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空きスペースを活用したカフェビジネスのメリットとデメリット #3

空きスペースの特徴を生かして成功させよう!

空きスペースや、狭小スペースを利用してのカフェビジネスを始めるにあたって、当然ながらメリット、デメリットがあります。この記事では空きスースを活用したビジネスのメリット、デメリットを紹介します。

空きスペースを活用したビジネスでの「メリット」

メリット1:家賃が安くなる

なんと言っても通常のテナント契約よりも地代が安くなるのが魅力です。本来、貸すことを想定していないスペース(=お金を生見出せるスペースとは思っていない。)だからこそ、安い賃料で借りられる可能性が高いです。通常のお店のようにイートインスペースに加え調理をするための厨房スペースとなると最低でも10坪は必要でしょう。

しかし、テイクアウト形式でのドリンク販売や占いなどをする場合は1坪~2坪あれば充分です。また3坪もあれば5人~8人くらいのお客さまの席を確保した飲食も可能です。

そう考えると1坪~3坪ほどのスペースですから、賃料は必然的に下がることになります。建物オーナーからすると、階段下スペースや倉庫など今まで建物の中で眠っていたスペースがお金を生むのですから、嬉しいはず。

世に出回っていない物件だからこそ交渉は必要になりますが、貸し主にとっても借り主にとってもWinWinの関係が成り立ちます。

もう一つのメリットとして、”空きスペース”は探せば山のようにあるということです。街を見渡しても建物だらけ。一定の大きさの建物なら空きスペースは必ずあります。不動産やが扱うテナント物件には数に限りがありますが、建物の数だけ候補があるという訳です。それにはオーナーとの交渉が必要になりますが、もし交渉が成立しなくても、同じような物件は他にもあると思いますので、その1件にこだわる必要もなく、強気で交渉できるというメリットもあります。

ビルオーナーは階段下や空きスペースをそもそも貸そうという発想はありません。そのスペースから定期的に安定した収入を確保ができるのですから、オーナーにとっても良い話のはずです。お金を生まず空きスペースとして寝かしておくよりも、お金を生み出すなら貸したいと思う人は多いのではないでしょうか?そして、使わないスペースだからこそ、安く借りることができる可能性の泉なのです。


メリット2:人件費が必然的に安くなる

狭小スペースであるため、物理的にお店に入れるスタッフは1人~2人と限られます。もちろん業種やどのような販売形態を取るかにもよりますが、効率のよい導線になるよう機器の配置、家具の配置をすれば、1人でも充分回すことができます。狭いという制約を生かすことで無駄のないオペレーションを構築することができます。経営において人件費は、どの業種においてもかなり重要な要素です。狭いという利点を生かせば少人数で運営することができ、それにより利幅が増えます。


メリット3:開業費用、ランニングコストダウンが図れる

規模が小さいだけに大掛かりな改装費をかけることなく開業できます。DIYが得意な人であれば電気やガス、水道といった専門的工事は別として自分で改装することも充分可能です。なので他店とは違うオリジナリティ溢れるお店にすることも。

内装も表面積が少ないため材料代や手間も少なくて済みます。Sparkling Arashiyamaの壁紙は100円均一の壁紙シールを使用し500円で済みました。私の貼る技術が良かったので数万円の壁紙に見えます!(笑)


100円均一の壁紙を貼った様子

専有面積が少ない=最小限でコンパクトな厨房設備。

厨房機器もサイズの大きさに比例して購入価格が上がります。狭い=小さな厨房機器で済むため設備価格も下がります。狭小スペースだからといって特殊なサイズの厨房機器をオーダーする必要はありません。厨房機器メーカーには様々な大きさのものが取り揃えていますので、安価で購入することができます。場合によってはリースという方法もありますね。

面積が小さいため、電灯の数も少なくて済みます。最近はLEDが普及しているため電灯に関する電気料金は安くなっているとは言え、1〜3坪での電気使用量と20坪くらいある店とではランニングコストはかなり変わるでしょう。それが半年、1年、3年となるとかなりの差額が生まれるでしょう。

冷暖房機器も通常のテナントであれば、大型のもの入れる必要があり、50万~100万程度費用がかかります。空きスペースを活用したビジネスの場合は、最小限の冷暖房機器で済むため、ここでもコストはかなり下がります。また、電化製品は経年劣化により交換時期が必ず訪れます。その際にも大きな敷地面積ではなく、狭小スペースだからこそ、コストを最小限に抑えることができます。

