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小説【博物少女 ヒロメリエ!】#1-02

 第1話 SCENE 1-②

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  謎の人物と黒服のイケメン達は帰路につく私の行く手をも阻んでいた。
  こんなに横に広がって、私以外の人が通りたいときはどうするのか。
  いや、もしかしたらすでに後ろから歩いてきた人たちはこの異質な
  状況を目の当たりにして咄嗟に迂回しているかもしれない。
 
  できることなら私も今すぐ踵を返して別ルートから帰宅し
  ガッチリ施錠をして警察に通報したいところだが、
  ヘビに睨まれたカエルのごとく全く体が動かなくなってしまっている。

  こちらの動揺に気がついたのか、謎の人物は話を続けた。
 「───あぁごめんなさい。説明の順序が逆だったわね」
  そう言うと、その謎の人物は両腕を勢いよく振り上げ


 「おめでとう! キミはこの春から
  晴れて博物館の館長となったのよ!!!」


  なんと突然大声を出してわけのわからないことを叫び出したのだ。
 (しかも背後のイメケン達も一斉に拍手をしだす始末)

  先程もお伝えしたがここは一般市民が暮らす住宅街だ。
  とんでもない近所迷惑であると同時に、これでは
  私も彼らの"仲間"と思われてしまう危険性が高い。
 
 「な、なんですか急に……ッ!?」
  体は動かないが、どうやら声は発することができるようだ。
  私はありったけの力を振り絞り、謎の人物に言葉をぶつけようとした。
 


 「おッ、お断りしま───」


  突然意識が遠のき、私はその場に卒倒した(らしい)。


 <SCENE2に続く>

<前回>


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