Photo by cectne9 一房の果実 樹 2022年1月30日 18:52 オレンジの匂いが辺りに漂った。裏山に実る果実は、冬籠りの野鳥の為に残しておくようにとあれ程言っていたのに…。街へと続く道は寸断され物資ももう届かない。起き上がることさえ叶わなくなった僕の命を、この世に繋ぎ止めようとする妻は、固く結ばれていた口に傷だらけの指先で一房の果実を含ませた。 ダウンロード copy #小説 #140字小説 #創作にドラマあり 【御礼】ありがとうございます♥ 記事をサポート