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岸田家みんなが幸せになるための選択

ちょうどヘルパーさんにお世話になれなくなってしまった中、娘の体調不良も重なり、この1週間とちょっとは1人で母と、母のこれからについて全力で向き合うことになりました。

通院、認知症検査、ケアマネさんと施設探し、施設の方との面談。そしてプラスで息子のヘルパーさんとショートステイ先探し。もちろん家事と少しだけ仕事も。そんな日々の中でも母の認知は緩やかに進み続けて・・・。

今年に入ってからは、母の認知や持病の状態がかなり悪くなってきました。特に認知の部分では、娘の私や孫のことを小さい子ごものように思っているのか、きつい口調で叱ってばかり。気になることがあれば、5分おきに部屋まで追いかけてきて言いたい放題、暴言まで。

夜は7時に消灯して寝なければ怒るし、エアコンはどんなに寒くても消さないと怒る。ガスのスイッチはお湯を使っている最中でも消されてしまうし、洗濯機は脱水や乾燥の途中でスイッチを切られてしまう。

すぐに忘れてしまうので、やってはいけないことも、してほしくないことも、一生懸命に何度も何度も伝えても無駄に終わってしまう。
してほしくないこと、されたら困ることをされてしまうの繰り返しです。

なんでダメなことをしてしまうのかを聞いても、本人はしたことすれ忘れていて、全くわかっていないので会話も成立しない。

最終的には「知らんがな」と怒ってしまう。
けど、すぐ忘れるから、またすぐに同じことを繰り返す。

母が何かゴソゴソしている音や気配を感じると、また何をされるんだろうと、神経が張りつめてしまいます。

糖尿病があるので、食事制限も気をつけてしてはいるものの、本人は食べたこともすぐ忘れるので、目を離すと置いてあるものを何食も食べてしまい、血糖値も上がる一方。でも注意すると、ものすごく怒られてしまう。

これが毎日、毎日です。

あれやこれやと、良かれと思って注意すると、母は怒ってしまい、そんな母にイライラしてしまう私。息子の良太は、理不尽なことで母に叱られてばかり。それに嫌気がさし、時々大きな声で怒り返したりするようになりました。

娘の奈美には「ママや良太がこんなにイライラしているとこなんて、これまで見たことがない」と、ずいぶん驚かせ、心配させてしましました。

認知がそうさせているんだ。母が悪いわけではない。頭ではわかっていても、実際に母の様子を見ていて、関わっていると、私のイライラは募るばかり。ストレスはマックスになってしましました。

母に優しくできない自分に落ち込むし、悲しくなるし。
まだ頑張れるはず、いや頑張らなきゃいけないという気持ちに追い込まれながらも、毎日が大変すぎて。とうとうもう無理だと、動けなくなってしましました。

とうとう限界だと心が悲鳴をあげてしまい、ケアマネさんに全てお話しすることにしました。

昨年2月、私が入院中に娘の奈美が母の介護認定の手続きからデイサービスの利用まで全て引き受けてやってくれました。その後、私が退院してからは、私とケアマネさんと一緒に母の今後のことについて考えていたのです。

やってきたことは、デイサービスの利用日を増やすこと、ショートステイ先を探して使えるようにすること。

そうやってやれるところまでやってみようと。

でも、母の認知の状態は昨年秋頃より、思ったよりも早くすすんでしましました。このままでは、私や娘、息子も病んでしまう。倒れてしまうかもしれない、そこまで感じてしまうようになっていました。

それでも母を施設にお願いすることには迷いがあります。
介護を放棄してるのではないのか。
子どもとしての責任を果たせていないのではないか。
親不孝なのではないか。

いろんな思いが押し寄せて、それが罪悪感となって苦しくなって。
気がつけば、母への感情も良くないものに変わってしまいました。

今、岸田家で幸せだと感じてる人は誰もいないのでは?

そう自分に問うてみると、私の答えは迷いなく、「誰もいない」でした。

家族は一緒にいること、それだけが幸せの形ではない。


以前、奈美がそう言っていたことを思い出しました。

間違いなく、今の岸田家は一緒にいることでみんなが苦しく、悲しくなっています。

そこで、デイサービスやショートステイの利用でその場をしのぐのではなく、母が落ち着いて楽しく暮らせる認知症対応のグループホームを探すことにしました。

空き待ちの方が多くいらっしゃって、しばらくは見つからないかもしれないと言われていたのですが、ケアマネさんのおかげで奇跡的に、家のすぐ近くで入れる施設が見つかりました。

これを逃すと次はいつ見つかるかわからないという中での決断。正直、もうちょっと悩む期間があると思っていましたが、急すぎました。1週間ほどでお返事しなくちゃいけない、どうしよう・・・。

娘にも相談しながらでしたが、ちょうど娘は体調不良。高熱で数日は相談できる状態ではありませんでした。

結果的に私1人で母と向き合って、悩んで考えて、決断しなくてはいけない状況になっていました。

罪悪感がどんどん大きくなり、とても苦しかったのですが、これから私はどうしたいのか。母との良い距離感をどうつくるのか。考えに考え抜いた結果、罪悪感は拭えないものの、私がちゃんと納得できる決断をすることができました。

母はグループホームで暮らす。

今のコロナ禍では、面会や外泊は難しいので、それもとても悩んだところではありますが、いつかコロナは収束する。そうすればいつでも行き来ができるはず。

こうして1人で決断できたことも、ここまでがんばれたのも、いつもどんな時も私の味方でいて、支えてくれる、私のどんな決断も共感してくれる娘、奈美がいてくれるおかげです。

いつも一緒にいれるわけじゃないけど、離れていてもそんなふうに思える家族がいる私は幸せです。改めて、母のおかげでそんなことも気づくことができました。

母がこれからグループホームに入るまでの準備は、元気になった娘に助けてもらいながら、母はもちろん家族みんなが幸せになるための選択をしていきたいと思います。

なんくるないさー!


って、いつも心では叫びながら。

それにしても。
親の介護は多かれ少なかれ、人生においては避けて通れないこと。

どれだけ大変なことなのか、私は実際にその立場になって初めてわかりました。親の介護をされている方、されてこられた方のことを、本当に本当に尊敬します。

そんなことをやっている人間っていう生き物はとても偉いと思う。

ん?

よく考えてみたら、親の面倒をみる生き物って人間だけでは⁉︎ないのかしら⁉︎


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