超音波検査士試験対策:臨床編(循環器領域)




◾️初めに


随分春めいて来ましたね。そろそろ受験の準備を始めている頃合いでしょうか?

まだ何から始めていいかわからない・・・という方は、学会のHPに今年度の受験要項が更新されましたので、まずはそれを一通りチェックしましょう!

さて、前回は基礎の話でしたが、今回は臨床分野になります。

受験する領域毎にそれぞれ傾向や対策が変わると思いますので、経験者の方にまずは話を聞くのが良いと思います!

僕は、去年・一昨年に循環器、その前は消化器領域を受験しましたので、この2つの領域の記事を書いていこうと思います。

今回は循環器領域についてになります。




◾️試験内容



前回の範囲別の問題数の内訳は下記の通りでした。


・弁膜症 5問
・虚血性疾患 3問
・大動脈疾患 3問
・心筋、心膜疾患 5問
・先天性心疾患 9問
・肺高圧症 2問
・心臓腫瘍 3問
・計測、基礎関連 4問
・負荷心エコー 1問  
      
計35問 *当社調べ(SNSで多くの人と協力したので信頼性高め、詳細はツイッターを参照してください)

ちなみに前々回の内訳がこちら

・弁膜症 7問
・虚血性疾患 4問
・大動脈疾患 0問(CoAの問題を入れたら1問)
・心筋、心膜疾患 2問
・先天性心疾患 10問
・肺高圧症 1問
・心臓腫瘍 4問
・計測、基礎関連 7問
・負荷心エコー 0問  
      
計35問 *当社調べ(一緒に受けた後輩と復問しただけなので信頼性低め)

前回は、そこまで偏りなく出た印象でしたが、その年によって多少なりとも偏りがあるのかもしれません。

ただ、前々回同様に先天心の問題が9~10問も出ているのが目立ちます。

先天心は施設によってはあまり見かけない上に、本によっては薄く広くで解説があまり載ってないものも多いので苦手にしてる人も多いと思いますが、しっかり対策して勉強するのが合格への一歩になるかと思います!
(もちろん他の領域も満遍なくやるのが一番です!!)




◾️教材



循環器は1年余計にやった分色々おすすめありますが、特に必須と思うものを挙げます。(タイトルにアマゾンのリンク張ってあります)

1、超音波検査士・超音波指導検査士認定試験問題集 第5版
 
学会が出しているいわゆる過去問です。これがないとお話にならないので、まずはこれを買いましょう。消化器の時に買った第4版も使いましたが、やはり最新の問題集の方が傾向が似ていて良いと思います。演習不足を感じたり、先輩が持っていたりしたら昔のものをチェックするのはありだと思います。

2、心臓超音波テキスト 第3版
 教科書的立ち位置で、去年新しく改訂されたばっかりなので最新のガイドラインに則っているためおすすめです。昔の第2版しか持ってない方も、第2版とは別の本のように画像が多くなり内容が刷新されてますので、買い直しをおすすめします。

3、国循・天理よろづ印 心エコー読影ドリル
 いきなりやると難しく感じると思いますが(自分はそうでしたw)、演習も兼ねられるのでめちゃくちゃ勉強になります。このシリーズの心電図の方も良問揃いでおすすめです。

4、臨床検査 2022年 4月号 計測する項目と記録断面がわかる! 病態別・類似疾患別心エコー検査のルーティン
 とにかくよくまとまってて、知識の整理のために個人的に一番使い倒しました。臨床検査という雑誌の特集号ですが、部署内に置いてある施設も多いのではないかと思います。「判読力を高める!循環器超音波検査士への最短コース(通称青本)」を買うぐらいならこっちの方が良いと個人的には思います。(青本は青本で良い本ではあるのですが、まずはこの本で勉強しろと持ち上げられすぎな印象です。正直、そこまで必須の本ではないです。*あくまで、個人の感想です。)

5、典型画像を見て学ぶ 心エコー図鑑
 名前の通り、画像図鑑として活用しました。実臨床でもお世話になってます。抑えるべきポイントも載ってあって、そこもポイントとしては高いです!

6、先天性心疾患 (心エコーハンドブック)
 先天性心疾患は、試験内容で説明した通り比重が大きいため別途本を買うのがおすすめで、僕が見た中ではこれが一番よくまとまっていたので、これを主軸に勉強しました。後は、成人先天性心疾患の心エコーが院内にあったのでそれで補完しました。

他にも「病気が見える!」や「エキスパートが教える 心・血管エコー計測のノウハウ」などたくさん良い本はありますが、この辺りを押さえてあればと大体はカバーできると思います!




◾️勉強方針


自分に合った勉強をするのがもちろん一番だと思いますが、何からしてよいやら・・・という方は、まずは教材1の過去問を使っていわゆる裏解答作りから始めましょう!

そこから疾患毎に覚えるべきポイントを、他の教材を使って画像と一緒にまとめていくというやり方を自分はやっていきました。

ノートまとめ自体は、1年目は紙のノートを使ったりしましたが、2年目はipadでgoodnotesというノートアプリを使ってやりました。(goodnotesの使い方自体は調べればたくさん出てくるのでここでは省きますが、めちゃくちゃ便利で個人的には欠かせない存在になってます!)

後は、もし試験として問われるとしたらどんな問題にするかを想定して、暇さえあれば何回でもやれるようにしました。

その問題は、ツイッターのモーメントのまとめにありますので、よかったら参考にしてください!



◾️まとめ


普段は動いている心臓を、静止画だけで色々判断するというのはなかなか難しく、疾患を特定するためにはどんな所見が必要なのかをしっかり覚えるだけでなく、重症度判定などで細々した数値も覚えなくてはならないので、個人的には消化器より循環器のほうがかなり苦労しました。

まずは基準値を網羅し、重症と判断するためにどんな値や所見にならなくてはならないのかを、グラフ等でまとまってるものやアルゴリズムになってるものは特にしっかりマスターしましょう!

そのためには、上記教材以外にも「循環器超音波検査の適応と判読のガイドライン」等のガイドラインが無料で公開されていますので、試験前までには必ず一読するのをおすすめしておきます。

最後に、自分みたいに秋頃に慌ててやり始めてもう1年やるはめになるなんてことのないように、一日でも早く勉強を開始しましょうw

今回はこの辺で。

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