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NFL第3週「負のスパイラル」(2021/9/27)

第3週に突入したNFLですが、今週も波瀾が多い展開となりました。

まず何と言ってもチーフスVSチャージャーズ。
これは何が悪かったのか…。

立ち上がりの勢いは明らかにチーフスが上だったし、攻守ともに展開も悪くなかったので「こりゃジャスティン・ハーバートには悪いけどチーフスの楽勝だ」と思っていました。

ところがところが、まもなく信じられないことが起こります。

チーフスの最初の攻撃シリーズ。
順調に相手陣に攻め込んでいましたが、WRマーカス・ケンプがマホームズからのパスを弾き、それを相手にキャッチされ、まさかのインターセプトでターンオーバー。

「まあ、こんなこともある。仕方ない」

そう思っていたら、その次の攻撃シリーズではマホームズからボールを受けたエースWRタイリーク・ヒルが相手にタックルされファンブル。それをリカバーされ、またしてもターンオーバー。

「立て続けに?そんなことある?」

先週のレイブンズとの試合では、チーフスは試合の最終盤にエースRBクライド・エドワーズ・ヒレアーが痛恨のファンブルを犯し、順調に逆転勝利に向かっていたチームを奈落の底に突き落としてしまいました。
あの悪夢の印象がまだ色濃く残る中でのこの展開は、かなり嫌な予感がします。

「次こそは!」

しかし先週の大失態のせいでこの試合では実況アナウンサーに「ザ・ビッグ・ファンブラー」などと可哀そうな言われ方をしていたヒレアーが、今日もやってしまいました…

チーフスはオープニング・シリーズから3回連続での被ターンオーバー。
信じられない展開です。
立ち上がりは完全にチーフスに押されていたチャージャーズですが、これで勢いを取り戻し、それから試合をリードしていきます。

とはいえチーフスも並のチームではありません。
徐々に態勢を立て直し第4クオーターにはついに試合をひっくり返しました。

でも一方のチャージャーズも相変わらずジャスティン・ハーバートが2年目とは思えない冷静な試合コントロールを見せ、すかさず同点に追いつきます。

24-24で試合時間は2分を切りました。
攻撃権を持っているのチーフス。
先週のチーフスは1点差で負けていて残り2分を戦っていましたが、今週は同点という状況。
どう考えてもチーフスが有利。
時間を潰しつつ最低限FGを決めて勝ち切る未来がありありと予想できます。
QBパトリック・マホームズ始めリーグ屈指の攻撃のタレントを多く持つ王者チーフスにしてみれば、たやすいミッションです。

ですが何ということか…

今度はここでマホームズがパスミスをしてインターセプトを食らってしまいます。
生き返ったチャージャーズはそのまま攻め込みタッチダウンを決め、簡単に試合を再逆転。

3連続ターンオーバーで始まったこの試合、最後はエースが喫したさらなるターンオーバーで地獄に落ちるという、チーフスにとっては絵に描いたような「負のスパイラル」。
レイブンズ戦以上にダメージの残る惨劇となってしまいました。

チーフスの次の相手は案外侮れないイーグルス。
チャージャーズ戦の試合後、HCアンディ・リードが救急車で運ばれたりしてましたが、王者チーフスは本当に大丈夫でしょうか?
次ぐらいで「負のスパイラル」を抜けないと、さすがに危険信号かもしれません。

またチーフスほどの衝撃ではないとはいえ、同時刻に行われていたラムズVSバッカニアーズでも、スーパーボウル・チャンピオンが敗れるという驚きの結果に!

しばらくは連勝を続けるだろうと思われたチャンピオン・チームを撃破したラムズ。
新エースQBマシュー・スタッフォードを軸に3連勝。
このまま台風の目になりそうな気配がありますね。

ところで今週はスティーラーズVSベンガルズの同地区対決にも注目しましたが、結果は若きエースQBジョー・バロウ擁するベンガルズが大ベテランQBベン・ロスリスバーガー率いるスティーラーズに快勝。

