スライド6

マジシャンの始め方

プロマジシャンになる夢

 夢はマジシャンで食べていく事
 趣味でマジックをやっている人で、このような夢を持っている人は多いことだろう。好きなマジックを演じることができて、観客を喜ばせることができて、それで収入を得ることができて、その収入で生活ができるようになる、こんな幸せなことがあるのだろうか。

 その夢は、実はわりと簡単に叶えられる夢である、とプロマジシャンでもあり、マジックバー手品家の社長でもあるとりっと氏は言う。
 実際にやってみる、というたったひとつのステップだけで、その夢に手が届くことを、実際にやったマジシャンたちは知っているのである。

 問題は、「食べていく」ということをどのように捉えるか、であるが、収入としては月に20万円もあれば、十分食べていけることだろう。実家暮らしであれば、もっと少ない収入でも食べていけることになるかもしれない。年収で言うと、200万円から240万円という収入帯が、いわゆる「食べていける」というゾーンである。このゾーンは、まじめに活動するマジシャンであれば、突破するのは容易であるのだが、始め立ての頃は、まずはこの収入を目指すと良いかもしれない。

 マジシャンとしての仕事は、それなりに多いものである。マジックバーで働くこともできれば、居酒屋でチップ制マジックを演じることもできるし、ストリートマジックでチップを得ることもできる。きちんと仕事をするのであれば、これらの仕事で月に20万円を得ることは、そう難しいことではないのである。

 マジックを仕事にすることの利点は、経費をかけずに収入が得られる点である。衣装については、スーツでもよいし、私服だから仕事ができないことにもならない。道具についても、トランプ1つ持っているだけで、十分に仕事ができるし、あるいはコインや輪ゴムを手に入れるにも、お金をかける必要がないと言うか、お金自体がコインマジックの道具でもある。人を雇わなくても、事務所を置かなくても、仕事を始めることができるのだ。
 もちろん、多くの売り上げを求めて、経費をかけていくことは将来的に考えるべきことではあるが、まず始めることに対してリスクが小さく、そして経費をかけずに始めれば、売り上げイコール利益となるのだから、20万円の売り上げをそのまま20万円の利益にすることも可能である。
 ともかく、実際にやってみるかどうかの1点に尽きる

 さて、マジシャンとして食べていくことは難しくはないと書きはしたものの、実際のところ、そのマジシャンの性質に大きく依存することは言うまでもない。
 中学生のマジシャンと30代のマジシャンで、同じ稼ぎができるのかどうか。5歳の時から練習しているマジシャンと30歳からマジックを始めた人が同じように仕事ができるのかどうか。家庭があったり子供がいたりすると、諦めなければならない夢なのか。学歴はどれほど重要なのか。会社を辞めてまでやるべきなのか。人それぞれの、様々な心配事があるかもしれない。そして、マジシャンの始め方も、人それぞれであって良いことだろう。
 ここでは実際に受けた4件の相談に対するアドバイスを紹介する。どのような状況であったとしても、マジシャンにはなれるので、参考にしてほしい。


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