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良いOKRとは何か考えてみた

モチベーション

 転職先の課題でOKRについての本を読んだ。本を読んでOKRの威力を知ったあと、「良いOKRとは何か」という疑問が浮かんだ。良いOKRとは何かという問いに対して自分なりの答えを導いていくために記事としてアウトプットしていく。

アジェンダ

本記事は以下のアジェンダで進めていく
・OKRとは
・OKRは何が魅力的なのか
・良いOKRとは何か
・まとめ

OKRとは

 まずはOKRとは何かを明らかにする。OKRはいわゆる目標管理のためのフレームワークの一つで、1970年代にインテルが提唱した。その後、インテルで働いた人たちがシリコンバレーのスタートアップ企業にOKRを継承していき、現在、Googleやメルカリをはじめとする成長企業に採用されている。
 OKRを構成する要素はとてもシンプルで、ObjectiveとKey Resultsの2つである。Objectiveとは、目標のことであり、組織が達成したい項目である。Key Resultは主要な結果であり、これは目標を達成したかどうかを計測する指標である。プロ野球のオーナーになったと仮定してOKRを考えてみよう。この場合、目標は「チームの収益を最大化する」がObjectiveとなる。次にKey Resultsを考える。チームの収益を最大化するためには、「ファンクラブの継続率80%」「応援グッズの年間売り上げ100億円」「日本シリーズで優勝する」(知名度)が考えられる。これらが達成されたら、チームの収益が最大化されるであろうと考えられる。

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OKRは何が魅力的なのか

 個人的に感じているOKRの魅力を3つ挙げる。1つ目は、何にフォーカスするか明確になることだ。OKRを設定することで、フォーカスすべき目標が明確になり、何をすべきなのかが明確になる。フォーカスすべき目標が明確になるということは、フォーカスすべきでない目標も明確になる。OKRを設定することで、組織として今何をすべきかを明確にしてくれるため、目標に向かって全力を尽くすことができる。
 2つ目は、組織の目標と個人の目標を紐づけることができ、組織のメンバーが所属する組織に貢献している実感を湧かせることができることだ。OKRは、通常は全員に公開するものだ。多くの組織では、組織全体の目標が見えないことが多く、メンバーは「自分が今やってる仕事は組織の目標達成に貢献できているのだろうか」と疑問に思ったり、「全体の目標が分からないから真面目に目標を立てなくても良いだろう」と考えて、目標設定を形骸化させてしまうかもしれない。OKRを使うことで組織に関わる全員の目標がオープンになることで、「自分が今やっていることは組織のこの目標の達成に貢献できている」と考え、やりがいを生み出せたり、組織に貢献するためにより目標設定を精力的に取り組むメンバーが増えると考える。また、OKRをトップダウンではなくボトムアップで作成することで、メンバーはより責任感を強め、目標達成に向かって積極的に働くことができると考えられる。
 3つ目は、圧倒的な成長に向けて意欲的な目標を立てることができることだ。OKRが他の目標管理手法と異なるのは、個人の査定とOKRを切り離すことだ。OKRを作成する目的は、簡単には達成できそうにない目標を組織全員が力を合わせて達成に向けて全力で努力することにある。もし個人の査定とOKRを紐づけてしまうと、達成できなかった目標が多ければ多いほど評価が悪くなり、待遇に影響が出てしまう。こうなると、個人の目標は消極的で簡単に達成できる目標ばかりになってしまう。このような状況で組織が意欲的な目標を達成できるわけがない。OKRを採用するときは、個人の査定とOKRを切り離すことで、より達成が難しい目標にチャレンジできる。それぞれのメンバーがより意欲的な目標を立て、全力で業務に取り組むことで、組織も個人も圧倒的な成長を実現できる。

良いOKRとは何か

 OKRとは何か、何が魅力的なのかがわかったところで、良いOKRとは何かを考えていく。「OKR」や「Measure What Matters」などのOKRについてのバイブルを読んで自分なりに理解した結果、良いOKRとは以下であると考えている。
Objective
 ・組織の誰もがワクワクする
 ・フォーカスすることがたった1つである
 ・時間的制約がある
Key Results
 ・達成基準が具体的な数値で表現されている
 ・全力でやれば不可能ではない程度の難易度である
 ・達成基準を満たせばObjectiveを達成できる
それぞれ詳しく見ていく。
組織の誰もがワクワクする
 組織に属するメンバー全員がワクワクする目標が良いObjectiveの条件だと考える。OKRを導入する目的は、意欲的な目標に全員で取り組むことによる組織全体のエンパワメントを高めることだ。この目的を達成するためには、組織に属するメンバー全員がワクワクする目標を立てる必要がある。
フォーカスすることがたった1つである
 フォーカスすることが複数あると、今何をすべきかが不明瞭になってしまい、目標達成の可能性が低くなり、組織と個人の成長速度も緩やかになってしまう。Objectiveを考えるときは、組織としてフォーカスする事業または業務を1つに絞ることで、組織が1つの方向にむかって進むことができる。
時間的制約がある
 Objectiveは達成するまでの期限を作った方が良い。期限がないと人間はいつまでも後回しにしてしまうからだ。Objectiveをいつまでに達成するのかを明確にすることで、全員が全力でObjectiveの達成に向けて集中できる。
達成基準が具体的な数値で表現された命題となっている
 Key Resultsは、Objectiveが達成したかどうかを測る基準である。そのため、具体的な数値で表現されていることが最低限求められる。また、達成したかどうかは「Yes」か「No」で表現できないといけない。そのため、Key Resultsは具体的な数値で表現された命題であることが求められる。
全力でやれば不可能ではない程度の難易度である
 
簡単に達成できるのであれば、そればKey Resultsとは言えない。Objectiveが意欲的な目標であればあるほど、Key Resultsも達成難易度が上がるはずだ。Key Resultsを考えるときは「全力で取り組めば、なんとか達成できるかもしれない」くらいの難易度に設定することを意識することで良いKey Resultsができると考えている。
達成基準を満たせばObjectiveを達成できる
 Key Resultsを考える上で、これは最も重要なことであると考えている。たとえ考えたKey Resultsが具体的な数値で表現された命題であり、達成難易度をうまく設定したとしても、Objectiveの達成に貢献できないのであれば意味がない。Objectiveを達成するためにKey Resultsを考えることを忘れてはいけない。実際のKey Resultsを考えるときは、「Objectiveを達成することに貢献できるか」を慎重に確認するようにしたい。

終わりに

 この記事では、OKRとは何か、何が魅力的なのか、良いOKRとは何かをアウトプットした。次回の記事では、良いOKRを作成するための考え方を紹介したり、実際に目標を考えることで「良いOKRを作成するためにはどうしたらいいのか」を考えていく。

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