これまでの英語学習

今田です.
日本生まれ日本育ちの私ですが,そこそこの英語のコマンドをもって英語圏で働いています.昔から英語ができたかというとそうでもないので,今日は自分のこれまでの英語学習とか上達について書いときます.




中高~大学受験

日本生まれ日本育ちの普通の学生だったのもあり(?),中高の英語の授業の英会話の練習はほとんど真面目にやってませんでした.帰国子女の人たちがべたべたのアメリカ発音をしているのを見るとやっぱり,できないやつがそれに似せようと頑張って発音するのがダサい・恥ずかしいと思ってました.なのでスピーキング力はほぼなかったです.

ただ大学受験のために英単語を覚えたり英文法を勉強するのは結構すきで,DUOを何周かして,ロイヤル英文法を熟読してました.英語のリーディング・ライティングのベースはこの時期にできたと思われます.ただ,スピーキングは受験に関係なかったので発音記号などの勉強はしなかったです(それでもセンター試験の発音問題ぐらいは雰囲気でいけた).リスニングに関しては何かしていたわけじゃないですが,受験レベルのリスニングはできました.センター試験は筆記もリスニングも1個間違いぐらいの成績でした.

余談ですが,よく日本人は「日本人は学校で文法しか習わない(=話せない)」とよく言いますが,今思うとこれでよかったなと思っています.

ヨーロッパ系の人って英語話せる(少なくとも一般的な日本人に比べて)人多いかと思うんですが,彼らのエッセイとか読んでると相当文法ができていない人けっこういるんですよね.つまり,「話せるけど,書けない」人が多いですよ.大人になってからまた文法勉強しなおすのと,発音練習するのどっちがいいっていったら絶対後者がいいので,今思うと日本の文法特化型システムは悪くないなと思ってます.むしろ感謝してますね.ただ発音の授業とかもっとまじめにやっとけばよかったなと思います.高校では週に一回英語の発音・スピーキングの授業があったんですが,「俺は英語話さんし受験にも関係ないしどうでもいい!」とかいって毎週寝てたのを若干後悔しています(あとで自分でやる羽目になった).

学部

大学では心理学をやりたいなと思っていたので,いろいろな心理学が1か所にまとまっている上智大学に入学しました.心理学部の同級生は約70人.そのうち男は5-6名.中高まで,男女が下の名前で呼び合うのはカップルだけ,という環境で育ってきた自分にとって,いきなり60+名の女性から「ひろたか君」と呼ばれ始めたときのあの違和感(そして胸の高まり)は今でも忘れません.

上智大学ってなんか英語できそうなイメージあると思うんですが,やっぱり自分の周りにも英語ができる人たくさんいたんですよね.同級生に,"お嬢"と呼ばれていた(実際にお嬢様)変わったやつがいて,入学当初学部内で絶大なプレセンスを持っていたんですが,そいつも英語ができたんですよね.高校からEnglish Speaking Societyに入って英語ディベートをやっていたとかなんとか.何の興味もなかったんですが,お嬢にそそのかされて上智大学のparliamentary debatingのサークルを見に行きました.parliamentary debatingは,2人or3人一組でチームを組んで,govermnent側とopposition側に分かれて即席ディベートをする競技で,世界大会とかもあったりします(ここで大活躍してディベート界で有名だった人が今ハーバードで経済学者やってたりもする).銃の規制がどうとか,臓器売買がどうとかだったり,アフリカへの中国の投資の規制だったり,日本のアブないお祭りの規制,とかもやった気がします.これを英語で,準備時間15分でやります.

これがめちゃくちゃ面白かった.
このままこのサークルに入って,大学1-2年の時に国内大会にいろいろでたりしました(お嬢と一緒に大会にも出ましたw).
発音はひどいながらも,英語を使って話すということをやり始めたのがこの時期で,1週間か2週間に一回英語ディベートをする生活をしていました.

ディベートというロジック勝負の世界(アカデミアも同じ)での英語の有用性に気づきました.

ただひどい発音が直るはずはなく,いわゆる日本語英語発音で頑張ってました.

アメリカ交換留学

大学3年の8月から2学期間の交換留学にいきました.
TOEFLのスピーキング対策・留学準備として,英語ディベートはかなり役に立ちました.リスニングに関しては,Netflixでひたすらディズニー映画を英語でみてました.留学直前のTOEFLスコアは88でした.

俺は英語がそこそこ話せるし日常生活には困らないだろう,という妙な自信がありました.

ただ行ってみたらびっくり.自分の英語は現地で通用する代物じゃなかった.
アメリカについてまもなく,新入生のクリスチャンというやつと少し話すようになったんですが,かなり話が通じませんでした(他の人と話が通じたというわけではない).

今田  "Hey Christian, what's your plan for tomorrow?"

クリス  "Sorry, what?"

今田  "え,何が???"

こんな簡単な文が通じないことあります?あるんです.
planの母音をひどく間違えていたんですよね.
Planのアは æ なんですが,自分は a で発音してました.
ネイティブなんだから俺の壊れた発音ぐらいわかれよと憤った反面,自分の発音のひどさを何とかしないと交換留学生活ガチで厳しそうだなと思いました.

