心に描いた情景をたどる冬の旅。軽井沢ケラ池スケートリンクにて
軽井沢の森の中にあるケラ池。
冬には凍った池の氷の上でスケートを楽しめる素敵な場所。
池のまわりにあるピッキオという半円形の建物の中にはカフェもある。
ケラ池で子供と一緒にスケートを滑るという情景を私は心に描いていた。子供たちが生まれてくる何年も前から。
そして、今、私たち家族は旅に出た。
心に描いた情景を現実にするために、感じるために。
でも、朝目覚めてみると外は吹雪で…
寒空の軽井沢についたのは、夕方だった。荷物をコテージに運び込んで、吹き抜けの窓を見上げると、雪がチラチラ降ってきたのが見えた。
子供たちは、雪を認めると嬉しくてたまらないといった表情をして、その喜びを確認しあっている。
その間に薪ストーブに火をいれて、部屋を暖める。
パチパチと音をたてて薪が燃えだした。
部屋が暖まるまで待つ。
子供たちはさっきまで大きな声を出して部屋を駆け回ったりしていたのに、しんしんと降る雪の静けさに呑み込まれたのか、落ちてくる雪や積もる様子をじっと見つめている。
雪は、みるみる積もった。
トマトソースのパスタを作って夕食にして、その後は子供たちと一緒に雪で遊んだ。
積もりたての雪を丸めて雪合戦をしようとおもったけれど、
さらさらの雪はうまくかたまらずに、砕けてしまう。
雪にもさまざまな表情があることを子供たちも感じたかな。
夜は軽い吹雪。
そして、朝になっても吹雪は続いていた。
こんな雪の日の朝に屋外の池にスケートをしに行く人などいるのかしら。
スケートリンクもあいているかもわかならいなと思ったけれど、準備をして行ってみた。
ケラ池スケートリンク。
屋外にあって天然氷の上をすべることができる。
以前は、森のスケートリンクという名前だったと思うけれど、変わったのかな。
この場所が好きで、もし子供が生まれたら一緒にここの天然氷でスケートをしたいとずっと願っていた。
そのために、秋ころには親子スケート教室にも行って、子供たちに氷の上をすべる感覚を覚えてもらったりしてきた。
今日がそのお楽しみの日なのに….
吹雪だとは….
車を降りると子供たちは、スケートリンクに向かって雪の中を走っていく。
スケートリンクに着くと、オープンの準備をしているスタッフの方がいて、
どうぞ!!!と入れてくださった。
よかった。やっていた!
スケートリンクには、まだ誰もいない。
こんな吹雪の朝にスケートをしに来る人はいなくて、私たち家族だけだった。
そして、空を見るとおひさまも出てきて氷の上をきらきらと照らし始めた。
静かなケラ池のスケートリンクに子供たちは吸い込まれて散っていく。
森があって、木があって、池がある。
鳥が鳴いている。
氷の中には、葉っぱがまじっている。
私は幸せだなあと思う。
子供たちは、各々に氷の上を滑ったり、わざと転んでみたり。
寒く冷たい氷の世界から何かを感じとっているように見える。
ピッキオの中でココアを飲みながら、ここに子供たちを連れて来られてよかったな。と胸の中で繰り返す。
心に描いた情景を求めて貪欲に行動をすることは、たくさんの怖さも伴っていて、毎回どきどきする。
だって、あの美しい場所に場所に子供たちがいる風景を目に焼きつけたい(良ければ写真にしたい。そして、この体験から成長もしてほしい。)と思っても、子供たちはいつも気まぐれで気分やだから、目的を達成できる保証はない。
けれど、やっぱりやめられない。
情景を追い求めて生きるのが私の性分なのでしょうね。
気持ちも力も必要とする子供たちを連れた長い長い旅は、
これからも続きます。
次は、どんな情景を探しにいこうかな。
おわり。
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