きらきら

たとえばTwitterなんかで、辞書を読むのが好き、という人をたまに見かけます。
私は辞書自体は好きなんだけど、ずっと読み続けるのは正直難しい。読んでいるものにストーリー性を求めちゃうんですよね。
活字中毒の人は読むものがないときにはたとえば薬箱に書かれた効能とかまで全部読んじゃうっていうけど、私はそこまではないかな。
文字を読むのではなくて、お話を読むのが好きなんですよね。
だからいつもかばんには本が入っているし、旅先でも持って行った本を読み終わったら本屋さんに行って本を買っちゃうし、最近はタブレットにもKindleを入れてるので電子書籍で読んだりもする。
そんな感じで辞書をずっと通して読むことはどうも私にはできないので、辞書を読むなんて話を聞いたらすごいなって尊敬します。

そういえば子供のころは、ことわざ辞典を何度も繰り返し読んでいました。
私が子供のころは、放っておいたら漫画ばかり読むから、とうちの親は漫画は買ってくれなかったんですよね。(よそから借りてくるのはOK)
自分のお小遣いで買うのまでは禁止されませんでしたが、買ってくれるのは漫画以外。だから漫画が読みたければお小遣いをためるか、友だちか従兄妹に借りるかでした。
当時はまだ文庫本は私には字が小さすぎ、でも子供向けの本は図書館や学校の図書室で借りるのでじゅうぶんだった。親に頼んでまで絶対に欲しかった本は、ローラ・インガルス・ワイルダーの大きな森の小さな家のシリーズで、それは買ってもらえてたし。
だから絶対に欲しい本というのは当時はなくて、でも親は「ためになる本」を読ませたくて、それでなんとなく興味を持てる本、で選んだのがことわざ辞典でした。

親の思惑どおりだったのかどうなのか、ことわざ辞典はすごく面白くて、何度も何度も読みました。たぶん小学校の5年生か6年生のときだったけど、一時期は寝る前に読む本はいつもことわざ辞典でした。
今でも、だからことわざは結構覚えてます。

ことわざ辞典が読めて普通の辞書が読めないのはなんでかな。百科事典だと読めそうな気がする。

でも、通して読むのは難しいっていうだけで、辞書自体は好きなんですよね。
ときどき適当に開いたページを読んでみたりします。見開き2ページを読み終わったら、また適当に開いてそのページを読んだりとか。
知っているはずの言葉を実は少し間違えて覚えてたりするし、知らない言葉もまだまだたくさんある。
知らない言葉を知るのは楽しいし、ときどきハッとするほどきれいな言葉に出会ったりもするんですよね。

そんなふうにして見つけた言葉で一番好きなのが、「夢見月」と「夢見草」。
「夢見月」は陰暦3月の異称で、「夢見草」は桜の異称。
もうずいぶん前に見つけた言葉だけど、大好きで覚えてます。
この言葉を見つけたときには、きらきらと輝いて見えたなぁ。

他にもいろいろ好きな言葉があって、だから辞書を見るのは好き。
辞書によって少しニュアンスが違ったり、辞書によって例文が独特だったりする。
単に国語辞典ではなく、類語辞典のように用途を絞った辞書も面白いです。

辞書を比較しているブログも見たことあるけれど、各社の辞書の特徴を並べててすごく面白かったです。

ストーリーを求めていつもは小説を優先しがちなんだけど、ときたま新しい辞書を買うときもすごくわくわくします。

最近は辞書を買っていないから、そろそろ本屋さんに辞書を捜しに行こうかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?