと確認して、自信を持って提案に入れる心構えをしておきましょう。

⑥導入後の成功まで見据えていることをしっかりと伝える

契約締結間際の同席の場合に、契約の合意が取れたことで一安心してしまうなんていうこともあるのではないでしょうか。
契約の合意が取れて、次のステップに進むタイミングこそ営業責任者は、その先のことを考えて導入後のサポート体制や支援内容、どのようにして他の会社様と自社で成功までの道のりを進んでいるかを伝えるべきだと考えています。
これも当然ですが、営業責任者が契約締結後のカスタマーサクセスの流れを知らないとか、他の会社様がどのように成功しているかを知らないというのは言語道断なので、契約の合意が取れただけで安心せずに「成功までを会社としてしっかりと支援できる」ことを営業責任者本人の言葉で語ってい区ことで、契約して終わりではなくて契約が関係性のスタートとなるような契約締結の仕方ができると考えています。

⭐️営業責任者は信頼されていなければ務まらない

今回のnoteでは営業責任者の仕事の中で「商談同席」に注力して書きましたが、そのほかにも営業責任者の仕事は多岐に渡りますし一概に仕事内容を定義できるものでもないと思っています。
ただ、全ての営業責任者はメンバーから信頼されていなければいけません。(毎日残業もストレスもなくメンバー全員が過ごせることは望ましいですが)時には取るべき商談を取るために徹夜で提案書を書くこともあるでしょうし、決まると思っている大型商談の契約締結が遅れて夜も眠れなく、胃がキリキリする日もあるでしょう。
たまに、ほんとにたまにですが四半期末や半期末、年度末に僕が夢に出てくると言われます。そのくらい営業責任者は知らない間にプレッシャーをかけていることを自覚すべきですし、数字に本気になってくれているメンバーを気遣うべきです。(メンバーの夢に出てこない営業責任者ってこの世にいるんですかね?w)
そういった多くの苦労・心労をかけながら営業をしているメンバーに信頼されなければ、数字へのコミットメントを求めてはいけないと思っています。
信頼は1日にしてはならずですが、営業責任者1つ1つの行動や振る舞いで信頼は蓄積されていくので、信頼される営業責任者にまずは自分がなる(=どうしたらメンバーから信頼されるのかを考え抜く)ことを通して、自社の営業チームを強くしていくことが営業責任者が絶対にやらなければいけない仕事だと考えています。

【参考】マネジメント関連で好きな言葉

最後にマネジメント観点で僕が好きな言葉を5つ記載します。

・マネジメントとは人のことである 〜P.F.ドラッカー
 マネジメントとは人に関わるものである。その機能は人が共同して成果をあげることを可能とし、強みを発揮させ弱みを無意味なものにすることである。

・結果が出ない時、どういう自分でいられるか。決して諦めない姿勢が、何かを生み出すきっかけを作る 〜イチロー

・正しい考え方を身につけさせることが指導の本質 〜野村監督

・ただのリーダーシップと真のリーダーシップの半歩の違いは、プレッシャーの中で優雅さを保てるかどうかだろう 〜ジョン・F・ケネディ

・リーダーシップの課題は、強くありながらも失礼にならないこと、親切でありながらも弱くならないこと、大胆でありながらも威張り散らさないこと、思慮深くありながらも怠けないこと、謙虚でありながらも臆病にならないこと、誇りを持ちながらも傲慢にならないこと、ユーモアを持ちながらも愚かにならないこと 〜ジム・ローン


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