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逆にイタリアの凄さを感じた日

ただいまヨーロッパを旅してます。

先々週ニースからシチリア島のカターニアに飛びました。
コロナの前はニースからカターニアへ直行便があったそうですが、今は乗客が少ないせいか、ありません。

直行便はないとはいうものの、選択肢はふたつありました。

エールフランスでパリ経由
イタエアウェイズ(アリタリアが倒産し、今はITA airwaysと言っています)でローマ経由

パリ経由は乗り継ぎが悪く時間がかかるため、イタエアウェイズにしました。

ちょうど南仏にいる時にエールフランスのストがあり、乗客の荷物が飛行機に乗せられず、多くのフライトがキャンセルになりました。

よかったねぇ〜、イタエアウェイズにしておいて

夫と私は自分達の選択が間違っていなかったことを喜び合います。

ただ、アリタリアの頃からローマ経由の乗り継ぎではロストバッゲージが多い、というのを聞いていたので、手荷物の中に最低限のものを入れて搭乗しました。

ニースからの飛行機も、ローマからの飛行機も遅延で予定より1時間遅れてカターニア空港に着来ました。すると想像していた通り、私たちの荷物はターンテーブルに現れません。

やっぱりねぇ〜、こんなことも考えて用意していて良かった

なんて、夫と二人で喜び合いましたが、荷物が届かなかったという申請をしたりしていたら、ホテルに着いたのは夜中の1時。
疲れたのでその日は眠りました。

次の日、朝一番の便で荷物が届いているかもしれない、という希望的観測で、お昼頃に空港に荷物を取りに行きました。

ロスト&ファンドのカウンターは長蛇の列。
こんなにたくさんの人の荷物が運ばれなかったのかと、ちゃんとできないイタリア人が逆にすごいなと思いました。

やっと私たちの番になり荷物が届かなかったことを言うと、
「申告したの、今朝の1時でしょ?まだ12時間も経ってないじゃない。そんなの来るわけないよ」

そして、私たちの周りの人たちを指さします。

「滞在中に荷物が来なくて、ここで荷物をピックアップしてから自宅に帰る人だっているんだから」

えええええ!なんでそんなことが許されるの?!

「ローマは乗客が多いから、ロストバッゲージは多いんだよ。だから仕方ないんだ」

いやいやいや。。。ロンドンのヒースロー空港もパリのシャルル・ド・ゴール空港も相当な人数がトランジットしているはずだけど、荷物が届かないって多少はあるかもしれないけど、こんなにはないでしょう。

彼の背後には、たくさんのスーツケースが並んでいます。

それ、全部ロストラゲージだよね?!

「とにかく、12時間以降じゃないとこちらも追跡できないから、また明日にでも来てよ」

すました顔でそんなことをのたまいます。

「僕たちはこれからシラクーサに行くので、シラクーサのホテルに送ってください」

夫のその言葉を受けて彼はまたシレーっとのたまいます。

「ああ、だったら荷物が届くのは明後日以降だね」

その言葉を聞いて、私はカウンターに乗り出し、
「明後日ってどう言うことやねん」
と詰め寄りましたが、彼は慣れているのか動じません。

「ここからシラクーサまで運ぶ手配とかしてたら、明日には無理だよ」

怒っても仕方がないと、心を落ち着かせ、私たちはシラクーサのホテルの名前を申請し、そこに送ってもらうように手配をしました。

ロストバッゲージのために用意しておいたものは1日分。
さてどうしようかと思いながら、とりあえずシラクーサに向かうことに。

荷物があればタクシーで行くつもりでしたが、手荷物だけで身軽なのでバスに行くことにしました。
本来なら、タクシーでシラクーサまでは130ユーロ。それがバスだと一人6ユーロという安さ!
カターニアの空港からシラクーサまでは1時間半ほどかかるのに、たった6ユーロって!!そんなに安くて大丈夫なの?と余計な心配をしてしまいます。

チケットを買い、シラクーサ行きのバスを待ちますが、10分後に出発するはずのバスがいつまで経っても来ない!

どういうこと?!そう思いながら夫に私のつまらない持論をぶつけます。

「ねぇ、イタリアって一時期ヨーロッパ全土を制圧したんだよね。(いわゆるローマ帝国っていうやつですよね)軍隊がすごい強かったから、制圧できたんだよね。指令とかを忠実に守ってたから、軍隊が強かったんだよね。なのになんで今では全てこんなにグダグダかなぁ」

夫は何言っているの?という顔で私を見ます。

「それは2000年前のことでしょ。時間の感覚も、物事の進め方も、今とは雲泥の差でしょ。今は物事が早く進み過ぎてる。だから必要ないことも増えている。ローマが強かった頃は、時間通りに来るとか、物事がスムーズに進むことよりも大切なことがあったかもしれないじゃないか。それが今と違うだけなんだよ」

夫は正しい。
あの頃と今を比較するのは間違ってるかもしれない。
でもね、それを差し引いたとして、どう考えても解せないんですよ。

ロストバッゲージをすると、一人50ユーロを補償することになっています。
まぁ、貰えるのはロストバッゲージしてから24時間を過ぎないといけませんが。
あんなたくさんのラッゲージがあったってことは、それらの人たちに50ユーロずつ。
って考えると、結構な金額になります。
そのお金、惜しくないのかな?
もちろん、従業員がその補償を自分のポケットから払うわけではなく会社が払うので、乗り継ぎの飛行機に乗せられなかっても仕方ないよね、ってことなのかもしれませんが、だったら従業員の数を増やせば良いのではないのかと。
それとも、従業員の数より、補償をした方が安いのですかね。

っていうか、そんな感じだから、アリタリアは倒産したんじゃないの?!

いろんなことを考えれば考えるほど、不思議なことばかり。
それでも国として成り立っていて、今でもG7の一国であるイタリアって、すごいなぁと思った日でした。


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