このように狭小スペースを活用してのビジネスは、地代、開業コスト、ランニングコストを安くすることができるので、利益率があがり起業当初から利益を出しやすいビジネスモデルとなります。


空きスペースを活用したビジネスでの「デメリット」

デメリット1:イートインスペース確保の難しさ

1坪程度のお店になるとどうしてもイートインのスペース確保ができません。そのためテイクアウトでの販売がメインになります。テイクアウトの方が税率がを考えるとメリットでもありますが。もし3坪もあれば7〜8名のイートインスペースを確保し立派な対面での店を作ることができます。実際、店主を中心に180度囲むようなカウンターを設置して居酒屋を営んでいるお店もあります。


デメリット2:客単価が低くなりがち

1坪となるとテイクアウトという販売形態になってしまうことから客単価をどう上げるかが一つのポイントになってくると思います。これは飲食を想定してのことですが、一般的なお店では食事にともないサイドメニューを頼んだり、飲み物の追加オーダーがあるのに対して、テイクアウトでは、販売の機会が1度しかないために、その1回での客単価を上げる工夫が必要になってきます。

ですが、ドリンク+簡単なテイクアウトメニューやドリンク+グッズなど工夫をすることで、客単価を上げることはできます。また回転率をあげて売上を伸ばすことも解決策の一つですので、工夫次第でそれほどの問題ではないかも知れません。


デメリット3:在庫販売が難しい

これは物販を想定したケースになりますが、在庫を保管するスペースがないため、在庫を確保する販売形態には向きません。ただし、保管時にコンパクトに折り畳めるようなもの、アクセサリーのような小物、簡単に組み立てて販売できるようなものであったり、別の場所に在庫を保管し、必要量だけを運び入れる形を取れば問題はないかと思います。ドリンク専門のカフェであれば、この問題は考える必要はないでしょう。


面積に関係なく生じること

設備工事項目としては変わらない

メリットの所では、内装工事は壁面積が少ないため安価で済むと書きました。ですが、必要な設備である配管(水道、ガス、電気)工事の項数(項目)に関しては、変わりません。ただ、工事範囲が小さいため工事の規模は小さくて済みますので、ここでもコストダウンが期待できます。


冷蔵庫などの設備の電気代は少しやすいくらい

これもスペースが小さいことで、必然的に使用量が減るためにコストも下がる傾向にあります。ただ、少し気をつけなければならないのは電気代と水道代です。電灯やエアコン、機器の数など専有面積に比例するものに関しては、大幅なコストダウンが期待できますが、お店を営業していく上で最低限必要な機器、冷蔵庫、冷凍庫などに関しては、大幅なコスト削減にはなりません。水道代も同じく、店が小さいからといって水の使用量が減らない業種の場合はコストダウンは難しいです。


営業許可を通すための設備は変わらない

飲食店をするためには、保健所から営業許可をもらう必要があります。これに関しては、お店のスペースに関係なく、必要な設備は全て備え付け検査に合格しなければなりません。狭いスペースに基準となる機器をどう収めるか工夫とアイデアが必要になります。

Sparkling Arashiyamaの場合、階段下のスペースを活用しています。一例をあげると、冷凍冷蔵庫を階段のステップの下に収納したのですが、工事の時に少しでも天井高を稼ぎたい思いから地面のレベルを少し下げました。そのことにより階段の1ステップ分奥に収納することができ横幅で20cmほどスペースを確保することができました。その空いたスペースに製氷機を入れることができたので、かなりスッキリと各機材が収まりました。そのような数センチのせめぎ合いをしなければならないのも狭小ビジネスにおけるレイアウトの面白さです。

前述のように設備項目の数は変わりませんが、設備の縮小によるコストダウンは図れます。


まとめ

このように当然のことならがメリット、デメリットがあります。総じて標準的な敷地面積のお店よりも開業コスト、ランニングコストが安くつき、それに伴い利益率の良いビジネスモデルになります。なので、これから独立起業したい方や2つ目め3つ目の事業としてもリスクを最小限に抑えた展開しやすいビジネスモデルです。

大学を卒業してから自分で飲食店を始めたい、脱サラで新しく人生を切り開きたいといった方にとっても、とても良いモデルだと思います。

ですが、もちろん安易に始められるという意味ではなく、ちゃんとした事業計画のもと、ブランディングと戦略を立て強い意思でやりぬく気持ちが必要ですね。

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