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キャンピングカー業界について調べてみた

キャンピングカーに乗って、北海道を旅した家族旅行。薄れゆく幼少期(多分5歳くらいだったか)の思い出の一つです。祖父母とともに、家族で旅をした貴重な旅行だったなと懐かしい気持ちになります。私の父親はアメリカに留学していた時期があり、アメリカナイズされたところがあり、広大な自然の中をキャンピングカーで旅をする、というスタイルに形式美のようなものを感じていたのではないかと今になって思います。

そんな父の影響もあって、私もどこかキャンピングカーに憧れのようなものがあり、これまで友人とともに複数回キャンピングカー旅行をしてきました。そしてたまたまなのですが、仕事で架装業界のベンチャー企業を支援させていただいたり、知り合いの方がキャンピングカー分野で起業したりと、何かとキャンピングカーとはご縁を感じるここ数年を送っています。

近年のキャンプブーム、ひろしさんに始まるソロキャンブーム、そして、『ゆるキャン』ブームの影響でキャンピングカーへの注目が高まっていると聞きます。そこで、本稿ではキャンピングカーをめぐるここ最近の動向やマーケットの状況をまとめていきたいと思います。

1.キャンピングカーってなんだ

日本で見かけるキャンピングカーは所謂、特装車・架装車と言われる種類の自動車になります。例えば、わかりやすい例だと救急車や消防車もそうですし、霊柩車やレッカー車、ミキサー車など「働くクルマ」の多くは特装車・架装車になります。簡単に言えば、装備を加えるために改造された車です。厳密にいうと、フルコン、セミフルコン、キャブコン、バンコン・・・と細かく分けることができるようなのですが、その点については、業界団体のwebページを参照いただければと思います[1]。

[1]

日本で見かけることの多いのは、トヨタのハイエースやカムロード、日産のキャラバンをベースにしたものだと思います。私が乗ったことがあるのもまさにそうでした。

2.キャンピングカー市場について

業界団体である日本RV協会のレポートによると[2]、2019年の販売総額は526億2,577万円であり、以下の表の通り年々売上総額が伸びてきています。

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また、同レポートによると保有台数も以下の表の通り、右肩上がりで増えてきており、日本においてキャンピングカーが着実に根付いてきている証といえそうです。2019年時点では119,400台が保有されているとのことです。

一般財団法人 自動車検査登録情報協会の調査によると2021年1月時点での日本における自動車保有台数は、乗用車、商用車合わせて82,494,531台ということなので、全体の0.14%をキャンピングカーが占めていることになります。千台車を見かけたら、うち一台はキャンピングカーというのは直感と近いものがあるのではないでしょうか。

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これらの数字はあくまで日本RV協会員のキャンピングカーメーカーおよび販社112社に関するデータだけを集めたものなので、非会員の存在を考慮すると、そのマーケット規模はさらに大きくなると考えられます。

[2]

以上のように、それなりの需要があるのであれば、なぜ自動車業者が自分たちでキャンピングカーを作らないのか、という疑問が自然に湧き上がってきますが、先日のダイヤモンド社の記事[3]によると「保安基準への対応などを考慮して、特装の範囲は量産事業としてはかなり限定的」とのことです。従って現時点ではOEM(自動車メーカー)にとってキャンピングカーはあくまで「アフターマーケット」の域を出ないようです。

[3]

3.キャンピングカー関連メディア・サービス

一般社団法人 日本RV協会:キャンピングカーの業界団体です。

キャンピングカースタイル:キャンピングカーの総合情報を提供しています。こちらはアイビル株式会社という企業が運営しているようです。

レンタルキャンピングカーネット:キャンピングカーのレンタルに関する情報はまとまっています。こちらもアイビル株式会社という企業が運営しているようです。

・『キャンピングカーBESTガイド2021 』:先日読んでみたのですが、これでもかというくらいキャンピングカーが掲載されています。

・『AutoCamper (オートキャンパー)』:こちらは月刊誌です。ニッチな雑誌はやっぱり需要あるし、面白いなと思いました。

4.まとめ

簡単にキャンピングカー業界についてまとめてみました。キャンピングカーに関するWebサービスや各メディアはまだまだこれからだなという感じがしました。マーケットが大きくない分、キャンピングカー特化のスタートアップが出てくることはなさそうですが、メディアの整備という点ではもしかしたらどっかの企業が一事業として本腰入れて取り組む可能性もあるかなと感じました。

例えばですが、携帯から簡単にカスタムオーダーできて、日本に散らばる架装メーカーに発注かけて、相見積もりを取れるようなプラットフォームなどは需要はありそうな気がします。オーダーメイドのスーツを携帯で購入する気軽さで、キャンピングカーを購入できる世界が来れば、もっとキャンピングカーは身近なものになるかもしれないですよね。

私の中でキャンピングカーが過去の大切な思い出の一つとなっているように、これからもキャンピングカーは多くの思い出を作り、記録にも記憶にも残るような存在であり続けていくのだと思います。ブームに乗じてキャンピングカーをより身近に感じられるようなサービスが次々と生まれていくことが楽しみです。

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