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学術論文 〜太陽系の惑星の軌道と熱力学エントロピーの関係について〜 その1

 私は、東京理科大学 理学部第二部 化学科の出身であるが、当時の物理化学Ⅱの授業で、筑波大学名誉教授の鐸木啓三先生から、このような教えを戴いた。その教えとは、

 「電子の軌道と、太陽系の惑星の軌道は非常に似ている」

 という教えだった。私はこれまで、熱力学エントロピーについて、約15年の歳月をかけて研究してきたが、その熱力学エントロピーが、この惑星の軌道にも関与している事実を突き止めるに至ったのだ。

 例えば、物質の持つ電子であるが、物質の持つ電子の軌道は、s軌道とp軌道、d軌道、f軌道というように、アルファベット一文字で表される軌道であるが、原子番号6の炭素原子は、混成軌道を形成する物質であることが、過去に発見されている事実である。

 この炭素原子の形成する、混成軌道は、sp3混成軌道と呼ばれる混成軌道を形成しているのであるが、この炭素原子の持つ混成軌道は、炭素の反応性についても、影響があることがわかっている。

 例えば、炭素を持つ物質には、鏡像異性体というものが存在するが、これは、鏡に映った右手の掌と、左手の掌が、決して同じにはならないといった関係にある異性体である。つまり、炭素原子を持つ物質においては、鏡像異性体という、鏡に映った右手の掌と同じものが、自然界には数多く存在することを示唆しているのである。

 ここで、話を、電子の軌道に戻すが、炭素原子の電子軌道は、1s軌道2s軌道2px軌道の3つの電子軌道の混成軌道であるため、sp3混成軌道と呼ばれるのであるが、このsp3混成軌道の完全型を持つ物質は、炭素原子のみである。つまり、物質の反応性というのは、この、物質の持つ電子軌道によって決定されていると考えることができる。その電子の軌道そのものが、物質の反応性にも、大きく影響すると考えられるのは、当然のことであろう。つまり、物質の反応性というのは、物質の電子軌道そのものが影響していると言えるのである。それはつまり、物質の持つ反応性というのは、物質の持つ電子とその電子軌道によって決定される性質であり、物質固有の性質についても、それぞれの物質の持つ電子とその物質固有の電子軌道の影響から、物質の性質というのは、決定されるのだといえよう。

 ここで、「電子の軌道と、太陽系の惑星の軌道は、非常に似ている」と言われていた、鐸木啓三先生の教えについて、私なりに、考察してみることにしたい。

 まず、ここで、熱力学エントロピーというのは、物質が必ず持つ、内部エネルギーのうち、熱量や仕事量として、自然界に放出されるエネルギーのことであり、この事実については、例えば、エネルギー変換の場合には、エネルギー効率が、関係してくることからも、実際に、失われるエネルギー、つまり、無駄になるエネルギーを、熱力学エントロピーと呼んでいるに過ぎない。

 例えば、物質同士の化学反応が起こる場合について、考えてみると、不可逆的な化学反応が起こる場合には、熱力学エントロピーは、増大するのであるが、その場合には、その反応物質からの、熱力学エントロピーの放出が、増大していく、つまり、物質分子が、熱力学エントロピーというエネルギーを放出して、エネルギー的に、より、不安定な分子となってゆくため、物質の反応が、より起こりやすくなるというのが、実際のところであるのだ。

 これまでは、活性化エネルギーを超えるエネルギーを反応物質に与えなければ、化学反応は起きないと、考えられてきたが、実際には、その逆で、不可逆的な化学反応が起こる場合には、熱力学エントロピーが、増大していくのであるから、物質が放出する、熱力学エントロピーという、エネルギーが、増大してゆくことで、不可逆的な化学反応が、より、起こりやすくなっていくという、事実が、きちんと、理解できることになると思う。

 また、周囲の温度を上げると、物質同士の反応が、起きやすくなるというのは、周囲の温度を上げることで、物質の分子運動がより活発になることで、物質の持つ熱力学エントロピーの放出が、より増大するために、不可逆的な、化学反応が、より起こりやすくなっていくことも、理解できると思うのである。

 つまり、不可逆的な化学反応が起こる理由は、物質そのものが、エネルギー的に不安定な状態では、いられないためであり、物質そのものが、よりエネルギー的な、安定を求めるために、化学反応を起こして、より、エネルギー的に、安定な物質になろうとする、自然界の摂理に基づくことが、きちんと、理解できるのである。

 ここで、熱力学の第二法則を取り上げてみることにしたい。

 ここで取り上げる熱力学の第二法則は、オストヴァルトの法則の表現による、熱力学の第二法則について、考察を深めることにしたい。

 オストヴァルトの法則による、熱力学第二法則の表現は、

「ただ一つの熱源から正の熱を受け取って働き続ける熱機関(第二種永久機関)は実現不可能である」という表現による、熱力学第二法則であるが、これについては、ただ一つの熱源から、正の熱をうけとって、働き続ける永久機関は実現不可能である。ということではあるが、本当にそれで正しいのか? という。疑問を保つ必要があろう。

 例えば、太陽系の恒星である、太陽は、約45億年以上もの間、炎に包まれた状態で、存在しているが、これについては、どのように捉えるべきなのであろうか?

 私自身は、この太陽の燃焼反応は、45億年以上もの間、燃え続けていることから、半永久的に、燃え続けられる、何かしらの機構、いわば、システムが、太陽には、存在するために、これだけの長期間にわたって、燃焼反応を続けて起こすことができるものと考えるのであるが、太陽の場合には、おそらく、熱力学エントロピーについて言えは、常に一定を保っているのだと考えている。

 熱力学エントロピーが、常に一定であるということは、つまり、太陽の燃焼反応について言うならば、可逆的な、燃焼反応が起こっていることを示唆するのであるが、可逆的な燃焼反応というのが、果たして、存在するのかどうかを、まずは、確かめる必要があろう。燃焼反応という反応は、酸素O2と他の原子物質が、化学反応を起こす反応のことである。

 私が考える、太陽の燃焼機構であるが、例えば、太陽が主に、炭素でできていると考えると、炭素が燃焼すると二酸化炭素ができるが、その二酸化炭素が、宇宙に大量に存在する水素を交えて、燃焼を起こすと考えると、どのような反応が起き得るのかを、化学反応式を用いて、説明したいと思っている。

 C + O2 + H2 → HCOOH (ギ酸)

 このように、炭素と酸素、水素を交えて燃焼反応が起きると、ギ酸が生成するものと、私は、考えるが、ここで、ギ酸の性質について、調べてみることにしたい。

 ギ酸は、燃焼するが、爆発はしない性質があり、ギ酸が燃焼すると炭酸が生成する。

 2 (HCOOH) + O2 → 2 H2CO3 (炭酸)

 炭酸は、二酸化炭素が水に溶けると生成するため、水を蒸発させれば、二酸化炭素に戻るはずである。

 また、二酸化炭素CO2は、ニッケル触媒を用いて、水素H2と反応させると、一酸化炭素COや、メタンCH4に、変えることができることも、現時点で、わかっているため、太陽が、このような、燃焼と、宇宙空間に大量に存在する水素との反応によって、可逆的な、燃焼システムを持っているとしても、何ら不思議なことではないはずである。

 つまり、この場合の、太陽の大まかな構成物質は、炭素と、酸素と、水と、二酸化炭素と、触媒となる金属物質であることが理解されると思う。

 つまり、このような、可逆反応的な燃焼機構システムが、太陽には存在しているために、45億年以上もの間、 燃焼を継続することができる源となっているのだと、私は、考えるのである。

 


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