お金のブロックを外さなければ会社員は変われない。
認知科学に基づくコーチングを提供しているサカモトヒロキです。
主に30代から40代の会社員の方を中心にコーチとして挑戦のサポートをさせていただいております。私自身も会社員として働く側面も持ちながらのコーチ活動であるため、今日のテーマは自分ごととしても解像度高くお伝えできる内容です。
会社員に強固に存在するお金のブロック
いきなりですが、認知科学に基づくコーチング世界では仕事のことを「お金を払ってでもやりたい人の役に立つことと」と定義しています。また趣味は「お金を払ってでもやりたい人の役に立たなくてもいいこと」と定義します。
仕事と趣味ってほぼ一緒なんですよね。そして趣味は人の役に立ってもいいので、自分以外の人から見たら、仕事なのか趣味なのかよくわからないというものです。
会社員の方にコーチングセッションでこの説明をすると、ほぼ全員かなりの戸惑いを覚えられます。場合によっては少し不快な感情を抱かれる方さえもいます。
なぜならこれまでの10年以上の社会経験の中で、そのような考えで働くことを良しとしてこなかったからです。仕事とはお金を稼ぐ手段であり、やりたいことをやる場ではなく、むしろその逆であるというのが多くの方の共通理解です。
コーチングでお伝えする8つのバランスホイールでは「仕事・趣味・家庭・人間権系・知性・社会貢献・健康・ファイナンス」というカテゴリの中で、明確に仕事とファイナンスは分かれています。
他の6つのカテゴリのゴール達成に必要なリソースが健康とファイナンスという考え方です。
これを起業家の方に説明すると「そんなことは言われるまでもないじゃないか」というリアクションになるのですが、会社員の方に話すと全く違った反応になるのですね。
会社員マインドと起業家マインドの大きな違い
それではなぜここまで大きくお金観に違いが出るのでしょうか?
それはそもそも現在のお仕事をお金を払ってやっているか、お金をもらってやっているかの差にはっきりと現れています。
起業する方というのは、そもそもご自身のやりたいことが既存の企業や公共事業の中にはなく、新しく自ら作り出す必要がある、それを自分はできるというマインドの持ち主です。
ガレージからスタートするシリコンバレーのスタートアップの話をよく聞きますが、最初は小さな小さなオフィスを借りて、寝泊まりしながらビジネスを作っていくのが起業家です。
間違いなくこの時点ではお金を払って仕事していますね。そして投資家に自分たちのビジネスモデルをプレゼンして出資を募るわけですが、基本的にこれも借りたお金と考えると、数千万円、数億円というレベル感で自分がお金を払ってお仕事をしているという感覚です。
一方で会社員はどうでしょうか。新入社員で企業に勤め、いきなり初月から定額の給料をもらうことができます。そのまま年に1回少しづつベースが上がりながら、定年まで毎月一定額が得られるファイナンスモデルを当たり前のこととして受け入れています。
そして多くの場合が実際に行なったお仕事の対価というよりも、提供した時間とのトレードオフで給料を得ているため、何か価値を残すとか成果を上げたことで得られるお金というよりも、その会社に勤めているという対価として給与を受け取っている状態です。
会社員のお金のブロックは根深い
前述の通り、不快な気持ちになる方がいることを承知の上で、とても重要なことなので説明しますと会社員の給与は「おこづかい」ととても似ています。
というかそもそも人生ずっとおこづかいシステムで生きる人が多いです。
小学校で毎月「学年x100円」のおこづかいを渡す家庭では、中学で1000円〜3000円、高校で5000円〜10000円、そこで育った子は大学生で何かしらの作業代行的なアルバイトをはじめ、自分の時間と引き換えに多い月で10万円くらいを手にします。
そのまま社会人となり月20万円くらいもらい、年2回くらいボーナスという名の業績連動型臨時支給を得ます。これも表向きは個人の成績への報酬となっていますが、ほとんどが企業の業績の良し悪しを全体で按分したものです。
会社員の方はものすごく仕事を頑張って、どう見ても自分が他の誰よりも業績アップにつながる仕事をしたと実感があっても、それが収入に比例した経験はほとんどないと思います。
その逆で、ほぼ一定額なら緩やかに、無理せず、マイペースで仕事をして、勤務時間を最小限にした方が、時間当たりの収入は高くなるという計算さえ成り立ちます。「あの人、全然仕事してないけどすごい高い給料もらってるよね」という50代の方が1人以上思い浮かぶのではないでしょうか。
こうなってくると会社員の収入アップ戦略はとんでもなく貧しい発想になっていきます。メンバーのうちは残業代で稼ぐというものです。長い時間オフィスにいればその分だけ課金される仕組みを採用している場合、仕事を遅くやった方がたくさんお金をもらえるというルールなので、遅くまで働くことに価値があるということが正当化されています。
年齢とともに管理職にもなると、労働組合から抜けるので残業代が発生しなくなります。そうなると出張で発生する日当や定額宿泊費の差分で稼ぐような管理職が現れます。接待費で飲食をするような人たちもいまだに世の中には存在します。
会社員の真実はリアルおこづかいシステム
ここまで説明してきたことは会社員の皆さんには分かりきっていることであり、今更そんなことを評論家のように偉そうに言われても腹たつだけなんだととなる内容です。
