バランスシートを初心者にわかりやすく説明してみる
■はじめに
自分もフリーランスとして仕事をして5年が経過して、確定申告などの経理事務も自分でやることにだいぶ慣れてきました。
会計アプリを使いながらですが、複式簿記で日々の入出金を管理し、ある程度経理の初歩についても理解してきたかなといったところなのですが、ところでバランスシートって何って聞かれたときふんわりとしたイメージしかもっていないと、自分自身感じたので、ここで改めてどんなものなのかということを自分なりに解釈したいと思いました。
もちろん正確な用語や正確な意味を捉えているということはありませんので、そのへんはご容赦願います。
■バランスシートとは
経理の世界では、財務諸表と呼ばれるものがあり、特に貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー表の3表のことを財務三表と呼びます。
(キャッシュフロー表だけ横文字なのが、自分的には気持ち悪いのだけど。。。)
そして、特に貸借対照表のことをバランスシートとみんな呼んでいて、会社などの事業体が保有する資産の内訳を示すものとなっています。
■バランスシートは左側と右側でできている
バランスシートは左側と右側の2つのパートから成り立っています。
そして、特に
左側 → 借り方
右側 → 貸し方
とよびます。
ここで「借り」、「貸し」という言葉の意味に固執してしまうと混乱を招きます。
本当に意味のない単なる呼び名だと思った方が良いです。
覚え方としては、「借り方」の「り」、「貸し方の」の「し」に注目します。
「り」という文字は最後左方向にはらうので「左側」、「し」は同様に最後右方向にはらうので「右側」と覚えると良いそうです。
ただし、この記事の中ではいちいち頭の中で「借り方のりは左方向にはらうから左側。。。」と毎回考えるのが面倒くさいので、「借り方」、「貸し方」という用語は使わずに「左側」、「右側」という言葉を使うことにします。
(「借り方」「貸し方」という用語を作った人は、本当にネーミングセンスないよなあ。。。)
■左側は保有資産の内訳を説明している
左側は会社が現時点で保有している資産の保有形態による内訳を示しています。
例えば、現金として金庫に保管しているお金が100万円、A銀行口座に200万円、B銀行口座に300万円、株を150万円、1000万円の土地と500万円の事務所建物といった場合、左側の内訳は以下のようになります。
【資産】
1.流動資産
・現金:100万円
・銀行預金:
- A銀行口座:200万円
- B銀行口座:300万円
・証券:
- 株:150万円
2.固定資産
・土地:1000万円
・建物:500万円
(3.繰延資産)
【左側(資産)合計】2,250万円
となります。3.繰延資産については開業費などの制度上決まっているだけで、重要ではないし理解を妨げるので説明を割愛します。
とにかくこの会社は2,250万円の資産を持っていて、それを現金や口座預金やら土地やら様々な形で保有しているということ分かります。
■右側は資産がもともと自分のものなのか、借りたものなのかを説明している
一方で、右側は資産をどうやって手に入れたのかを説明しています。
つまり、この会社は2,250万円分の資産を実際に手にして入るけど、自分のお金なの?それとも借りたお金なの?ということを説明しているのです。
そして、このうちもともと持っていた資産のことを「資本」とよび他人から借りた資産のことを「負債」と呼びます。
たとえば、この会社は、
(1)クレジットカードで今月50万円の買い物をして、来月50万円の引落しが予定されている。
(2)銀行から300万円の融資を受けている
(3)従業員から源泉所得税として30万円を預かっている(給与から天引きしている)
という状態だとします。
そのとき右側は以下のような表記になります。
【負債】
1.未払金:50万円
2.借入金:300万円
3.預り金:30万円
【純資産】
資本1870万円
【右側(負債+純資産)合計】2,250万円
となります。
ここで、右側(負債+純資産)の合計が、左側(資産)合計の2,250万円に一致していることに注目します。
つまり資産のうち、人から借りたもの(負債)以外は純資産ということにななるのです。
そして、左側合計と右側合計が一致している(一致しなければならない)ということが貸借対照表がバランスシートとよばれている所以なのです。
■バランスシートで会社の実態を暴く!
ここまで、バランスシートの記載項目が何を示しているのかということを説明しました。
では、バランスシートをみてどのように使えばよいのでしょうか?
ここで、羽振りのいいA君という友達がいることを想像しましょう。
Aくんは高級マンションに住んでいて、高級車に乗っていて、友達と遊ぶときはよく奢ってくれます。
これだけみると、「A君はお金持ちなんだなあ」と思うかもしれません。
でもよく考えると、A君はごく普通のサラリーマンのはずで自分よりも特別収入が多いとも思えません。
そこで、A君の実態をこっそりと身辺調査してもらいました。
するとA君は、親族から500万円の借り入れと、消費者金融から800万円の借金があったのです。
そして、住んでいたマンションのローンが50年と乗っていた車のローンが20年残っていたのです。
これは、どうみてもA君の懐事情は健全とは言えませんね。
このように会社についても、バランスシートを見ることでその会社の健全性を確かめることができるのです。
「この会社は都心で、お洒落なオフィスでたくさん広告を出して、儲かっているのかなー?」なんて思ったとしても、その会社のバランスシートをみると借金まみれなんてこともわかるのです。
事業の形態にもよりますが、バランスシートの右側をみて、負債(上)が純資産(下)を上回っている頭でっかち状態になっていたなら、「むむむ。。。」と思っても良いかもしれませんね。
■まとめ
今回は、財務三表のうちのバランスシートについてわかりやすく解説してみました。
もし、この記事が参考になったとかわかりやすかったと言うことであれば、「いいね!」をいただければ幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?