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メディアに向き合い9年半のしごと歴

先日のnoteではスピークバディPRとして昨年を振り返ってみましたが、実際のところ広報/PRとしてのキャリアは過去あわせてほんの3〜4年くらいのひよっこ。(→よって戦力が欲しくて採用中)ただ「メディアリレーション」としてのしごと歴は9年半になりました。
広報/PRだけでなく「メディアリレーション」軸の横展開キャリアの人ってあまり聞いたことないし、少しめずらしいのかも?と思い、今回はこの面での振り返りと私なりに彼らと向き合う時に気を付けていることを書いてみたいと思います。


広報以外のメディアリレーションってなんだ

あくまで私のケースですが、こんなことをやってました。

メディアアライアンス①配信パートナー

2012年頃からのキュレーションメディア全盛期に「アンテナ」(antenna*)というキュレーションメディアで6年近くリレーションを担当していました。

ちまたには「勝手に配信したり二次利用したり」というキュレーションメディアも多く問題視されていたのですが、私のいたアンテナはその辺りキチッとしていて。一次メディアと契約を結び、正式に記事配信を受け、見出しのみこちらで掲載、さらに本文を読みたい読者をメディア側にお戻していくというものでした。類似サービスとしてはFlipboard、日本だとSmartNewsも似た仕組みです。

アンテナは
・「厳選したメディアの記事を配信」
・「雑誌を読んでいるような豊かな読者体験」
・「記事が映える美しいUI
を特長としていたので、どんなメディアのどんな記事も配信する(量)というよりは、配信したいメディアに声をかけ、口説いて獲得する(質)というスタイル。めでたく合意に至った暁には契約締結、技術的なプロセスを経て配信開始し管理画面をご提供。その後も、重点メディアに対してはレポートや編成提案(そこの記事がより読まれるように特集を組む、場合によってはカテゴリ設計も)を行いました。

この座組み、(今はわかりませんが当時は)全てバーター取引。配信いただくこと自体に費用はお支払いせず、読者をお戻しすることと、アンテナ内でブランディングすることに価値を感じて頂く、ということでご一緒いただいていました。

なので、バランスがとれるよう読者イベントを共同で実施したり、ブランドを保持するための各種様々なご要望、例えば競合と横並びしたくない、自社だけのカテゴリが欲しい、カメラマンのクレジットを必ず併記したいetc…、をお受けすることも。メディアごとにご要望は様々で、そこからも色濃く相手の特徴・主張が感じられました。

メディアアライアンス②マネタイズパートナー

配信パートナーとしてご一緒している中で、メディアは記事・コンテンツの質に自信はあれど、規模としては課題を抱えているケースも多々あるという話をお聞きしていました。そこで社内で起案されたのが「メディアブースト」という商品企画。

メディアが受注する記事体広告(いわゆるスポンサード記事、タイアップ記事)を、より幅広い読者に配信することで、「質だけでなく量も」得られるものとするというもので、「せっかくのコンテンツを人通りの多いところに出しませんか?」というイメージでした。

(▼その頃の情報流通環境の図示。ここにある、記事はプラットフォームorソーシャル経由で見るという傾向が、今はさらに加速していると思います)

この企画〜拡販を、それまで配信元開拓&リテンションという意味でのリレーションを担っていた私があわせて担当することに。

どんな要件を備えればメディアさんが売りやすいか、出版社・新聞・ラジオ・Webメディアの営業企画の方、また広告代理店の雑誌局の方々を中心に様々なご意見をいただき、値付けしたり商品の規格を作ったり
販路によってマージンが異なったり、相手が利益を確保するためにはこうでなければ等、色々と、色々と(∞)検討を重ねまして…。

結果としては爆売れし、本当に多くのメディアさんとご一緒させていただきました。その時色々とご教示くださった方々・商品企画や拡販を一緒に進めてくれた同僚にも感謝、です。

レコメンドエンジンのメディア向け営業

あとは2020年頃からフリーランスで色々な会社とご一緒させていただいていた際、popIn  Discoveryというレコメンドエンジンのメディア側の営業をやっていました。

レコメンドウィジェットを置くことで、
・読者の回遊性を高める→全体的な閲覧ボリューム増
・記事内容と方向性の近い広告記事をネットワークで配信→収益化
・タイアップ広告等を掲載・管理する枠の設置→作業工数削減
を実現しませんか?という提案です。

私は主に出版社を担当し、ご要望に合わせてロジックを諸々調整してご提供していたのですが、「出面は気にしないから収益性高めで」というところもあれば、超高い基準のもと「ブランドの世界観を損なわないことが第一」というところも(広告主の特色にも結構影響されていると思います)。

また、途中popInの新規事業として始まった音声配信プラットフォーム(今はもう無い)のご紹介も進め、コンテンツの音声化に関わったりも。ここでも初めての取り組みにフットワーク軽く乗ってくださるケースもあれば、リスクや工数を強めに見る場合もあるなど、当然ながらメディア自体やご担当者によりお考えも様々でした。

(▼私は本当に何もやってないのですが、初回収録に立ち会って超面白かった和楽webの音声コンテンツ)


メディア向き合いで気をつけていること

ここから先は、上記の仕事経験を経て染み付いちゃったメディア向き合い上のクセのようなものです。今に役に立つものもあれば、改めて書くまでもない当然すぎること、また自分でも古いよな〜と思うこともありますが、備忘録的に書き留めてみます。

日本語は正しく、しょうもない誤字なく

これは、どこの馬の骨とも分からないスタートアップから来た人が文字や文章を生業とする人たちから最低限の信頼を得るために気をつけていることです。(現実問題、中身があれば気にしない方も昨今多いのかなと思いつつ、スムーズにやりとりするため、いや単にアホだと思われたくないので気をつけている…)

