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オランダの小学校一年目を終えて、驚いたこと

夏ですね🌞
オランダも、先週(7月15日)から、学校は6週間の夏休みに入りました。
娘は小学校1年生(Group1)を終えて、夏休み後は2年生(Group2)に進級します。学校行事や習慣など、親にとっても全て初めてのことで手探りと発見の一年(+数ヶ月)でした。そんなワタワタしていた一学年を終えて、「オランダの学校って!」と発見したことを振り返りとして、書いておこうと思います。



1. 入学式はなく、4歳になると1人ずつ入学

これは既に知っていたことなので、驚きという訳ではありませんでしたが、私たちの娘は学校に慣れるまでに予想以上に時間がかかりました。途中1週間位の春休みが入ったり、春には遠足や他にもイベントがあったり、イレギュラーの日も多かったので、なんだかんだ2、3ヶ月かかった記憶が…。

オランダの小学校はGroep1から8まであり、ほとんどの子供は4歳の誕生日を迎えた後ぐらいに、バラバラにGroep1へ入学していきます。法律で決まっている義務教育は5歳からなので、4歳では少し学校に行く日数を減らしたり、オランダ語が母語でない子供は語学を強化したり、フレキシブルな対応も可能です。学期始まりは夏休み後(9月)なので、Groep2以降の進級の足並みは揃えます。

茶色は娘が毎年一学年進級した場合の年齢

娘は2月生まれなので、3月ぐらいに入学し1年生(Group1)を少し長くやっていることになりますね(紫の部分)。逆に入学のタイミングや先生の見解によって、Groep1が短めでGroep2に上がる子もいたりします。学習進度によって、飛び級やもう一度同じ学年をやり直すことが、そこまで特別ではないオランダでは、何歳だから何年生で、という縛りは日本ほど強くないようです。娘の行っている学校はGroep1と2が一緒のクラスになっているので、4歳から6歳の子が一緒に学んだり遊んだりしています。

さて、入学シーンに立ち返ってみて、4歳になったばかりの子どもが、自分より大きい子ばかりの新しいクラスに1人で入って行く様を想像してみてください。なかなかの荒行です!慣らし保育みたいなのも、オランダでは3日(短!)とかだったので、そういう国のようです。まぁ、最初は泣くけど、慣れるから大丈夫!みたいな。

娘は生後10ヶ月でオランダに来て保育園にも通っていたこともあり、オランダ語は問題ありませんでしたが、最初の頃はお弁当を食べずに帰ってきたり、泣いてばかりだったり、こちらも色々気を揉みました。よく頑張ったと思います。ありがたいことに、今では毎日元気に楽しく通えています。娘の入学後、新しい生徒が入って行く様子を見ていても、彼女ほどのドラマを繰り広げていた子はいない気がしますが…笑

2. 放課後、お友達と遊ぶときは、親は来ない

学校は毎日2時15分に終わり(学校により時間は異なります)、親が必ず迎えに行かなければいけません。子どもが1人で帰るというのはNGです。
子どもたちが門から出てきて親が迎えると、そこで、子どもたち同士の「今日この後遊べる?」相談が始まります。子供同士、遊ぼうとなり、親からもOKが出ると、子どもが遊びたい方の家を決めてそちらに行くのですが、その時、お邪魔する方の子どもの親は来ません。家までの距離などによりますが、校門でもう1人の親に子供を預けて、何時に迎えにくるかを決め、親は帰ります。

娘も学校に慣れ、放課後他の子と遊ぶようになった頃、初めて遊ぶ子の親が「じゃ、後でね〜」みたいな感じで、娘を連れて行ってくれたので、「え、家まで送り届けなくていいの?!」と、最初は結構びっくりしました。
反対に、預かる場合は、オランダ語でこちらも子どもと会話をしないといけないので、それはそれで大変。向こうの親がいたら言ってくれそうな「その塀は登っちゃダメ、危ないよ」とか、「ダメだってば、降りてきなさーい!」みたいなことを私が言わないといけない。5歳になった今は、娘の語彙力も上がって自分で色々解決できたり、精神的にも成長したりして、私が介在せずとも仲良く遊んでくれることが多いですが、4歳くらいの時はおもちゃの取り合いとか、臍を曲げるとか、私のオランダ語レベルで対応するのが、なかなか大変でした。私は遊んでいないのに、気疲れでぐったり。