昨シーズンは記録的な連勝をしてこの地区を制したスティーラーズですが、今シーズンはライバルたちの成長も著しく、かなり苦しい戦いを強いられています。

特に長くスティーラーズのエースとして君臨してきたロスリスバーガーに明らかに衰えが見え、この試合では昨年度の全体ドラフト1位のジョー・バロウという新世代の星に屈してしまいました。
まさに世代交代を感じざるを得ない、スティーラーズ・ファンにとっては辛い展開となってしまいました。

さてその他の試合では、ブラウンズやカージナルスが好調ぶりを維持していたのが印象的でした。

あと、49ersVSパッカーズの強豪対決は、これは手に汗握るような大接戦。
第4クオーター残り45秒で試合をひっくり返した49ersを、残り37秒から再逆転したパッカーズ。
アーロン・ロジャースも完全復調って感じですし、開幕戦でセインツに大敗してファンを心配させたパッカーズでしたが、結局、定位置に戻りそうです。

それとサーズデーナイトのテキサンズVSパンサーズですが、これは正直、つまらない試合でした。
わざわざ特別にサーズデーナイトという舞台を用意するほどのカードだったのかどうか疑問です。

まだQBサム・ダーノルドが新天地で心機一転、頑張ろうとしている姿が見えるパンサーズはともかく、テキサンズはリーグでも屈指の能力を持つエースQBのデショーン・ワトソンが今シーズンはプライベートの問題もあって出場できない上に、昨年までのディフェンス・リーダーだったJ.J.ワットもカージナルスに移籍してしまい、攻守に核が無い状態。
「NFLなのに華が無い試合だなあ」と思わざるを得ませんでした。

それこそ両チームに好プレーが続出した49ersVSパッカーズがサーズデーナイトなら完璧だったのでしょうけどね。

さて最後に、NFLで最もお騒がせなチームの試合。
あれこれ波乱のドラマがあった第3週の中で、またしてもレイダースは妙なゲームをやってくれました。
相手はエースQBトゥア・タゴヴァイロアを故障で欠くマイアミ・ドルフィンズ。

私はチーフスVSチャージャーズの試合を観ながらも途中経過をチェックしてたので、レイダースが有利にゲームを進めていたのは知っていましたし「この分だとたぶん勝つだろう」と思っていました。

まさかの展開となったチーフスVSチャージャーズの試合が終わり、その衝撃の余韻が残る中、他会場の試合をチェックしてみるとレイダースVSドルフィンズの試合はまだ終わっていませんでした。

「点差は?」と思って確認してみると、何と最後の最後でドルフィンズが追い上げています。

とはいえレイダースが8点のリードを保って、残り時間も10秒あまり。
もはや「勝ちは固い」と安心していたらそこでドルフィンズがタッチダウンを決め2点差に。
何だか雲行きが怪しくなってきました。

でもまだ2点差。時間も残り2秒。
ドルフィンズ側からすると難しい2ポイント・コンバージョンしか選択の余地はないので「最後にドタバタしたけど、ここはレイダースが逃げ切るだろう」と甘く考えていたら、何とドルフィンズがそれも決めてしまい土壇場でついに同点。
試合はオーバータイムにもつれ込みます。

「こりゃマズいかも」
レイダース・ファンの私は焦ります。

ですが延長戦に入って先にFGを決めたのはレイダース。
「さあ、あとは相手の攻撃を止めるのみ!」

しかしここでもドルフィンズが怒涛の反撃を見せ、ふたたび同点…

「何だ~?」

これは熱戦なのかスラップスティック・コメディなのか。

オーバータイムも残り3秒。
ドローも見えてきた、まさにギリギリ。
今度こそとどめとなる勝ち越しのFGをレイダースが決め、ようやく試合終了!

途中までは普通の試合だったのに、終わってみれば奇妙に疲れるゲームとなりました。

しかしまあこの展開、強いチームなら第4クオーターまでであっさり勝つだろうし、弱いチームなら相手の勢いのまま逆転負けしていたろうし、全く強いのやら弱いのやら…。

ともあれ相変わらずハラハラさせてくれるレイダースでした。
お、開幕3連勝!!

今年のAFC西部地区は大本命のチーフスがもたついている間にレイダースがトップに立っているぞ。一方の王者チーフスは最下位。

まあ今だけでしょうけど、凄い展開だ!!

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