  • 解釈がブレないよう正しく・簡潔に書く(もしくは必要な時は情緒的にも書く)

  • 小学校低学年で習うような誤字(例えば「合うー会う」等)をしない

  • 世間一般で間違いがちな表現も間違えない(「的を得る」ではなく「的を射る」、得るのは「当」。)

  • 大事なところで誤字脱字しない(人名はもちろん会社名表記、固有名詞のどこに「・」が入るのか、大文字小文字、スペル)

当然すぎるだろって感じだと思うんですが、意外と気をつけてないとやらかすのが人間(私)でして…。数々の失敗を経て、間違えがちな人名・固有名詞は単語登録しているし、「やば!」という時のために、メールの送信取り消し可能秒数はmaxに設定しています。笑 
(って、このnote内に誤植あったらどうしよ…こっそり教えてください…)

相手の稼ぎポイントは絶対不可侵

一緒に広告商品企画をした経験から「なにで稼ぎたいメディアなのか」に敏感になりました。どこからはお金を取りたいメディアなのか、どの程度稼ぐことに敏感なのか、どのような広告主がついているのか、それらの広告主が嫌がることは何か。媒体資料も、主には読者データを見ますが、商品体系にも目を通すようにしていたり。

PRとしての記事確認時も、ちょっとでも「タイアップと勘違いしてない〜?」と思わせたくないので、(これはPR的には当然のお作法かと思いますが)事実誤認・単に誤字脱字、あるいは余程ネガティブな印象になりうる時以外ほとんど赤入れしません。何か要望を入れる際にもそれが先方の何か(稼ぐ上で、あるいは編集権の何か)を侵害していないかなど気になってしまいます。。(逆にタイアップの時はすみません、必要に応じてめちゃくちゃ入れますw)

対応はできるだけ速やかに

まーお忙しい方々だと思うのです。様々な情報源・取引先・取材先・ライター・カメラマン等、多くの方々が関わってコンテンツもメディアも出来上がっている。

だからこそ聞かれたことにはすぐ答えたいし、少なくとも「質問した事実」をご本人が忘れる前に答えたい、と思っています。実際、時間を置いた結果「すみません、なんでしたっけ…?」となることも多々ありましたし。ちゃんとしないと相手の関心はすぐに次の話題、対応が早く的確な人のところに移っていく。だからこそ、返信・素材提供・情報提供などは速やかに、先方の頭の中でその話題がフレッシュな内に、物事の流れが出来上がってしまう前に…、と心がけています。

印象に残る人に・魅力的で興味深い話をしたい

飲みの席&かなり前の話ですが、とある50代の雑誌関係の方が「編集者って綺麗な人が多い」と言ってらしたことがありました。確か、自分に自信がある人でないと初めての取材先にガンガン切り込んでいくの難しいんだよね、という文脈で。

実際メディアの方って、顔の造作ということに限らず、いろいろな意味で印象に残る方が多いように思います(変な人が多いとも言う)。日々新しい情報に触れていることもあるんでしょうね。その方達と向き合う上では、こちらも埋もれるようではいかんし、おもしろい時間にしないとなと思います。だから、自社サービスを魅力的に、興味深いものとして語れることは、アライアンスであれ営業であれPRであれ、メディア向き合いには必須。何をもって魅力的と言うかはそれぞれで違う(PRは社会性とか新規性とか、アライアンスは経済メリットだよねとかそういう話)ものの、ここも精進あるのみ…!

自分なりに違いを解釈、言語化して伝える

キュレーションやレコメンドの仕事を経て、メディアによって打ち出したい世界観も取材方針も読者特性も様々だと実感しました。だからこそ、その違いを自分なりに解釈し、言語化すること、さらには伝えちゃうことも大事ではと思います。私たちが様々なメディアと接していることは当然先方もご存知。違いをどう見ているのか興味深く聞いてくださることが多いですし、また(もちろん情報管理には気をつけつつ)他の動きについて意見を聞かれることも多々ありました。

実際「ぜひこちらで!」と言ってくる人が、なぜ?と聞かれて違いを語れなければ、その言葉に何の説得力があろうか。かくかくしかじか、だからこそ御社のこのメディアで、と言いたいなと思います。(こちらも日々精進!)

コンテンツへのリスペクト・好きを伝える

最後に、これは私がもともと単に雑誌好き・コンテンツ好き(出版社で働く人になりたかった)なことも影響していますが、アポの前には必ずそこの記事や出版物に目を通して、どの記事がよかった、どれがどう面白く学びがあった、この漫画の新刊読んだ、などアイスブレイク的に会話に入れます。

そのために、雑誌読み放題サービス(dマガや楽天マガジン)はずっと使っているし、有料メディアのサブスクにもホイホイ課金します(時々青ざめます)。

これは結果として単に心理的距離が近づきます。会話する方が直接携わっていなくても、好みの系統が違っても、コンテンツに関わる人はコンテンツを好きな人を無下にはしません。一体何度、漫画談義に花を咲かせたことか、、、とある出版社の方に、「石原さんは癒されたい時は集英社の少女漫画、気合いを入れたい時は講談社の漫画を読むようだね〜」と分析されました。自覚はしていませんでしたが、おっしゃる通りでございました。笑 いまはどっちも読みたい。


今回も長くなってしまった。。言葉を尽くしたくなるのは、PR的にいいクセでしょうか、悪いクセでしょうか。上記でも書きました通り、引き続き簡潔な物言いができるよう精進してまいります!

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