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『第九』のドイツ語は歌いやすくなるか?

11/15(日)【朝日カルチャーセンター横浜】主催のZoom講座「『第九』のドイツ語を歌いやすく」が終了した。しかし、『第九』は実は私も苦手というか、なんだか大変な大曲で、ちょっと歌うのはご遠慮したいかなという曲だった。それなのに、こんな講座をしてほしいという依頼が来るぐらい、日本では大変な人気?というか、そういう流れがいつの間にか(しかし何年もかけて)できあがっている。

コロナ禍でほとんどの演奏会が中止になって久しいが、注意しながらそろそろ活動開始の感がある中で『第九』もそのようだ。一方で、このコロナ禍を使って、こんなことを知って、こんな練習をしたらいいのではないかということを今回のZoom講座で提案してみた。

まずは受講前に、こんなメールを受け取った。20代の音大卒のソプラノさんからだ。「学生時代の第九は何故かアルトで乗っていたので、ソプラノも見て見たら、発音と発声が絡まって喉の殺人事件がおきました…。」

『第九』を歌うことで起こるノドの描写がなんともみごとで、笑いを誘う。というわけで、ひとまずそれを未遂に終わらせるべく、講座では「子音を強調して練習してはいけない理由」をお話した。特に、ソプラノにおいては「子音を立てて」は致命傷となることが多い。それはなぜか?

もちろん、最終的には「子音もはっきり聞こえる必要がある」が、練習過程においてはキチンと手順を踏まなければいけないことがある。

講座後に寄せられた感想を、まずはここに記したい。

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・第九だからと言って緊張して発声するのではなく、リラックスして発声、発音することが重要とわかった。

・第九を歌う機会はありませんが、ドイツで合唱指揮を学んだ先生のもとで、バッハをはじめ、ドイツ語やラテン語の合唱曲を歌っています。そこでもドイツ語の発音、言葉の扱い方を丁寧に教えてくれますが、今日はとても参考になり、指揮者の言いたいことの理解が進みました。楽しかったです。ありがとうございました。

・今まで日本で聞いていた第九は合唱の方たちが一生懸命に頭や顔、全身を険しく固くして駆使して歌っている感じでした。既成概念を覆していただきありがとうございます。シラーの生涯を通した自由と尊厳の理念も感動でした。実はこの講座を受講申し込みしてから、地域の第九の演奏会をピアノ伴奏で第4楽章のみ無観客でする、練習は録画録音して配信を含めてなんと二回!という案内をもらい、生まれて初めて参加することにしました。今日の講座を繰り返し視聴してしっかり自習してから練習に参加しようと思います。ありがとうございました。

・途中から講座に参加、シラ―の詩の背景などをお聞きすることが出来ました。川井先生のお話を伺い、シラーを支えた人の温かさとシラーの感動と喜びを感じ、嬉しく、次回の練習時には、その暖かい「もの」を体の真ん中に感じながら歌いたいと強く思いました。ドイツ語の発音の柔らかさは「目から鱗」(耳から??)でした。これから何度も聞いて、のびやかな響きに少しでも近付ければいいなと思います。短時間でしたが受講出来て、本当に良かったと思います。ありがとうございました。  

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そして、「喉の殺人事件がおきていた」彼女は講座内で発音してくれ、その練習のしかたをお教えした。

「シラーの事は殆ど触れないまま、高校3年間と大学1年間(高校は音楽科で、合唱の授業の一環というのが理由で毎年必修でした)、いわれるままにとにかくドイツ語はっきりと発音するを繰り返していたので、講座はとても興味深いものでした。

もっと詩人にも興味を持って勉強しておくべきだったと、反省しております。(ちなみにですが、講座が終わって再度楽譜を見返したら、1ページの中に2~3回「発音はっきりと」の注意書きが、もれなく書いてありました…笑)

発音をしっかりとみて頂いて、WirのWやFreudeの二重子音、そして問題のchもこんなに軽くていいのかと今まで習ったことを疑ってしまったほどです。

また機会があればですが、続きの「Deine Zauber…」の箇所も見て頂きたいと図々しくも思う所存です…!

殺人事件回避のため、これから焦らず地道にやって行きたいと思います。

良き機会を、ありがとうございました!」


受講生の皆さんの可能性が広がるように。。。と思っていつも資料を用意していますが、その甲斐あったかなあ~。

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具体的な方法は、もう少したってからこのNoteででも書きたいかと思う。ひとまず、宣伝になるだけで申し訳ないですが、『第九』を歌うことがこれからもある、あるいは『第九』はもういいかなと敬遠している方にも、このZoom講座を聴いていただけたらと思う。

朝カルは2週間のアーカイブなんですが、特別にお願して1カ月となっています。今からでもお申込でき、1カ月視聴できます。(12月15日まで。)

朝日カルチャーセンター横浜教室の担当の塩沢さんまで、
どうかお問い合わせください。
11/15(日)の【Zoom】川井弘子の「『第九」のドイツ語を歌いやすく」という講座です。
https://www.asahiculture.jp/yokohama





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