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【映画レポ】 PERFECT DAYS

先日、巷でよくおすすめされている映画「PERFECTDAYS」を見てきた。 場所は、豊岡劇場。自分、ミニシアターみたいなの好きなんだよな。 空気感やラインアップもそうだし、人も少ないから、人目を気にせずにちょこまか足を動かしたりできるので落ち着く。 ◎映画の感想 "幸せとは何か””豊かな生活とは”といった、誰もが思う人間哲学を、静かに淡々と重く提示してくる。それが『PERFECT DAYS』という物語である。 個人的に、大きな事件が起きるわけでもない日常系な映画は好き

    • 人間関係って椅子取りゲームみたい。

      人間関係って椅子取りゲームみたいだなって思う。 「友達」「知り合い」「恋人」みたいな関係性の椅子があって、それぞれ椅子の数には自分が持てる上限が存在する。(だいたい友達は100、知り合いは1000、恋人は倫理的には1だけど、双方の合意と余力があれば複数の人もいるかもしれない) 椅子があるのは、自分が気にかけたり大事にできる人って限りがあるものだと思うから。 もちろん、時期によって座っている人は変わり続ける。 椅子から離れた人もまた座る可能性もある。 ただ中には人の移り

      • 【島のほけんしつ】  島の中に、本来の自分で居られる場所を。

        最初のインタビューは、「島のほけんしつ」を運営する、島根輝美さん。 両親が海士町で育ち、自身は大阪で育った一児の母。趣味はゴスペル。島で唯一のセラピストで、独特の髪型をしている彼女は「島の魔女」という愛称をつけられている。 なんでも受け止めてくれるような深い愛が滲み出ていて、てるみさんの話を聞いていると、心がふっと軽くなったり、思わず泣いてしまう人もいる。人の心を柔く解きほぐす、本当の魔女のようだ。 今回は、そんなてるみさんに「島のほけんしつ」のコンセプトを伺った。 「

        • 最後の花火@海士町

          皆さんは、「夏」と聞いてどんな曲を思い浮かべるだろうか? 僕は、フジファブリックというバンドの「若者のすべて」という曲をあげる。 曲について詳しくは語らないので、是非聴いてもらいたいが、海士町で過ごした8月24日はこの曲を体現するような1日だった。 キンニャモニャ祭り海士町の8月最終土曜日は、毎年「キンニャモニャ祭り」という島最大のお祭りが行われる。 このお祭りは、海士町の古くから伝わるキンニャモニャという民謡を、しゃもじを持って踊ってパレードをするというもの。

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        記事

          「地域に暮らす」を実践 in海士町

          「これから、どんな生活が待っているのだろう」 一ヵ月前。 仕事を終え、重いバックパックを背負う僕は、東京駅八重洲口のマックで夜行バスを待っていた。 気分は、魔女の宅急便のキキのよう。 見知らぬ土地でやっていけるかの不安と、どんな出会いが待っているかのワクワク。松任谷由実を脳内に流しながら、初日の日記を書き始めたのを覚えている。 僕が、さとのば大学を受講したのは、 「地域で暮らす」という経験をしてみたかったから。 これまで、長期の旅で家を離れることはあったけど、一つの

          「地域に暮らす」を実践 in海士町

          「さざなみのよる」を読んで

          木皿泉さんの、「さざなみのよる」を読んだ。 母が好きな作家さん。読み終わってから気づいたが、小さい頃テレビで見た「セクシーボイスアンドロボ」「野ブタ。をプロデュース」の脚本家でもあるようだ。 手にとったきっかけは、ホンカツ。 前回読んだ「死にがいを求めていきているの」を紹介した時に、真逆の世界観だよ。日常を大事にする物語だよ。と薦められた。 簡単なあらすじは、勇敢な性格である、小国ナスミの死をきっかけに、周りの様々な人たちに変化が起こる。 ナスミが放った言葉や行動がその人

          「さざなみのよる」を読んで

          詩点をもつ

          「少しずつ ふくらんでくる 思いあり 桜の季節に 選ぶ便箋」 昨日、ある人に本を紹介してもらった。 俵万智さんの「風が笑えば」という短歌集である。 短歌や、詩についてこれまでじっくり味わうことが少なかったのだが、俵万智さんのことばからは、日常の小さな喜びを感じさせてくれる。 こうやって、くくってしまうのは嫌だけど、 現代は情報というノイズが入りすぎて、疲れてしまう。 それは、SNSであったり、出会う人であったり、街角の看板だったり。 ある調査によると、現代人が一日

          詩点をもつ

          戦った者の涙。

          3月13日 妹が受けた、東京芸術大学の合格発表があった。 巷では、東大よりも入るのが難しいと言われている、美大の最高峰。 20歳の妹は、これが3回目の受験である。 二浪を経て、今年は滑り止めの学校も受け、 たとえ芸大に受からなかったとしても、大学生になることは決まっている。 つまり、今年がラストチャレンジである。 だからか、意気込みや実績もこれまでとは異なっていた。 コンクールでも、トップクラスの成績を残していたし、かける想いも、尋常じゃなかった。 妹は別の大学の受

          戦った者の涙。