今週のEC界隈よもやま話(2020.10.17)

滞留在庫のリユースの流れ

倉庫に眠っている商品を復活させる動きが活発化している。少し前までは、あまりにも安い価格で市場に出してしまうとブランド価値が下がることを懸念して、SALE後の在庫処分はファミリーセールくらいしかなかったし、Burberryの滞留在庫の焼却処分は世界中から大バッシングを受けた。そうしてまで守るのが”ブランド”であってはならない。

極力滞留在庫をもたない生産管理をしていくのはもちろんだけど、100%は不可能だ。滞留在庫に輝きを取り戻す施策はこれからは当たり前になっていくだろう。

成功するのはECショップではなくIT企業

質問に答えていくとあなたに合う商品がわかります、という問診型のEC。サブスクでよく見かけるようになってきて、以前この記事を書いたが、サブスク以外でも見かける機会がぐっと増えた。

未来日本酒店のように、実店舗の日本酒テイスティングをデータ活用して、ECで好みの日本酒を購入することができる。実店舗で試飲(体験)→EC購入の流れは、コロナで店舗の在り方が変わった今、飲食店だけでなく全ての業種で主流になっていく。酒類、コーヒーとは非常に相性の良いモデル。

最近のECのスタートアップで大きく伸びるところは、"SHOP"ではなく"IT企業"に近い。ECは参入障壁が低い分、売り上げ効果を発揮する戦略の寿命が短い。移り変わりも激しいうえに、素人ではマスターに時間がかかる技術が必要なことも多く、時間をかけて習得した頃には当たり前の戦略になっていたり、次のトレンドが来ていることも少なくない。

ECだけではなく、参入衝撃が低いビジネスはどうしても刹那的な売り方に頼ってしまう。

そうならないためには、自店にファンをしっかり作っていくしかない。商売のトレンドを追いかけるのはほどほどにして、トレンドを超えて変わらないもの、人間の本質、心が動くポイント、その時人はどう行動するのか?を消費者視点で考えて自店に落とし込んでいくしかない。

結局、商売に魔法はないので、遠回りが一番の近道になる。

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