不在（2019.9.14）

波は寄せては返し
うねりは高く低く
どこまでも落ちると見せかけて
ふわりと浮き上がる
苦しい思いも流れ続ける涙も
いつか終わる日が来る
簡単に忘れることはない
忘れなくてもいい
傷を刻みながら、血を流しながら
それでも笑える日はある
泣きたい気持ちで、でも泣けなくて
泣く代わりに笑うこともある
あなたが知るはずだった
この世界のあらゆるものごとを
あなたがいるはずだった
という思いを抱いたまま
わたしたちはやり過ごしていく
わたしたちが生きている間中
あなたの不在は全てについて回る
理由はわからないまま
順番もわからないまま
わたしたち生き残された者は
あなたの不在を引き受ける
寄せては返す波に
わたしの不在を委ねるまで