会いたいよ

恋をするというのは、ほんとうに人の気持ちを魅了する。

息子が保育園を卒園する。
両想いの同級生の女の子とは違う小学校に進学する。

ぼくだったら、連絡先を交換したりして
これからも繋がっていきたいと強く願うと思う。

息子たちは、だいすきだよ、わすれないよ、ばいばい、といってお互いの人生を進んでいくことにするようだ。

すごく想い合っている状態のまま、
未来の約束もなく平行線になることを考えると、自分の恋愛ではないのに、ぼくの胸が苦しくなる。
そんな愛のかたちがあるの？

手をつなぎたいとか、キスしたいとか、
抱きしめたいとか、一緒にすごしたいとか、
恋人になりたいとか、結婚したいとか、
そういうのがなくて、下心もなく、
ただ純粋にお互いが好きで、
それだけでいいなんていう恋があることに
衝撃を受けている。

生活の中に、その姿を見られる未来がないというのはほんとうに苦しいよ。

ぼくの中で受け入れられるようになるまで、
しばらくは悶々とこのことを考え続けることにする。

#創作大賞2024
#エッセイ部門