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『魔術師エベネザムと不肖の弟子』

原題A Malady of Magicks
クレイグ・ショー・ガードナー/冬川亘・訳/ハヤカワ文庫(小説)

魔術師エベネザム3部作の1作目。

 ひどい魔法アレルギーを発症してしまった魔術師エベネザム。アレルギーを治すため、若き弟子ヴァント坊と共に〈一千の禁断の悦楽の都〉ヴァシタを目指す!

 コメディー。ジャケ買い。
 無人島に1冊だけ本を持って行けるとしたら?みたいな質問の答えは「これかなあ〜?」と思っているぐらい大好きな作品(はっきりとは決められていない)。

 話しながら韻を踏むことでどんどん強くなっていく悪魔、『ドラゴン語会話集』、呪われた棍棒、呪われた廊下、野球、金の***を産み出すニワトリ、それなりの偉大さを持つ聖人、死の売人…。
 こんな言葉にグッと来たら楽しめるはず。

 各章(短い)の冒頭には魔術師エベネザムの著作からの引用が載っており、それが毎回タメになるのでひとつ引用しておこう。

すべてのデーモンがまったく同一であると考えるのは間違っている。
ある者は小柄で、またある者は大柄であり、
ある者は黄色く、またある者は青い。
ある者は陰険で、またある者は極端に陰険である。
もっとも陰険な者たちはまた、きわめて俊敏である。
そなたがもしその種のデーモンに出くわした場合、ものを考えるということ自体があやまりである。
はるかにもっと適切なのは、悲鳴をあげつつ遁走することなのであって、
さらにもっと適切なのは早急に遺言状を作成することなのである。
 ー『エベネザム心得帳』第九巻ー
魔術師エベネザムと不肖の弟子
装画は山本ルンルンさん。アニメにもなった『マシュマロ通信タイムズ』を描いた漫画家さんだとあとから気づいた。
原書の装画もすごくいい(持ってないけど)。「アメリカだなあ」って感じの「濃い」絵。
3作目
2作目がないままもう10数年以上寝かせている。
帯によると〝花もフェレットも踏み越えて〟行くらしい。

 2作目のタイトルは『魔術師エベネザムと詩を詠む悪魔』。早く探そ。

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