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前世退行したら、江戸時代の武士だった話4(13歳編)

次に見えてきたのは、庄屋?問屋?の土間で横たわり縮こまっている姿。中年男性から殴る蹴るの暴力を受けている。

今は13歳。11歳の時にこの家に丁稚奉公に来た。

蹴っているのはこの家の主人。ハカマさんは「旦那さん」と呼んでいる。40代くらい。薄く縦縞(もしかしたら、縦の点線?)が入った白っぽい着物を着て、上に黒っぽい羽織を着ている。こざっぱりとした、いかにも「商人」という姿。ちょんまげも後頭部の髱(たぼ)あたりが少し飛び出したようにふくらんでいて、武士のちょんまげとは違う感じ。

旦那の後ろには、高床式の畳の部屋が広がっている。低くて横長の机が置いてあり、分厚い帳簿が無造作に置いてある。

ハカマさんは土間の土に転がっているので、全身の至る所が土にまみれて汚れている。黒い(藍色をさらに濃くした色)のハッピのような着物。裾は捲ってあり、そろえた膝小僧が見える。膝下から足首まで両足に白い布が巻かれている。

旦那目線だとハカマさんは向かって左に倒れてる。体育座りから横に倒れ込んだような姿。顔や頭部を守るように腕でガードしながら暴力に耐えている。擦り傷から血も出ている。

なぜ暴力を受けているのか理由を探るため、旦那の意識に入る。

セ)なぜハカマさんに暴力を振るっているのですか?

旦那)集金しないといけなかったのに、こいつは集金してこなかった。だから罰を与えている。見せしめにやっているんだ。


ハカマさんの意識に戻る。

ハカマさんの仕事をイメージする。道の両脇に平屋が立ち並んでいる。

お店の正面入り口あたりで、藁でできた米俵のようなものを3つほど荷車に積んでいる。引きながら米?を売る仕事をしている。桝で測り売るイメージ。

その日、売った先から集金しないといけないのは分かっていたし、実際相手の家にも訪問した。

集金先の家も自分の家と同じように貧しい家。掘立て小屋で、年老いて寝込んでいるおじいちゃんと小さな女の子が2人で暮らしている。両親はいない。訪ねていくと、おじいちゃんに女の子がくっついている。家や室内の様子から、お金がないと一目で分かる。


セ)なぜ集金しなかったのですか?

ハカマさん)無い袖は振れないから。

貧しいのがかわいそうに思った。無い袖は振れない。強く言えず集金できなかった。それで今こんなふうに店の旦那に激しく怒られている。集金できなかったから暴力を受けるのは仕方ない。あぁ、貧乏は本当に嫌だなぁ……

暴行されながら、いろいろ諦めている感じ。


▶︎次の話へ(女の子との密会…!?)


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