私がお伝えしたいことは会社員ももっと挑戦しよう、どんな人でも今日から変われる、今日が一番若いということです。
コーチングを受けている人や学んでいる人は経営者や個人事業者の方が多いのですが、会社員の方もいます。そして会社員の中には若い方もかなり多いということです。
ここに会社員のリアルなおこづかい事情が見てとれます。
月20万円の月給を受け取っている20代と、月30万円を受け取っている30代では額面状は30代の方がお金を持っていることになります。ですが、現実世界では「独身・実家暮らし」の20代と、「既婚・子供2人・住宅ローンあり」の30代では、手にする自由になるリアルおこづかいに大幅な差が生じます。
この30代の場合、多くて3万円、平均的には2万円くらいが相場です。そこにランチ代を含むのか、スマホ代を含むのかなど家庭オリジナルルールが複雑に絡んできます。
こうしてみると給料という会社の作るお小遣いシステムで得た30万円を、家庭という生活システムに入れてから、各家庭のオリジナルおこづかいルールで大幅に控除された金額が実際に世のお父さんが手にしているおこづかいなのです。
年収1000万円の部長が、お小遣い月3万円というようなケースはバブル崩壊後30年くらい変わらず存在しています。
お金のメンタルブロックを破壊するにはリスクをとって挑戦するしかない
データが古いですが、日本人の社会人の学習時間が1日当たり6分といわれています。
1人の人が2時間(120分)毎日勉強していて、19人がゼロ時間という感じです。ベンチャー企業で働く起業家マインドの人と、老舗の大企業で会社員マインドで働く人の割合と感覚的に近い数字だと思います。
これは会社員マインドの人のそもそも手にするリソースの違いがマインドに影響を与えているのは間違いありません。1ヶ月に2万円だと、宴会に週1回行ったら終わりです。宴会がなくてもランチ、スマホ、タバコなどに使ってきた人はせいぜい自己投資といっても本を買うくらいでしょう。
若い会社員の方がMBAをとりに行ったり、トレーニングジムでパーソナルトレーニングを受けたり、メンタルサポートでコーチングを受けたりするようなムーブメントは今の40代、50代の先輩社員のようになりたくないという危機感がそうさせている部分も多いようです。
自己投資にお金を使っている起業家、若手会社員に対して、そのマインドを持っていない、マインドを持ちたくて、変わりたくてもそもそも投資資金がないという危険な状態にある中堅・ベテラン会社員は多いです。
やりたいことで現状の外のゴールを設定し、殻を打ち破ろう
ここまで書いてきて、今更ですが、私自身がお金のブロックにガチガチに固められた人生だったのです。
典型的なセコイ関西の公務員家庭で育ち、あらゆる判断基準が「値札」という貧しいマインドで教育されてきたので、投資よりも貯金という思考停止期間がとんでもなく長くありました。
コーチングを受けて、コーチとなった今では、新築で建てた家も売り(買ったときよりも高く売りました)、車も手放しカーシェア生活にし、毎年格安スマホに乗り換え、税金などお金の知識も学びました。(ファイナンシャルプランナーも合格しました)
そうして少しの節約で得られた資金をもとにやりたいことに自己投資するという生活にかえ、自分の会社もつくり、学びを深め、人とつながることで、出ていく額とと共に入ってくる額も大きく変化しました。
冒頭、自分自身も会社員であることは説明しましたが、実質は完全成果報酬のため、個人事業主が企業と個別契約をしている感覚と変わりません。自分の仕事で成果が出なければ月額の給与さえも払われません。
安定はおこづかいではなく、変化し続ける世の中への対応力
小学生から社会人までおこづかいという説明をしましたが、その後の年金も含めると一生おこづかいで生活する人が大多数なんですね。
でも年功序列のリストラのない日本の大企業という過去の安定の定義は既に書き変わっています。年金も破綻していることは明確です。
会社員マインドの方、会社員マインドのまま家庭内でおこづかいシステムを継続している奥様と一緒にまずはお金観だけでもマインドのお引越しをしましょう。
今のままではお子様にも定額おづかいシステムが染み付いてしまい、さらに挑戦と変化が必要な時代に稼ぐ力のない人になってしまいます。
未来はやりそうなこと、簡単に稼げそうなことで安易な自己投資をしてはいけません。なんとなく動画編集とか、なんとなくプログラミングを始めても、それをやりたくてやりたくてしょうがない人たちに勝てるわけがありません。
仕事とは「お金を払ってでもやりたいことで人の役に立つことです」趣味は「お金払ってでもやりたいことで、人の役に立たなくてもいいこと」です。
まず趣味から自己投資してみてください。ソロキャンプが趣味だった方が月2回のキャンプを週3回にして発信したところ、キャンプ雑誌から取材が来て、キャンプ用品メーカから商品企画依頼が来て、そのまま仕事になったケースがあります。
何でもかんでもそこまでいきなり上手くいくわけではありませんが、人生を明るく、やりたいこと、得意なことで突き抜けていく人が運を掴む確率が高まることは確実です。
本気で挑戦したいし、その覚悟は出来ている。でも、いざとなるとひとりで飛び出すのは勇気がいるな、思い切ったチャレンジは怖いなという場合は、コーチを使うのも一つの方法です。
コーチングにご興味があれば体験セッションから行動を始めてみてはいかがでしょうか。
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