鳩の読書『ハピかわ自分をもっと好きになるかわいいのルール』

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一体いつからだっただろうか…ハンカチを持ち歩かなくなったのは…
子供の頃は祖母に差し出されて毎日持ち歩いていた気がする。箪笥の中にもハンカチコーナーがあって365日ハンカチには困らなかった気がする。

ハンカチ、それは必需品。卒業時にはお世話になった先生への定番の贈り物であったし、もらう機会もおくる機会もそれなりにあった。

人間手を洗う機会はトイレに行く回数と同じである。むしろそれ以上。
外出していればほぼ毎日ハンカチを使う機会があるはずである。

それなのに!それなのに!私は今!ハンカチを持ち歩いていない!
職場にはコロナ禍で常設されたペーパータオルがあるし、お店にはハンドドライヤーがある。ハンカチがなくても困らない!

むしろユーザーに合わせてサービスの方が進化している。だから私はハンカチを持ち歩いていなくても生きて行けるし、万が一ペーパータオルやハンドドライヤーがなかったとしてもパッパと水分を飛ばせばいいし、最悪服の裾で拭いてしまえばいい。

だけれども、自分の頭ではそれが間違っていることだと認識されている!
女子トイレでカバンからハンカチを出すご婦人を見ると少し心がザワっとする!

このハンカチの有無一つでなんだか人間性で負けた気がするのだ。
勿論競っているわけでもなく、私に生きていく資格がないわけでもない。
なのにこの心のザワツキはなんだ!!

ハンカチ、濡れてしまうところが嫌いだ。濡れたハンカチを鞄やポケットの中に入れて中が湿るとなんか気持ちが悪い。それに衛生的にもどうかと思う。雑菌が溜まってしまうから汚いと思う。それなのにハンカチを持っている方が清潔好きだと思われている。ハンカチは大いなる自己満足ではないのか?

このハンカチ問答は無意味そのものなのだが、最近エチケットについての本を読んで、この考え方を改めた。

それが『ハピかわ自分をもっと好きになるかわいいのルール』である

タイトルからも小学生女児向けのライトな本だろとわかるが、侮るなかれ!
この本の中には女性、そして男性が生きていくうえで身につけておきたいエチケットやマナー・処世術が描かれているのだ。

別に難しい内容は書かれていない。人間として生きていくための当たり前のことやちょっとした気づき、知っていると恥をかかない食事のルールやファッションのルールが書かれている。

だがそれらは実践しようとすると、ちょっと難しい。
「かわいいのルール」といいつつ、求められるのは自己研鑽という努力であるからだ。

私は「かわいい」を侮っていたのかもしれない。
「かわいい」は一日にしてならず。「かわいい」とは求道そのもの。
かわいくあるためには覚悟と努力と忍耐力が必要になる。

「かわいい」とは突き詰めると人を不快にしない在り方なのだ。
「かわいい」は人から愛されまた許される究極の防衛術でもある。
人間は生きていく以上人との関わりを避けられないし、人の中でしか生きられない生物であるからだ。つまりコミュ力は初期装備でありながらも最強の盾であり、これを疎かにするとモンスターからの攻撃に一撃でやられてしまう脆弱人間ができあがってしまう。

元々人間関係で悩んだ時にTwitterで紹介されていて買ってみたのだが、この本は対人関係スキルを磨くコツもきちんと描かれている。

何が一番大切か…それは「好印象」なのだ!!
もし私がトイレの洗い場で手をパッパと開閉して水を飛ばしていたとしよう。この振る舞いでイメージアップする人間はいないだろう。それどころかマイナスポイント、減点である。礼儀作法というのは他人を不快にさせないように作られている、同時に礼儀作法は相手に対する敬意を示すものである。礼儀を欠くということは仲良くする気がないのも同然であり、立ち振る舞い一つでまた仲良くしたいと思えるかどうかが変わって来る…

身だしなみに気をつかうこと(オシャレ)
マナーに気を使うこと(礼儀作法)
相手に気を使うこと(コミュ力)
これは到底一日で身につくものではない…
しかし気にし過ぎないと最悪私のようなどこに出しても恥ずかしい人間が出来あがってしまう。

悪いことは言わない、これからオフ会に行く人、就活する人、婚活する人は読んでおきなさい…一歩も家から出ないから大丈夫だと思ったアナタも買いなさい…そればかりではなく体の悩み(体臭や生理)や生活の悩み(ストレスや金銭管理)も書かれているから。

そういえば今話題の「チー牛」という言葉がある。
「チー牛」自体の由来は食べ物に失礼なのでボカシておくが、あのイラストがパッと思い浮かぶ人もいるだろう。見た目的にはよくイメージされるオタクなのだが、オタクっぽいイラストとも呼べないのはその表情の乏しさなのだ。

この「かわいいのルール」がすごいのは、まず笑顔の作り方をトップバッターで紹介するくらい笑顔を大事にしているところだろう。人と人が出会って最初に交わすのは言葉ではなく顔である。だから第一印象で好印象を持たせるために「笑顔」の作り方を教える。

今の世の中だと、いつもニコニコしているは自分がないとか媚びてるとか言われそうなものの、相手に敵意がないと示すには有効な手段である。

しかし「チー牛」は笑顔が作れない。それは表情筋が固まっているから。
だからエクササイズで表情筋を鍛える必要がある。

なんと人間生まれつきの顔は治せないが表情はいくらでも治せるのだ!
かわいいのルールではこの表情筋エクササイズ(表情)以外でも好印象を与える挨拶の仕方(声)、話し方(顔)、姿勢(背中)、仕草(体)、ヘアスタイル(髪)、コーデ(服装)まで網羅されている。メイクがないのは残念だが、流行り廃りが大きいのとメイク道具が低学年には高額なこと、学校で真似しかねないと思えば妥当である。その代わり肌の手入れの仕方はしっかり載っている。

個人的に好きなのは「やる気の出し方」も書かれていることで集中力の高め方が参考になるところだ。だいたいのことは載っている。イラストも漫画も色遣いも装幀もすべてかわいいという最強の自己啓発本(それも大人が読む金持ちになる方法だとか偉くなる方法では決してない)だ。

今の学生は学校で教えてくれないこともこうして本で情報を得られるから幸せだなぁと思う。昔は多分個々の家で親から躾けられたものだろうけど、それも時代の変遷なのかもしれない。それに躾けられても頭からすっぽり抜けている私のような人間もいる。ダメ人間になりかけた時は是非読み返して欲しい。







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