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LINE Ads Platform事業(LAP)への思い、そしてLINE卒業。

LINE Ads Platform事業(LAP)は集大成

15年を振り返って一番楽しかった事業はなんですか?この質問の回答は間違いなく「LAP事業」である。
2015年から約5年間、自分の全てを注ぎこんだ事業だ。誰よりもこの事業に熱い思いを持って望んだという自負がある。
いよいよこの転職noteも終盤。LAPの立ち上げから卒業の決意までを振り返る。

Timeline ADの始まり

LAPのローンチは2016年だがLAPの前身となるプロジェクトはTimeline ADである。Timeline ADとはLINEのタイムライン面にバナータイプの広告をインフィード形式で掲載できる広告メニューである。

記憶が正しければLINE本体にバナータイプの広告を掲載するというのは初の試みで公式アカウントやスタンプというLINEならではのユニークな広告メニューが主流だった中でのインフィード広告展開というプロジェクトには賛否両論あったと思う。当然実装は物理的な開発面でも社内コンセンサスの面でも楽ではなかった。

ADサーバーもない、配信管理はエクセル

あまり詳細は記載出来ないが、LINEというサービスは基本的には広告配信前提で作られていないため、急に広告を配信しようと思っても一筋縄では行かない。ADサーバーも簡単に設置出来ない、よってimpression管理など本来自動で管理するものを全てエクセルで始めた。直近のimp実績から翌月のimpを予測し、その予測できるimpを販売するのである。(二度とやりたくない)

販売開始から数十分で完売

運用やメニュー設計は楽ではなかったが、反響は凄かった。販売開始の時間になると数百という申込が入り数十分でほぼ全ての販売枠が埋まった。とある代理店さんでは販売開始タイミングにどこよりも早く申込メールを送るための仕組みや体制まで考えられていた。(本当凄かった)

タイムラインの見えないパワー

Timeline ADとはその名の通りLINEのタイムライン面に配信する広告メニューである。そして必ずと言って言われる質問は「タイムラインなんて誰がみてんの?」である。確かに他社SNSに比べると(我々の年齢層は特に)使ってるという感覚は低いし私自信もこの点については疑心暗鬼ではあった。しかし蓋を開けてみると、タイムライン砲の威力は凄まじく"年間リード目標の1/3を1キャンペーンで取り切ってしまった" "LP落ちちゃいました"など良くも悪くも想定外の反響をいただいた。
これがMAU8,400万人のメガApp、LINEの見えないパワーである。
(パフォーマンスを疑っていた自分が恥ずかしい。。)

2016年いよいよ訪れたLAPの夜明け

Timeline ADの成功で火がつきいよいよタイムラインやLINE NEWSをメインの配信先とした運用型広告プラットフォームの構築に乗り出したのである。それに合わせて社内ではLAP専用の組織を形成し始めた、その時に営業のリーダーとして名乗り出たのが後にLINEの広告事業を執行役員として率いることになる池端 由基 氏である。彼とは2015年頃に出会い,2016年のLAP立ち上げタイミングから彼が営業、私が企画という立場で二人三脚で本格的にLAP立ち上げという大プロジェクトに挑戦する事になったのである。

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とにかくトラブル対応と謝罪

運用型広告というプラットフォーム自体は既に数年前から世の中に存在し、使い勝手も配信機能もかなりレベルの高い状態で作り込まれており、マーケットではそれが普通の感覚だったため、数年遅れて少人数でこの事業を立ち上げた我々の機能は到底先輩達の足元にも及ばないレベルだった。外部からの期待と実態に大きな乖離があり、トラブルや謝罪は日常茶飯事であった。そんな中でもとにかくLINEのリーチ力というパワーだけを信じ毎日一歩づつ使い勝手を解消し、機能を拡充していく日々だった。そうした中、池端さんはトラブル対応こなしつつも涼しい顔で着々と外部との関係構築を行い、そして大阪/福岡と営業拠点を拡大していき、気付いたら数百人規模の営業組織を作り上げていた。また、2人とも英語も韓国語も喋れないのにLINEの韓国オフィスやら台湾オフィスにお邪魔し海外メンバーとの連携強化や、大阪/福岡メンバーとの連携強化、クライアント様、代理店様との連携強化にも走り回った。退職をした今でも絶対的な信頼をおいている戦友である。

おまけ:気分転換に東京マラソンも走ってきた

池端さんとはLAPだけでなく東京マラソンも共にした。完走後の記念写真。疲れ切って笑顔のない俺の横で余裕の笑顔を見せてるところがすごいw

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次々に集まる優秀な人たち

この頃から徐々に優秀な方達がLAPにジョインし始める。
LAPの開発面をリードした波形 虎氏やPMとして活躍した(している)北出 庫介氏,須藤 奨氏など優秀な若手がジョインしLAPを内側からも外側からも強くしていった。

ようやく掴んだBEST MANAGER

ライブドアからの15年間でようやく手にした手柄
2018年1月 LINE ADS Platform OFFSITE(表彰式のようなもの)でBEST MANAGER賞をいただいた。恩師でもある田端さんも(ZOZO転職ギリギリ前)授賞式に参加しており受賞後に乾杯した。10年のお礼ができた気がした。

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さらに売り上げは加速していく

ここからさらに配信面の拡大、機能拡大と軌道修正しながらではあったが次々にアップデートを繰り返し、LAPの売り上げは右肩上がりに成長した。
参照: 平成29年12月期 通期決算説明会 プレゼンテーション資料(PDF)

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LINE広告ネットワーク(旧LINE Ads Platform for Publishers)の立ち上げ

2018年の年末から軸足をアドネットワーク事業の立ち上げに切り替えた。
2017年12月にLINEが買収したFIVE社が持つネットワーク事業をLAPに移植し、LAPならではの仕掛を作り外部パートナー(Appパブリッシャー)との連携を強化していくことが私のミッションであった。メディアマネタイズから広告のキャリアをスタートした自分としてはメディアマネタイズ→自社プラットフォーム立ち上げ→アドネットワーク事業と一周して帰ってきた感覚でもあった。そしてFIVE代表の菅野 圭介 氏との1年半も良い刺激になった。

そろそろ卒業かな ただそれだけ

LAP立ち上げ計画から約5年。ライブドア入社から約15年。2019年の頭から徐々に次のチャレンジを意識し始めた。そしてお誘いいただいた何社かの方とお話をしチャレンジしてみたい事業と出会えたので2020年5月に卒業の意思を固めた。LINE(ライブドア)という会社には感謝しかない。なんの意思もなくM&Aでライブドアに入社した売れないバンドマンにここまでいろんなチャンスを与えていただき本当に懐の広い会社である。

そうして2020年7月30日 LINEを卒業した。

次回予告(仮)
最終回「新しいチャレンジ」

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