なので,自室でphoneticsの勉強を始めたわけです.
高校で習っていたはず(全部寝ていたので実際どんな内容だったのかはわからないですが)の英語の発音をアメリカで一人でやり直しました.最初の1学期は会話が本当にきつかったですね.1対1がギリ.グループ会話はみんなが笑うタイミングでニコニコするだけ.ヒトと話す場面がかなりストレスでしたね.毎週イタリア系移民の神父さんの部屋にいって英語が話せなくてつらいと弱音を吐いていました.神父さんありがとう.


音声学の勉強の成果は半年ぐらいででてきました.
ちゃんと発音記号・発音が分かりはじめると,リスニングが劇的に向上しました.何を言っているのかがわかりはじめる(単語レベルで).英語はスピーキングは単語がよく連結しますが,発音が分かるとその連結が聞こえます(自分の発音でも勝手に連結が起こるようになる).

スピーキングに関してはリスニングよりもかなり時間がかかりました.

1) 発音を理解する(これは数か月)
2) 正しい発音で会話することを心がける
3) 正しい文法で会話することを心がける

2-3が1年アメリカにいても足りなかったので,アメリカから帰ってきた後,Couchsurfingというアプリを使って,日本に旅行に来ている外国の学生と英語で東京観光しまくってひたすら練習しました.めちゃくちゃ話していくうちに,動詞の時制とか仮定法とか,特に何も考えなくても正しい言葉がでてくるようになります.

それと同時に,ボキャブラリーを増やすためにGRE向けの単語教材(GREのリーディングのスコアは155でした…)・1100 Words You Need to Knowをやっていました.大学院留学前のTOEFLスコアは107点.満を持しての大学院留学って感じでしたね.

修士/博士留学: 

英会話では困らないだろうという(今度は根拠のある)自信をもって,大学院留学でイギリスにきたんですが,イギリスの発音が全く分からなかった(院進学前のTOEFLスコアは107).振出しに戻った感が半端なかった.ただ発音が全く分からないわけじゃなかったので,半年もすればだいぶ慣れました.大学院時代は,日常会話・授業/ラボミーティングでの会話・友達との会話を通して英会話を磨きながら,とにかく論文・原稿を書きまくりました."原稿を書いて,英語で論文執筆ができる人にめちゃくちゃ直される"というプロセスをもう数えきれないぐらいやりました(原稿の形にしたけどボツになったものも多々ありました).英語ライティングに関しては,できるやつから吸収する,が一番というか,これ以上特に方法ないと思います.自分でやったことと言えば

なんで・どういう意図で自分の文章が変更されたのかをひたすら学んで次に生かす.
論文を読んでいるときにみつけた「知っているけど使ったことない単語・フレーズ」をリストして,次の執筆時にそのリストを開いておく.

これぐらいです.
論文執筆自体は好きなので,苦しかったとかそういうことはなかったですね.英語での論文執筆が得意だとは口が裂けても言えませんが,英語校閲会社を使わないで論文出せています.

ライティングに関しては,指導教員の人ができる人であれば,どこの国にいてもできるようになると思います.(会話に関してはどれだけ会話をする機会を作れるかによる.日本でもたくさん話す機会があるなら上達できるし,なんなら人と話さなくてもある程度のとこまではできるようになる).日本で院進するときは,英語で論文が書ける人のところに行くのがいいと思います.


壊れた英語でもいい,というやつ

アカデミアのコンテクストだと,「非ネイティブが多いし,共通言語は壊れた英語だから,英会話はできなくてもオッケー」ということをよく言いますよね.国際学会に行く日本の大学院生にかける言葉としてこの上ないと思うんですが,自分は英語の発音はできるだけいいに越したことはない(若いうちから少しずつ時間の投資をする価値がある)と思っています.

・非ネイティブ同士の会話の円滑化
英語の発音をちゃんとわかっていない/発音が壊れている非ネイティブ同士が会話をすると,どんなにゆっくり話してもお互い理解ができないという悲しいことになりえます.非ネイティブ発音になれていないネイティブも同様です(ネイティブの子どもがこれに当てはまります.)
自分の発音のレベルが上がれば上がるほど,非ネイティブ発音を聴く力も伸びます.学会では非ネイティブの人にたくさん会うので,英会話・発音がうまくできるにこしたことはないと思います.

・学会やサマースクールでできた友達とふざける/楽しく飲む
会話がめちゃくちゃできる奴と,会話のスピード感が合わない奴,どっちと飲んで楽しいですか?前者に決まってます.友達を作るためにも,自分が学会やサマースクールを楽しむためにも,英会話・発音はできるだけうまくできた方がいいと思います.

色々なAIツールが発達して,「英語ができなくてもなんとかなる」世界ができつつありますが,(アカデミアで)国際的に人生を楽しみたいなら,英語に投資した方がいいと思っています.シニア層は英語に投資したところで恩恵を受けられる時間は限られていますが,大学院生やECRの人はまだまだ人生長いです.英語ができることによる恩恵を受ける時間・機会がだくさんあります.なので「英語なんてできなくていい」というシニアをよそ目に英語を頑張る若手を応援しています.英語はやればできる!

応援活動の一環;


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