もちろん、親同士もうちょっと知り合いたいな、とか、親同士も仲がいい場合は、一緒にお邪魔することもありますが、大体は「ではよろしく〜。楽しんで!」みたいな感じで、初回だろうが子供だけ連れて行くことが多いようです。

3. 楽しませるのが上手

これは学校のカラーによるところが多いと思いますが、オランダの学校はなんだかユルい、というか、楽しませること重視だなと思うことが多々あります。うちの学校しか知らないので、他の学校はわかりませんが、一例を。

猛暑の日、消防車が来た!
別の猛暑日、アイス屋さんが来た!(しかも無料)

一年に一回行く遠足も、だいたい遊園地です。日本だと、せめて動物園とか、割と教育的なところが選ばれる感じですよね…。

他には、順番に「小さなスーツケースを家にもって帰れる権」みたいなのが周ってくることがあります。
例えばこんな内容。

Bがつくものを、家の中から3つ探して、このスーツケースに入れて学校に持って帰ってきてね。そして、クラスの皆んなに見せて、それが何なのか話してください。

(アルファベットのBを勉強した日に)

今月1週間、先生のお手伝い係、をしてくれてたので、特別にフリップ(熊の人形)があなたのお家で週末を過ごすことができます!一緒にしたことを写真にとって、来週学校で話してくださいね。フリップの着替えや靴もスーツケースに入っていますよ。

(写真をとって、フリップの日記風に文章を書くのは親の仕事…)

こんな感じのイベントが、時々ですがクラス内で順にまわってきます。みんなで同じことをするのでなく、自分だけできる特別感!
うまいな〜と思います。


4. 必要以上に子ども扱いしない

先生が生徒の親と話をしていた時のこと。生徒が話に割り込む形で、先生に話しかけたところ、先生は「待ちなさい」と指で生徒を制しているのを見かけました。これは他の学校に通う家庭でも同じ話を聞いたので、オランダ共通のスタイルのようです。

日本の感覚だと、子供だから優先されたりすることが多いですが、オランダでは、一個人として扱われ、そこにはある程度の厳しさも伴うように感じます。全体的にユルいと感じますが、注意されるときはビシッと注意。結構先生も恐いです。

成績表のようなものはありませんが、社会性、言語、数についての理解などの発達について、先生の所見を記したレポートが年に2回ほど渡されます。先生から生徒へ向けた文面で各項目は書かれていて、最後には先生からのメッセージが温かい言葉で記されています。先生との面談も、3者面談形式で、生徒も面談に参加するのが基本なので、親と先生の間でブラックボックスにせず、生徒が中心に据えられているのは良いところだなと思います。

5. あんまり栄養とか気にしない

これも予測はしていたので、びっくり!ではなかったですが、クラスの子のお弁当は、大概サンドイッチか、丸パンか、それにちょっとフルーツとか野菜とか。栄養足りるのかなー、という感じ。でも、みんな身長180超えとかになるんだよね、オランダ人…。

学期末に親子ピクニックが学校であって、子供がお菓子とかを配る慣習みたいなのがあるのですが、グミ、チョコパン、ドーナツ、クッキー、ポップコーン、などが配られてました。唯一、中国人ファミリーの子が、苺とミニトマトのボールを持って配っていたのが印象的でした。
クリスマスやイースターにも、持ち寄りパーティーが学校でありますが、甘いものが多いです。


なんだかもっと色々る気もしますが、5つ挙げてみました!
夏休み後、2年生に上がっても先生もクラスも変わらず、一通り学校イベントも経験しているので、来年は少し気持ちに余裕ができるかな、と淡い期待を抱いてます。

みなさま、良い夏をお過ごしください〜。


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